展示会がコロナで中止に?影響と対応策、開催事例をご紹介
イベント・展示会業界はコロナウイルスによって影響を受けています。特に2020年は展示会の中止が相次いだことで、販路拡大や商談獲得の機会が縮小したという企業も多いです。コロナ禍で展示会を開催するにはどうすればいいのでしょうか?
- withコロナのフェーズにおける展示会開催とは?
- 感染症対策を行いながら会場で展示会を開催する方法は?
- 開催にあたって主催者が気をつけるポイントは?
- 新しい展示会のカタチとは?
2020年から2021年の展示会事情をまとめました。


ガイドブック
- オンラインイベントの特徴や開催方法を知りたい
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展示会、コロナによる影響は?
コロナウイルスがもたらした展示会への影響にはどんなものがあるのでしょうか。データと共に展示会の現状を見ていきます。
展示会中止の経済的損失
2020年3月、国際見本市連盟(UFI)は新型コロナウイルスによる展示会中止がもたらす経済的損失について、リリースを発表しました(参考文献)。これによると、展示会の中止・延長によって世界中でおよそ2.7兆円の商談機会が損失、このうち展示会の中止・延期によって失われた商談機会の総額が最も多かったのはアジア太平洋地域で、その総額は1.7兆円にも及びます(リリース発表時)。
展示会産業はコロナにより大きな打撃を受け、同連盟の調査によると中止・延期している展示会の数や規模から算出した展示会業界全体の損失額は、1.7兆円にも上ります(リリース発表時)。
イベント中止で新規顧客の獲得に苦戦
一般社団法人日本能率協会が2020年4月にビジネスパーソンを対象に行った意識調査によると、コロナによる営業活動への影響について、「展示会、イベントの中止による新規顧客獲得機会の損失」を実感している人は回答者の半数に上りました(参考文献)。
参考URL:https://www.jma.or.jp/img/pdf-report/businessperson_covid-19.pdf
このように展示会の中止や延期によって経済的損失が生じていることは確かであり、コロナの影響が長期化している現在、その影響は深刻化していることが予想されます。
緊急事態宣言下での展示会開催【リアル開催】
コロナの影響が長期化する中、緊急事態宣言の最中でも展示会を開催する事例が見受けられるようになりました。
開催事例|第12回 教育総合展(EDIX)東京
2021年5月12日から14日にわたって東京ビッグサイト青海展示棟で開催されました。
4月25日から東京都に発出されていた緊急事態宣言が延長措置を取られたことで、宣言期間中に開催することとなった事例です。催し物の開催制限について国が出している5,000人の基準に従って(参考文献)、同時入館者数が5,000人を超えないよう配慮して予定通り対面で開催されました。
引用:https://www.edix-tokyo.jp/ja-jp.html
政府・自治体の開催ガイドラインを遵守し、徹底した感染症対策が実施されました。
- 参加者全員のマスク着用
- 体温検査
- 全ての出入り口での手指消毒
- 常時換気
出展企業のブースでも密を避けて商談が行われました。実際に展示物を見ながら会場を歩き、多くのサービスを比較・検討できるのはリアル開催の展示会の良さでもあり、参加者からはポジティブな意見が相次ぎました。
引用:https://www.edix-tokyo.jp/ja-jp.html
一方、緊急事態宣言が延長されたことでNECやエプソン販売などの複数の企業は、会期直前に出展を取りやめています。ブースへの出展を自粛したNECはオンラインによる展示や動画配信に切り替えるなど、出展者によって対応が分かれる結果となりました。
主催者側の工夫
主催者が開催時に気をつけるポイントは以下の通りです。なお以下の項目はコロナ禍ならではの注意点をまとめたものになります。
事前予約制で同時入館者を制限
感染拡大のフェーズや医療体制の逼迫状況に合わせて、政府や地方自治体が収容人数の制限を定める場合があります。2021年5月に発出されている緊急事態宣言でも、イベントの参加人数は上限5,000人と定められています。
このような状況に対処するため、対面実施の展示会も事前予約制にするなど、予め参加人数を把握しておく必要があります。無料のイベントでも事前登録制にして定員を設けることで、収容人数の制限を超えずに展示会を開催することができます。
徹底した感染症対策
世界最大級の国際見本市主催会社であるメッセフランクフルトは、コロナ禍でのイベント開催についてガイドラインを発表しています(参考文献)。
- 会場各所にアルコールスプレーを設置
- 感染対策の注意書きを設ける(大声、飲酒、密接の禁止)
- 入場口ではサーモグラフィーで検温する
- 搬入口のシャッターや会場の扉は開けたまま、常時換気
出展者側の工夫
展示会に出展する企業でも感染症対策を行います。特に企業ブースでは来場者とのカジュアル面談・商談などを行うケースもありますので、密を避けて実施するようにします。適宜、商談をオンラインにするなどの対策も有効です。
- 登壇者の前にアクリル板を設置
- ソーシャルディスタンスの目印を足元に配置
- 来場者対応をする際はマスクやフェイスシールドを着用
- 大声を出さずに来場者にアプローチする
人との接触を避けるため、オンラインで名刺交換をする方法も。

スマートフォンで相手との距離を保ちながら名刺交換ができます。
緊急事態宣言下での展示会開催【オンライン開催】
展示会をオンラインで開催することで、中止・延期による商談機会の喪失を防ごうとする動きもあります。
開催事例|東京ゲームショウ2020
毎年総来場者数 25万人規模を誇る世界最大級の総合展示会、東京ゲームショウ。2020年9月、これまでの対面実施をコロナの影響で見送り、初めてのオンライン開催となりました。
2019年のリアル開催に引き続き、弊社サービスEventHubを使って開催されたこのオンライン展示会では、ビジネスマッチング機能を大いにご活用いただきました。世界中からの参加者が国境を超えて簡単に集えることはオンライン開催の魅力の一つです。コロナの影響を全く受けず、例年に勝る熱量で開催された東京ゲームショウについて、詳細はこちらの記事をご覧ください。

主催者側の工夫
オンラインで展示会を開催する際に気をつけることをまとめました。
開催目的にあったツールを選定する
まずはツールの選定から始めます。この際は、「導入目的」「使いやすさ」「配信環境」「交流機能の有無」など、様々なポイントを重視することで適切なツールを選びます。

特に展示会の場合は、参加者同士の交流が鍵となる場合もあります。その場合、オンライン名刺交換やチャット機能など、交流機能を豊富に揃えたサービスを選ぶことで展示会が活性化。そのまま商談を行えるツールを選ぶと商談化率が向上し、出展者の満足度アップにもつながります。
運営体制を整えて配信コンテンツを作成する
運営体制を整え、基調講演やセッションなどのコンテンツを作成します。ここで重要なのは、ターゲットやタイトル設定に合ったコンテンツを作成すること、そして質の高いコンテンツを作成することです。
オンラインイベントでは、参加のしやすさから視聴者が途中離脱しやすいと言われています。参加者を飽きさせない、質の高いコンテンツ作りで、参加者のエンゲージメント向上を図ります。動画のクオリティを上げる、適切な長さで配信する、ビジュアルを工夫するなどして、飽きられないコンテンツを作成しましょう。
当日の配信環境を整える
当日は、参加者がストレスなく視聴できるような環境を整えます。
特に、音声が途切れないよう十分な通信速度を整えることは必須です。最低でも50Mbps以上の回線速度を確保できれば快適な視聴を実現することができます。オンラインイベントにおいて、音は非常に重要な役割を果たします。できるだけリスクを回避できるような環境づくりを心がけましょう。
まとめ
コロナによる影響を受けている展示会業界ですが、主催者の対策や参加者の協力により、コロナ禍でも安心して開催する方法が考えられています。その中の選択肢としてオンライン開催があるわけですが、初めてオンラインイベントを開催する場合は不安に感じる主催者の方も多いです。
EventHubではオンライン展示会の運営を一気通貫でサポートします。これを機にオンライン展示会の開催を検討されている方は、こちらのフォームよりお気軽にお問い合わせください。
