イベント開催の準備の方法は?一連の流れと運営ノウハウをご紹介
BtoBマーケティングにおけるイベント開催は、その費用対効果の低さが問題視されてきました。
HubSpotのキム・ダーリング氏は、これまでのイベント開催について「『イベントは商談成立の場』という認識しか持たれていませんでした」と述べ、イベントがもたらす効果の小ささを指摘。その上で、イベント開催の目的を再定義することの必要性について、「イベントはコミュニティの意識を醸成する非常によいツール」と述べています(参考記事)。
リード獲得や販路拡大を目的にBtoBイベントの開催を検討する企業が多いですが、イベント開催の効果が客観視できなかったり、費用をかけた割に成果が出ないといったことを課題と感じている方もいらっしゃるでしょう。
そこで本稿では、イベント開催の流れを細やかに説明。イベントの運営に必要な準備の全体像を把握するほか、それぞれの段階で重要なポイントを理解することで、効率良いイベント開催を目指します。


ガイドブック
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イベント企画の流れとポイント
イベントを開催するにあたって、始めに考えるべきことをまとめました。
目的を決める|一番始めにやるべきこと
具体的な準備に取りかかる前に、イベント開催の目的を決めます。何のためにイベントを開催するのか、イベント開催を通じて達成させたい目的は何かを明確にします。
イベントの趣旨を明確にすることで、適切なイベント規模や会場の大きさ、ターゲット像がはっきりします。イベントの準備や運営に入る前に開催の目的を明確にしてチーム間で共有しておくことで、滞りなくイベントの準備を行うことができます。
ターゲットを決める|解像度をあげて設定する
イベント開催の目的が決まったら、参加者層を確定します。イベントに参加して欲しい業種や対象となる業界、どういう興味をもった人に参加して欲しいのか、対象者を明確にします。
ポイントはターゲットの解像度を上げていくこと。職種や年齢層を含めて細かくペルソナを想定することで、その後の告知や集客の方向性も自然と定まり、その後の準備が効率化できます。企画の段階で定めた対象者を告知ページなどに明記することで、イベントの内容や開催目的に適切な参加者を集客できる、というメリットもあります。
KPIを決める|振り返りをしやすく
イベントを開催するにあたって、
- 「結果が見えず成果がわからない」
- 「1回だけ開催の開催で次に繋がらない」
- 「コストをかけて準備したのに結果が出ない」
といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで有効になるのが、KPIの設定です。リード数や参加人数、SNSでの拡散数を「達成したい目標数字」として設定しておくことで、イベント運営の方向性や進捗、結果を数字として見える化できます。成功や失敗の判断がしやすくなるだけでなく、「どこに失敗の原因があるのか」「どうして今回は成功したのか」「改善の余地があるのはどの箇所か」を把握して次につなげることができます。
イベント準備の流れとポイント
イベントの目的・ターゲットやKPIを決めた後の流れです。
プログラム内容を決める|適度な長さで飽きない内容に
イベント開催の目的やターゲットに合わせて、イベントのプログラムを作ります。
イベントの準備をするときに重要なのが、参加者目線でプログラム設計を行うことです。例えば、1つのイベントが数時間にわたる長いものである場合はトピックごとに区切ったプログラムを設置します。1プログラムの時間に関しても、30分から45分ほどに抑えることで参加者が集中して視聴できる環境を整えます。
また、一方的な情報発信だけでなく、質疑応答の時間を設けたり参加者同士が交流したり面談したりできる時間をプログラムとして組み込むことで、双方向性の高いイベントを実現して参加者の満足度を高めることもできます。
会場の確保|それぞれのメリットデメリットを比較
予算やイベントの規模に合わせて会場を確保します。イベント会場のアクセスだけでなく、会場の備品やレイアウトも考慮して、イベントのイメージに合う会場を選びます。
特に懇親会をイベント会場で行う場合は、飲食の可否も忘れずに確認しておきましょう。なお、使用できる会場の例としては次のような場所があります。参考にしてみてください。
- 市民会館など公共の施設
- 民間企業が貸し出している会議室
- 自社の会議室
イベントの告知|ターゲットに合わせたメディア選定
プログラムの内容などイベントの詳細が決まったら、イベントのランディングページを作成して告知の準備に取りかかります。
広告を出稿してターゲットにイベントを宣伝する方法のほか、SNSで繋がりがある人に向けてイベント情報を発信したり、イベント検索サイトに掲載してWeb上でイベント情報を拡散させる方法があります。ターゲットにあった媒体を使ってイベントを告知します。
集客する|適正人数でなんども開催
イベントページの作成や告知の準備が整ったら、次にイベント参加者の集客を始めます。闇雲に集客に注力して参加者数を増やすのではなく、イベントの趣旨に合わせて規模感を定め、適切な人数を集めるようにします。

特にイベントの開催は一回きりではなくて複数回にわたる開催と振り返りでPDCAを回して改善していくことが大事です。集客人数が膨らんで運営のコストや手間がかかりすぎると、継続した開催が難しくなり、イベントの効果を最大化できなくなります。
イベント開催までの流れとポイント
当日の開催に向けて必要なことを洗い出していきます。
会場の下見|当日の動線を意識
前もって会場にてリハーサルを行い、スタッフの動線を確認して不便があれば設備のセッティングを改善しておきましょう。自分が参加者になったつもりで会場を動いてみることで、参加者が不便に感じるポイントを解消して快適なイベント参加を実現させることができます。
最寄り駅から会場までの経路でわかりにくい道があれば、開催前の案内でアナウンスしておくと親切です。
当日の準備|念入りな事前準備でスムーズに
座席の配置や受付準備、投影資料の支度やパソコンの接続、プロジェクターの準備などを行います。資料の投影やデジタル機器の接続に関しては、本番が始まる前にきちんと映るか確認をしておきましょう。大規模イベントの場合は参加者が迷わないよう、会場内に張り紙をしたり立て看板を設けたりします。
参加者対応|イベントの盛り上げは積極的に
当日、会場の準備を済ませたらあとは参加者の対応を行い、快適でスムーズなイベント体験の提供に努めます。
特に参加者同士で交流するイベントの場合は、参加者間の交流を促すような仕組みを作るなど工夫しましょう。BtoBイベントの場合は、リード獲得や商談化が目的である場合も多いので、イベントの活性化はイベントの成功を左右します。

ビジネスマッチングを促すサービスを活用したり、参加者に名札を身につけてもらったり、参加者同士がカジュアルに話せる環境を作ったりするなど工夫しましょう。主催者から積極的に参加者に声がけをしたり、SNSを活用したりすることで、イベントを盛り上げることもできます。
振り返り|次回をよりよくするために
イベントの最後には参加者へアンケートの協力をお願いしましょう。これにより、イベント開催の目標が達成されたか(参加満足度など)、イベント運営に関して改善点はなかったか、次回のイベントをもっと良くするために必要なことは何か、を明確にすることができます。
イベント終了後には参加者にお礼メールを送信することで、イベントをきっかけに参加者と中長期的な関係を築くことができます。参加者が次回イベントのターゲットに当てはまっていたら、次回イベントの予告をすることで、関係性の構築や次回イベントの集客に有効です。
まとめ
このように、イベント開催には様々な工程があります。これらを効率よくスムーズに行う方法として、ツールの活用があります。
またリード文での指摘のように、参加者同士がコミュニケーションを取るようなイベントでは、イベントの盛り上がりや仕組みづくりが重要になります。従来のイベント開催でも重要な目的とされてきた商談化についても、主催者側の取り組みが成功を左右します。
- BtoBイベント企画の担当者の方
- 今後、対面やオンラインでのイベント開催を予定している方
- これまでのイベント準備をより効率化したい
上記に当てはまる方は、こちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。
