コロナ禍で考えた、”オンラインでも交流できる”新しいピッチイベントのカタチとは?

主催社: 日本経済団体連合会 産業技術本部

イベントタイプ: ウェビナー

開催形式: オンライン 業界: その他

開催形式 オンライン

業界 その他

日本経済団体連合会(以下、経団連)は2019年10月より、日本を代表する大企業とスタートアップ企業の共創を促すピッチイベントKeidanren Innovation Crossing(KIX)を月に1度のペースでスタートしました。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年2月よりピッチイベントをオンライン化。”オンライン版Keidanren Innovation Crossing(KIX+)”として、これまで13回開催しています。EventHubは第7回KIX+より計7回ご利用いただいており、現在も継続してご利用いただいています。

そこで今回は、経団連産業技術本部にてピッチイベントの開催を担当されている小川さん、桐山さんにお話を伺ってきました。

これからの時代の担い手であるスタートアップと大企業の出会いの場を

経団連様の活動方針を簡単にお教えください。昨今ではスタートアップ企業への支援も積極的に行っていると伺いましたが…?

経団連が政府と共に実現を目指している社会として、「Society 5.0」というものがあります。Society 5.0とは、「デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会」のことです。経団連では、Society5.0の主要な担い手であるスタートアップの支援を推進すべく、2019年10月にスタートアップ委員会が発足しました。

今後は多様なスタートアップ企業と共に経団連の活動を進めたく、スタートアップ委員会での活動に加え、入会資格の引き下げ等を実施しています。これまで、20社以上のスタートアップ企業に経団連へ加盟いただいています。

なるほど。そういった活動方針の中、ピッチイベントを開催するに至った背景をお教えください。

スタートアップ企業が経団連に期待していることの一つに「国内を代表する企業とのネットワーキングを行う機会が欲しい」というものがあります。そこで、経団連主催のピッチイベント「Keidanren Innovation Crossing」を開催し、大企業とスタートアップ企業が交流する機会を創ることを決めました。

このイベントの大きな特徴は、「企業内において、スタートアップとの協業等の決定権を持つ役員級の人と交流できる」という点です。この点に関しては、経団連のピッチイベントにしかない強みであると考えています。イベントを開催したところ、スタートアップだけでなく、大企業側も熱心にネットワーキングをされており、名刺交換からいきなり、その場で商談に入るような方もいらっしゃいました。驚いた一方で、スタートアップ企業の期待に添ったイベント設計ができたとも感じました。

イベントの継続を最優先に。中止ではなくオンライン開催に舵を切った

当日の配信風景

対面で実施していたピッチイベントですが、コロナの影響でオンラインに切り替えたのですよね?

そうです。2019年10月から月に1度のペースで対面で開催をしていましたが、2020年3月にはオンラインに切り替えました。経団連では新型コロナウイルス感染拡大への対応として、会合のオンライン化を順次進めましたが、対面でのネットワーキングは、人が密に集まって交流を行うイベントだったことから、オンライン開催を迅速に決定いたしました。延期や中止も考えられましたが、スタートアップと大企業の協業の場を絶やしてはならないという想いもオンライン開催に移行した理由として挙げられます。

オンライン開催への切り替えはスムーズでしたか?

経団連としてもオンラインイベントは知見が十分でなく、切り替え当初は手探りでの開催でした。しかしながら、社会的にもオンライン会議ツールが普及し始めていたこと、運営メンバーは20〜30代が中心でデジタル技術に抵抗感も少なかったこともあり、スピード感を持って進められたと思います。大企業側に関しても、緊急事態宣言(2020年4月)発令を機にリモート勤務の体制が整い始めていたので、オンライン開催に対する反対の声は少なかったです。

当初は他のツールを使って開催されていたそうですね…?開催を重ねる中でEventHubを導入された理由をお教えください。

当初はツールを探す余地もなく、まずはビデオ会議ツールで開催を始めました。

いざやってみると、ピッチの部分に関しては全く問題ありませんでしたが、ネットワーキングの部分はオンラインへの移行に苦労しました。チャットやブレイクアウトルームを活用し、ネットワーキングの活性化を試みましたが、なかなか上手くいかず。このままだとピッチイベントそのものの価値が損なわれてしまうと感じたので、参加者同士のマッチング・交流を促進できるツールを探すようになりました。

海外発のツールも検討しましたが、「参加者同士が容易にネットワーキングが可能であること」「日本語で使えること」という点を重視してツール選定を進めました。

EventHubの導入でマッチングを自動化。ネットワーキング数は大幅改善

7回目からEventHubで開催してみて、交流は活性化しましたか?

ビデオ会議ツールでの開催時と比較し、ネットワーキングが活性化し、チャットや商談の数も増えました。

実際、EventHubの「会いたいリクエスト」「個別チャット」等の参加者の利用状況を確認したところ、数字としても改善が見られたので、オンライン上で交流を実現させるにはEventHub導入が欠かせなかったと思っています。

ほかにも導入して良かったと感じた点があればお教えください。

EventHubを導入する前は、交流を促すために私たちの方でスタートアップと大企業のマッチング業務を行っていました。かなり労力を要する業務であったので、EventHub導入により自動化・効率化できたのは良かったと感じています。

参加者側としても、主催者を通して交流していた時より、ネットワーキングへの心理的負担を軽減できたと思いますし、より対面の交流に近い形を実現できたと思います。

主催者として交流を活性化させるために工夫したことはありますか?

今でもemailでのコミュニケーションをメインとしている方が参加者には多くいらっしゃいます。そのため、EventHub内でチャットを続けてそのまま商談を行っていただくことも可能ではありましたが、今回は参加者層の特徴を見極めた上で、「いつもの手段」であるメールを使っていただくよう、早い段階にてメールアドレスを交換するよう促しました。

また、オンライン開催では大企業側からのアプローチだけではなかなかネットワーキングが活性化しないと感じていたので、スタートアップ企業側からも積極的にコンタクトを取ってもらえるようサポートなどを行いました。

オンライン開催の活用でコロナ禍でもイベントを継続できた

当日の配信風景

コロナ禍で急遽オンライン開催になるなど難しい選択を迫られたことかと思いますが、ピッチイベントを継続して開催していく意義について、どのようにお考えですか?

このようなイベントは継続することにより、初めて成果が出るものですから、コロナ禍にも関わらず、「オンライン開催」という手段で継続して開催できていることに意義があると思います。

その手段としてEventHubというツールを導入できたのも有意義でした。商談等の成果も徐々に生まれているので、オンラインでも一定の価値提供が可能だということを実感できましたし、コロナ禍でも意味ある開催を継続できたのはEventHubあってこそだと思っています。

リアル開催の良さ・オンラインの良さ、それぞれあると思いますが、ポストコロナの世界では、どのようにピッチイベントを続けていきますか?

正直なところ、オンラインで13回ほど開催してみて「なかなかリアルには敵わない」と感じている部分もあります。イベントの形式や参加者層にもよりますが、対面ならではの気軽な交流は捨てがたいものです。新型コロナウイルスの感染が終息に向かった際には、リアル開催に戻すことも検討しています。

一方で、オンラインの良さを感じたのも事実です。オンライン開催だからこそ海外や地方発のスタートアップにピッチしてもらうことができましたし、参加者数も対面での開催時と比較すると増加しています。

今後は、イベントの性質に合わせて、対面、オンライン、ハイブリッド開催を使い分けるのがよいと考えています。リアル開催でもマッチングツールとしてEventHubを使い続けるのもあり得るかと思います。

これからオンラインイベントを開催する企業に一言アドバイスをお願いします。

リアルで実施していたイベントをそのままオンライン開催に置き換えると、不都合が生じ、オンラインが劣ってしまうことがあります。そこで大事なのが単なる置き換えにせず、オンラインの良さをいかにして出していくかという、発想に変えることです。オンラインの良さを出せる形でイベントを再構成する必要があると思います。

イベントを開催する意義や目的を見据えて、コロナ禍でも開催形式に拘らずイベントを継続することが大事だと感じています。

ありがとうございました!

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