展示会運営マニュアル~初めての担当者でも成功するための完全ガイド~

はじめに:展示会成功への第一歩
展示会は、企業や製品を広くアピールし、新たな顧客やビジネスチャンスを獲得するための重要な機会です。しかし、初めて出展を担当される場合、どのように運営したらよいのか、準備を進めたらよいのか、調べるところからのスタートになります。そこで本コラムでは、特にイベントマーケティング初心者の方々に向けて、展示会運営の基礎知識と具体的な手順を分かりやすく解説します。
展示会出展の基本計画
展示会出展を成功させるためには、綿密な基本計画が不可欠です。ここでは、出展目的の明確化から予算策定、スケジュール管理、チーム編成、そして展示会概要の確認まで、具体的な計画の立て方を解説します。
出展目的の明確化:KPI設定と目標達成
まず、なぜ展示会に出展するのか、その目的を明確にしましょう。「認知度向上」「新規顧客獲得」「販売促進」など、目的によって戦略は大きく変わります。具体的な目標値(KPI)を設定し、達成度を測れるようにしましょう。例えば、「〇件のリード獲得」「〇件の商談設定」といった数値目標があると、効果測定がしやすくなります。
予算策定:費用内訳とコスト管理のポイント
次に、出展にかかる費用を洗い出し、予算を策定します。ブース装飾費、展示物制作費、人件費、輸送費、広報費など、様々な費用が発生します。事前に見積もりを取り、費用内訳を明確にしておくことで、コスト管理がしやすくなります。予期せぬ出費に備え、予備費も確保しておくと安心です。
スケジュール作成:準備タスクと期日管理
展示会準備は、数ヶ月前から始まります。タスクを洗い出し、期日を設定したスケジュール表を作成しましょう。ブースデザインの決定、展示物の準備、販促ツールの作成、スタッフ教育、集客活動など、多くのタスクがあります。期日を守り、計画的に準備を進めることで、直前になって慌てることを防ぎます。
チーム編成と役割分担:担当者選定と責任範囲
出展準備は、一人で行うには限界があります。チームを編成し、各担当者に役割分担しましょう。ブースデザイン担当、展示物準備担当、広報担当、当日対応担当など、それぞれの得意分野を活かせるように役割分担することで、効率的に準備を進めることができます。責任範囲を明確にしておくことも重要です。
展示会概要の確認:出展要項、搬入・搬出規則
出展する展示会の概要を必ず確認しましょう。出展要項、搬入・搬出規則、ブース規定など、重要な情報が記載されています。特に、搬入・搬出時間やブースの大きさ制限などは、事前に把握しておく必要があります。不明な点は、主催者に問い合わせて確認しましょう。
出展準備:成功の鍵を握る事前準備
展示会出展の成否は、事前の準備にかかっていると言っても過言ではありません。ここでは、展示会を成功に導くための具体的な準備項目について詳しく解説します。
ブースデザイン:コンセプトと装飾
ブースは、企業の顔となる重要な要素です。ターゲットとする来場者に響くコンセプトを明確にし、企業のブランドイメージや製品の魅力を最大限に引き出すデザインを検討しましょう。視覚的なインパクトはもちろん、動線や展示物の配置など、機能性も考慮した設計が求められます。
展示物準備:製品選定と展示方法
展示する製品を選定する際には、展示会のテーマやターゲット層を考慮しましょう。製品の魅力を効果的に伝える展示方法も重要です。実機展示だけでなく、パネルや映像を活用するなど、多様な手法を検討することで、より多くの来場者の関心を引くことができます。
販促ツール準備:ノベルティ、パンフレット、名刺
来場者との接点を増やし、後日のフォローアップにつなげるためには、販促ツールの準備が欠かせません。企業のロゴや製品情報を記載したノベルティ、詳細な情報を掲載したパンフレット、そして名刺は必須アイテムです。これらのツールを通じて、企業の情報を効果的に伝えましょう。
スタッフ教育:役割分担と接客トレーニング
展示会当日は、スタッフの対応が企業の印象を大きく左右します。各スタッフに役割分担を明確にし、来場者への丁寧な接客や製品説明のトレーニングを行いましょう。質疑応答の準備や、緊急時の対応フローなども事前に確認しておくことが大切です。
集客戦略:事前告知、招待状送付、SNS活用
多くの来場者を集めるためには、事前の告知活動が重要です。ウェブサイトやSNSでの告知、招待状の送付、業界関係者への個別連絡など、様々な方法を組み合わせることで、より多くの人に展示会の情報を届けましょう。
各種申請と手続き:出展申込、電気工事、備品レンタル
出展に必要な各種申請や手続きは、期日までに確実に行いましょう。出展申込だけでなく、電気工事や備品レンタルなど、必要な手続きは多岐にわたります。早めに準備を進めることで、直前になって慌てることを防ぎます。
備品リスト
- パネル
- テーブル
- 椅子
- 照明
- スタンドバナー
- チラシ
- ボールペン
- お菓子
- 展示会場の地図
- 詳細なサービス資料
- 料金表
- その他
展示会当日に必要なこと
展示会当日はいよいよ本番です。綿密に準備してきた成果を最大限に発揮し、目標達成を目指しましょう。ここでは、当日の具体的な行動指針と注意点について解説します。
- ブース設営:搬入、配置、動作確認
まず、搬入時間に合わせて必要な物品を運び込み、ブースを設営します。展示物や販促ツールを計画通りに配置し、照明や映像機器などの動作確認を必ず行いましょう。不備があれば、早急に対応することが重要です。
- 来場者対応:声かけ、商品説明、名刺交換
来場者には積極的に声をかけ、興味を持っていただけるように努めましょう。製品やサービスについて分かりやすく説明し、質問には丁寧に答えます。名刺交換は、後日のフォローアップに繋げるための大切な機会です。忘れずに行いましょう。
- アンケート実施:情報収集とリード獲得
アンケートを実施することで、来場者の属性や興味関心を把握し、今後のマーケティング活動に役立てることができます。アンケート回答者には、ノベルティを配布するなど、協力してもらいやすい工夫も必要です。
- ステージイベント企画:プレゼン、デモ
ステージイベントは、多くの来場者の注目を集めるチャンスです。プレゼンテーションやデモンストレーションを通じて、製品やサービスの魅力を効果的に伝えましょう。事前のリハーサルをしっかりと行い、スムーズな進行を心がけます。
- トラブル対応:緊急連絡先と対応フロー
予期せぬトラブルが発生した場合でも、冷静に対応できるよう、緊急連絡先や対応フローを事前に確認しておきましょう。スタッフ間で連携を取り、迅速に問題を解決することが大切です。
【EventHubの出展時のサポート体制とサポート内容】
EventHubでは出展に際し、様々な人員を配置し以下のようなサポートを行っています。
会期後:成果を最大化するフォローアップ
展示会終了後も、成果を最大化するために以下のようなフォローアップが重要です。
- アンケート結果や名刺情報の分析(今後のマーケテイング戦略のため)
- 見込み顧客へのフォロー(メール・電話・訪問など)
- 出展の効果測定(KPIの測定と費用対効果の検証)
- 報告書の作成(結果と改善点などをまとめる)
- 次回への改善点の洗い出し
【EventHubでできること】
EventHubではSalesforce/HubSpotなどとのデータ連携を簡単に行えるため、事前の申し込みから参加の有無・視聴時間の管理などの一元管理が可能です。これによりデータの突合時間が大幅に削減され、本来やるべき「参加者データやROIの分析」に時間を割くことが可能になります。
まとめ:展示会成功への継続的な取り組み
展示会は企業や製品をアピールし、新たなビジネスチャンスを獲得する重要な機会です。
そして事前準備が何よりも成功のためのカギとなります。当日は、あわただしいスケジュールになりますので、ブース設営、来場者対応、アンケート実施、ステージイベント企画、など各種情報をまとめて参加者に共有しておきましょう。
会期後は、アンケート結果や名刺情報を分析し、見込み客へのフォローアップが必要になるので、開催後速やかにフォローアップを行えるためにも「いつ」「何を」「誰が」「どのように対応するのか」をしっかり決め手開催することが大きな効果に繋がります。
展示会もイベントも準備することや手続きが多岐にわたり、非常に手間がかかりますが、「段取り8分」の言葉通り、準備が順調であれば、当日の心配事はぐっと減ります。抜け漏れのないよう、念には念を入れ、周りの協力も得ながら、しっかり計画していきましょう。
