【BtoB向け】カンファレンスとは?意味・目的とビジネスでの活用法

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「カンファレンス」という言葉を耳にする機会は増えているものの、「会議やセミナーと何が違うのか」「自社で開催する意味はあるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

BtoB企業にとってカンファレンスは、情報発信にとどまらず、業界における自社のポジションを確立し、見込み顧客との接点を生み出し、商談へとつなげる強力なマーケティング施策です。

本記事では、ビジネスにおけるカンファレンスの意味や目的を基礎から解説し、会議・ミーティング・セミナーとの違い、そしてBtoB企業がカンファレンスを活用してリード獲得や企業成長につなげる方法までを網羅的にお伝えします。

カンファレンスとは?ビジネスにおける意味と定義

まずは「カンファレンス」という言葉の基本的な意味と、BtoBビジネスにおける位置づけを整理しましょう。

カンファレンス(conference)の語源と基本的な意味

カンファレンス(conference)は、ラテン語の「conferre」を語源とする英語です。「con(共に)」と「ferre(運ぶ、持ち寄る)」が組み合わさった言葉で、「知識や意見を持ち寄る」という意味を持っています。

辞書的な定義としては、「特定のテーマについて複数の関係者が集まり、議論や情報共有を行う会合」を指します。日本語では「会議」と訳されることもありますが、一般的な社内会議よりも大規模で、フォーマルな場を指すケースが多いでしょう。

なお、日本国内では分野によってカンファレンスの使われ方が異なります。

  • 医療・介護分野:患者の治療方針を多職種で検討する「ケアカンファレンス」
  • 学術分野:研究者が論文を発表し議論する「学会・学術カンファレンス」
  • ビジネス分野:企業が主催する大規模なイベント・セミナー

本記事では、BtoB企業のマーケティング担当者や企画担当者に向けて、ビジネス分野におけるカンファレンスについて詳しく解説していきます。

BtoBビジネスにおけるカンファレンスの位置づけ

BtoBビジネスの文脈において「カンファレンス」という言葉は、企業が主催する大規模なイベントを指すことが一般的です。

具体的には、業界の最新動向や専門的な知識・ノウハウを共有し、参加者同士の交流(ネットワーキング)を促進する場として設計されます。参加者がディスカッションに参加したり、他の参加者と名刺交換や商談を行ったりする「双方向性」があることが特徴です。

近年では、カンファレンスをイベントというよりも、「マーケティング施策」として戦略的に活用する企業が増えています。リード獲得、ブランディング、顧客エンゲージメント向上など、明確なビジネス目的を持って企画・実施されるケースが主流となっています。

カンファレンスと会議・ミーティング・セミナーの違い

「カンファレンス」と似た言葉に「会議」「ミーティング」「セミナー」などがあります。これらの違いを理解することで、自社の目的に合ったイベント形式を選択できるようになります。

会議・ミーティングとの違い|規模と目的の観点から

会議やミーティングは、主に社内または限られた関係者間で行われる打ち合わせを指します。目的は意思決定や業務上の情報共有、問題解決などが中心で、参加人数は数名から数十名程度の少人数であることが一般的です。

一方、カンファレンスは社外の参加者を広く招き、数百名から数千名規模で開催されることも珍しくありません。目的も「社内の意思決定」ではなく、「業界全体への知見の共有」「参加者同士の交流促進」「主催企業のブランディング」など、より対外的なものになります。

項目 会議・ミーティング カンファレンス
参加者 社内・関係者のみ 社外参加者を含む
人数規模 数名〜数十名 数百名〜数千名
主な目的 意思決定、情報共有、問題解決 知見共有、交流促進、ブランディング
開催頻度 日常的・定期的 年1〜数回
準備期間 短期間 数ヶ月〜半年以上

セミナー・シンポジウムとの違い|情報の流れと参加者の関係性

セミナーは、講師から参加者への一方的な情報提供が中心となるイベント形式です。特定のテーマについて専門家が解説し、参加者は知識を習得することを目的として参加します。質疑応答の時間はあるものの、基本的には「教える側」と「学ぶ側」という関係性が明確です。

シンポジウムは、複数の専門家や登壇者がそれぞれの立場から意見を述べ、討論を行う形式です。学術的なテーマで開催されることが多く、参加者は聴講者として議論を聞く立場になります。

カンファレンスは、これらの要素を複合的に含む総合的なイベントです。基調講演(キーノートセッション)、分科会(ブレイクアウトセッション)、パネルディスカッション、ネットワーキングセッションなど、複数のプログラムで構成されることが特徴です。参加者は単に「聞く」だけでなく、他の参加者との意見交換や交流を通じて価値を得ることができます。

イベント形式 情報の流れ 参加者の役割 交流機会
セミナー 一方向(講師→参加者) 聴講・学習 少ない
シンポジウム 登壇者間の討論 聴講 少ない
カンファレンス 双方向・多方向 聴講+交流+参加 多い

BtoB企業が「カンファレンス」を選ぶべきケースとは

では、BtoB企業はどのような場合にカンファレンスという形式を選ぶべきなのでしょうか。以下のような目的がある場合、カンファレンスは効果的な選択肢となります。

カンファレンスが適しているケース

  • 業界内でのソートリーダーシップ(思想的リーダー)を確立したい
  • 一度に多数のリード(見込み顧客)を獲得したい
  • 既存顧客のエンゲージメントを高め、コミュニティを形成したい
  • パートナー企業やスポンサーとの協業を視野に入れている
  • 自社の製品・サービスだけでなく、業界全体の発展に貢献する姿勢を示したい

一方、「特定の製品機能を詳しく説明したい」「少人数で深い議論をしたい」といった目的であれば、セミナーやワークショップなど別の形式が適している場合もあります。

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カンファレンスの種類|開催形式と目的別の分類

カンファレンスと一口に言っても、開催形式や目的によってさまざまな種類があります。自社の状況や目的に合った形式を選ぶことが、成功への第一歩です。

開催形式による分類|オフライン・オンライン・ハイブリッド

カンファレンスの開催形式は、大きく3つに分類されます。

オフライン(リアル会場での開催)

ホテルやカンファレンス施設、展示会場などのリアルな会場で開催する形式です。参加者が同じ空間に集まることで、臨場感のある体験と深い交流が実現できます。登壇者と参加者、参加者同士が直接コミュニケーションを取れることが最大のメリットです。

一方で、会場費や運営スタッフの人件費などのコストがかかること、参加者の地理的制約があることがデメリットとして挙げられます。

オンライン(バーチャル開催)

配信プラットフォームを活用し、インターネット経由で参加できる形式です。地理的な制約がなく、国内外から幅広い参加者を集められることが強みです。会場費がかからないため、コストを抑えた開催も可能です。

ただし、参加者同士の偶発的な出会いや深い交流が生まれにくいという課題があります。また、参加者の集中力を維持するための工夫(セッションの時間配分、インタラクティブな要素の導入など)が必要です。

ハイブリッド(オフライン+オンラインの併用)

リアル会場での開催と同時に、オンラインでも参加できる形式です。両方のメリットを活かせることから、近年は多くのBtoBカンファレンスでこの形式が採用されています。

参加者は自身の都合に合わせて参加方法を選べるため、参加のハードルが下がり、集客の幅が広がります。ただし、オフラインとオンライン両方の運営を同時に行う必要があるため、準備や当日のオペレーションは複雑になります。

開催形式 メリット デメリット
オフライン 臨場感、深い交流、偶発的な出会い コスト高、地理的制約
オンライン 地理的制約なし、コスト抑制、録画活用 交流の深さに限界、集中力維持が課題
ハイブリッド 両方のメリットを享受、参加者の選択肢拡大 運営の複雑さ、両方の品質担保が必要

目的別の分類|ユーザーカンファレンス、業界カンファレンス、プライベートカンファレンス

開催形式だけでなく、目的によってもカンファレンスの種類は分かれます。

ユーザーカンファレンス

自社製品・サービスの既存ユーザー(顧客)を対象としたカンファレンスです。製品のアップデート情報や活用事例の共有、ユーザー同士のネットワーキングなどが主なコンテンツとなります。顧客ロイヤリティの向上、アップセル・クロスセルの機会創出が主な目的です。

Salesforceの「Dreamforce」やAdobeの「Adobe Summit」などが代表的な例として挙げられます。

業界カンファレンス

特定の業界全体を対象とし、業界動向や最新トレンドをテーマにしたカンファレンスです。自社製品の宣伝よりも、業界全体の発展に寄与するコンテンツを提供することで、主催企業のソートリーダーシップを確立します。幅広いリード獲得と認知拡大が主な目的です。

プライベートカンファレンス

招待制で開催される、限定的な参加者向けのカンファレンスです。VIP顧客やパートナー企業、特定の職種・役職者のみを招待し、より深い関係構築を目指します。参加者の質を重視し、商談創出やパートナーシップ強化につなげることが目的です。

BtoB企業がカンファレンスを開催する5つの目的とメリット

BtoB企業がカンファレンスを開催することには、さまざまなビジネス上のメリットがあります。ここでは、代表的な5つの目的とその効果を解説します。

①リード獲得|一度に大量の見込み顧客と接点を持てる

カンファレンスは、一度に数百名から数千名規模の見込み顧客と接点を持てる貴重な機会です。展示会に出展する場合と異なり、カンファレンスの「主催社」となることで、参加者の情報を自社で直接取得・管理できるというアドバンテージがあります。

参加登録時に取得する企業名、役職、部署、課題感などの情報は、その後のマーケティング活動や営業アプローチに活用できます。また、「どのセッションに参加したか」「どのくらいの時間視聴していたか」といった行動データを取得できれば、関心度の高い「HOTリード」を特定し、優先的にフォローアップすることも可能です。

②ブランディング|業界におけるソートリーダーシップの確立

カンファレンスを継続的に開催することで、「〇〇の分野といえばこの会社」というポジションを業界内で確立できます。これは「ソートリーダーシップ」と呼ばれ、BtoBマーケティングにおいて非常に重要な概念です。

業界の最新動向や課題について、自社が主体となって情報発信し、議論の場を提供することで、業界全体に対する貢献姿勢を示すことができます。このようなブランディング効果は、単発の広告出稿やコンテンツ発信では得られない、カンファレンスならではの価値です。

③顧客エンゲージメント|既存顧客との関係深化

カンファレンスは、既存顧客との関係を深める場としても機能します。ユーザーカンファレンスの形式で開催すれば、顧客同士が成功事例やノウハウを共有し、コミュニティが形成されていきます。

「自社だけでなく、他社もこの製品を活用して成果を出している」という実感は、顧客のロイヤリティ向上につながります。また、顧客の声を直接聞く機会でもあり、製品改善やサービス向上のヒントを得ることもできます。

④商談創出|参加者データを活用した効果的なフォローアップ

カンファレンスで得られる参加者データは、商談創出に直結する資産です。特に、視聴ログやアンケート回答、ネットワーキングでの行動履歴などの詳細なデータを取得できれば、「誰が・何に・どのくらい興味を持っているか」を把握した上でアプローチできます。

たとえば、「製品デモセッションを最後まで視聴し、アンケートで『導入を検討中』と回答した参加者」に対して、インサイドセールス(IS)が優先的に架電するといった施策が可能になります。このように、データに基づいたフォローアップを行うことで、限られたリソースで効率的に商談を創出できます。

⑤パートナーシップ強化|スポンサー・協賛企業との協業

カンファレンスは、スポンサー企業や協賛企業との協業の場としても活用できます。スポンサー収益を得ることで、イベント開催にかかるコストを回収し、投資対効果(ROI)を高めることができます。

また、スポンサー企業にとっても、ターゲット層が集まるカンファレンスで自社をアピールできることはメリットです。Win-Winの関係を構築することで、業界の中での存在感が高まることも期待できます。

成功するカンファレンス企画の基本ステップ

カンファレンスの開催には、綿密な準備と計画が不可欠です。ここでは、企画から当日運営、事後フォローまでの基本的なステップを解説します。

目的・ターゲットの明確化|「誰に」「何を届けるか」を定義する

カンファレンス企画の第一歩は、「何のために開催するのか」という目的を明確にすることです。リード獲得数、商談化率、ブランド認知度向上など、達成したいゴールを具体的な数値目標(KPI)として設定しましょう。

同時に重要なのが、参加者にとっての価値を定義することです。「参加者はこのカンファレンスに参加することで、何を得られるのか」を明確にしなければ、魅力的なコンテンツは設計できません。主催社の目的と参加者のニーズが合致するポイントを見つけることが、成功の鍵です。

目的設定で考えるべき項目

  • 主催社の目的:リード獲得数、商談創出数、NPS向上、スポンサー収益など
  • ターゲット:業界、職種、役職、企業規模、抱えている課題
  • 参加者の価値:得られる知識、出会える人、解決できる課題

企画・コンテンツ設計|参加者の課題を解決するセッション構成

目的とターゲットが定まったら、具体的なコンテンツを設計します。カンファレンスは複数のセッションで構成されることが一般的です。

代表的なセッション形式

  • キーノートセッション:著名な登壇者による基調講演。カンファレンス全体のテーマを提示
  • ブレイクアウトセッション:テーマ別の分科会。参加者が興味のあるセッションを選んで参加
  • パネルディスカッション:複数の登壇者による討論形式のセッション
  • ネットワーキングセッション:参加者同士の交流を促進する時間

登壇者の選定も重要なポイントです。業界で影響力のある人物や、参加者が「この人の話を聞きたい」と思う専門家をキャスティングすることで、集客力が大きく変わります。

会場選定と開催形式の決定|オンライン対応も視野に

想定する参加人数、予算、ターゲットの利便性などを考慮して、会場と開催形式を決定します。

オフラインで開催する場合は、アクセスの良さ、収容人数、設備(音響・映像・Wi-Fi環境など)を確認しましょう。ハイブリッド開催の場合は、オンライン配信のための機材や通信環境の整備も必要です。

会場によっては、半年以上前から予約が必要なケースもあります。早めに候補をリストアップし、下見を行うことをおすすめします。

集客・プロモーション計画|効果的な告知と参加者獲得

どれだけ素晴らしいコンテンツを用意しても、参加者が集まらなければカンファレンスは成功しません。集客は開催の数ヶ月前から計画的に進める必要があります。

主な集客チャネル

  • 自社ハウスリストへのメール送信
  • 営業チームからの個別案内
  • SNS(LinkedIn、X(旧Twitter)など)での告知
  • Web広告(リスティング広告、ディスプレイ広告)
  • プレスリリースの配信
  • スポンサー企業からの告知協力

早期申込み特典(早割価格、限定コンテンツへのアクセスなど)を設けることで、申込みを促進する施策も効果的です。

当日運営と事後フォローの準備|イベント成功のポイントは「開催後」

当日の運営オペレーション(受付、誘導、タイムキープ、トラブル対応など)は、事前にマニュアルを作成し、スタッフ間で共有しておくことが重要です。

そして、カンファレンスの成果を最大化するために最も重要なのが「事後フォロー」です。参加者データを活用し、お礼メールの送信、アンケートの回収、セグメント別のフォローアップ架電などを迅速に行いましょう。

フォローアップのスピードは成果に直結します。「鉄は熱いうちに打て」の言葉通り、参加者の記憶が鮮明なうちにアプローチすることで、商談化率は大きく向上します。

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カンファレンス開催を成功に導くポイント

ここまでカンファレンスの基本を解説してきましたが、最後に、開催を成功に導くための重要なポイントを3つお伝えします。

単発ではなく「連続的な開催」で成果を高める

カンファレンスは、初回から完璧な成果を出すことは難しいものです。しかし、継続的に開催することで、回を重ねるごとに成果も向上していきます。

初回開催では、予算感やオペレーションの最適化、ターゲットに刺さるコンテンツの見極めなど、多くの学びを得ることができます。2回目、3回目と開催を重ねることで、以下のような効果が期待できます。

  • 認知の蓄積:「あのカンファレンス」として業界内での知名度が向上
  • 集客の効率化:過去参加者へのリピート案内、口コミによる自然流入
  • 社内ノウハウの蓄積:運営の効率化、最適な予算配分の把握
  • パートナーシップの拡大:スポンサー企業への実績に基づいた提案が可能に

目安として、3年程度のスパンで規模を拡大していく計画を立てると良いでしょう。初年度は200〜500名規模で基盤を整え、2年目で500〜1000名、3年目以降で1000名以上といったイメージです。

参加者データの活用がカンファレンスの価値を決める

カンファレンスの真の価値は、「当日のイベント体験」だけでなく、「取得したデータをその後のビジネスにどう活かすか」で決まります。

参加者の登録情報に加え、「どのセッションを視聴したか」「どのブースを訪問したか」「誰とネットワーキングしたか」といった行動データを取得できれば、一人ひとりの興味関心や検討度合いを把握できます。これにより、画一的なフォローアップではなく、パーソナライズされたアプローチが可能になります。

取得したデータをMA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)と連携させることで、フォローアップの効率化と精度向上を両立できます。カンファレンス運営ツールを選定する際は、このようなデータ連携機能の有無も重要な判断基準です。

参加者同士の「交流」がBtoBカンファレンスの差別化要因

セッションの内容だけでなく、参加者同士の交流機会を設計することも、BtoBカンファレンスの成功には欠かせません。

参加者がカンファレンスに求める価値は、「知識の習得」だけではありません。同じ業界・職種の人々と出会い、情報交換を行い、新たなビジネスの機会を見つけることも重要な参加動機です。

ネットワーキングセッションの設計、参加者同士をマッチングする機能、商談予約機能など、交流を促進する仕掛けを用意することで、参加者の満足度は大きく向上します。「このカンファレンスに参加したことで、良い出会いがあった」という体験は、次回以降の参加動機にもつながります。

まとめ:カンファレンスはBtoB企業の成長エンジンになる

本記事では、BtoBビジネスにおけるカンファレンスの意味・目的から、開催のメリット、成功のポイントまでを解説してきました。

本記事のポイント

  • カンファレンスとは:特定のテーマについて、複数の参加者が知見を共有し、交流を行う大規模なイベント
  • 会議・セミナーとの違い:規模の大きさ、双方向性、マーケティング効果の有無
  • BtoB企業にとっての価値:リード獲得、ブランディング、顧客エンゲージメント向上、商談創出、パートナーシップ強化
  • 成功の鍵:目的・ターゲットの明確化、継続的な開催、参加者データの活用、交流機会の設計

カンファレンスは、準備に手間がかかり、すぐに成果が出る施策とは言えません。しかし、継続的に取り組むことで、他のマーケティング施策では得られない大きなリターンをもたらす可能性もあります。

まずは自社の目的を整理し、小規模なイベントからでも第一歩を踏み出すことが重要です。本記事が、カンファレンス開催を検討されている皆さまの参考になれば幸いです。

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よくあるご質問

質問:カンファレンスと会議の違いは何ですか?

回答:会議は主に社内や限られた関係者間で行われる少人数の打ち合わせで、意思決定や業務上の情報共有が目的です。一方、カンファレンスは社外の参加者を広く招き、数百名から数千名規模で開催される大規模なイベントです。目的も、業界全体への知見共有や参加者同士のネットワーキング、主催企業のブランディングなど、対外的なものが中心となります。

質問:カンファレンスとセミナーの違いは何ですか?

回答:セミナーは講師から参加者への一方向の情報提供が中心で、「教える側」と「学ぶ側」の関係性が明確です。一方、カンファレンスは複数のセッション(基調講演、分科会、パネルディスカッションなど)で構成され、参加者同士の交流や意見交換といった双方向のコミュニケーションが重視されます。参加者が能動的に関わる機会が多いことが特徴です。

質問:カンファレンスを開催するメリットは何ですか?

回答:BtoB企業がカンファレンスを開催する主なメリットは5つあります。①一度に多数のリード(見込み顧客)を獲得できる、②業界におけるソートリーダーシップを確立できる、③既存顧客との関係を深化できる、④参加者データを活用した効果的なフォローアップで商談を創出できる、⑤スポンサー企業との協業によりパートナーシップを強化できる、という点です。

質問:オンラインカンファレンスとオフラインカンファレンスはどちらが良いですか?

回答:どちらが良いかは、開催目的やターゲットによって異なります。オフラインは臨場感と深い交流が強みですが、コストや地理的制約があります。オンラインは幅広い参加者を集められコストも抑えられますが、交流の深さには限界があります。近年は両方のメリットを活かせる「ハイブリッド形式」を採用するBtoB企業が増えており、参加者の選択肢を広げながら成果を最大化できる形式として注目されています。

質問:カンファレンスを成功させるために最も重要なことは何ですか?

回答:最も重要なのは「目的・ターゲットの明確化」です。何のために開催するのか(リード獲得、ブランディング、商談創出など)を具体的なKPIとして設定し、参加者にとっての価値を定義することが成功の基盤となります。また、単発ではなく継続的に開催することで認知や社内ノウハウが蓄積され、成果は回を重ねるごとに向上していきます。加えて、取得した参加者データを活用した事後フォローを迅速に行うことも、商談創出につなげるための重要なポイントです。

こちらの記事の監修・執筆者

株式会社EventHub
マーケティングマネージャー 
鈴木 優一
2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。

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