「ただ聞くだけ」では帰らせない!セッション視聴を次のアクションにつなげる方法

主催社: アドビ株式会社

イベントタイプ: ユーザー交流会

開催形式: オンライン 業界: SaaS・ソフトウェア

開催形式 オンライン

業界 SaaS・ソフトウェア

「世界を変えるデジタル体験を」のミッションのもと、コンテンツとデータを融合することで優れた顧客体験を提供し、あらゆる業界のデジタルトランスフォーメーションを支援しているアドビ。2021年4月、同社が年に2回のペースで開催しているMUG Dayの開催にEventHubをご利用いただきました。

そこで今回は、アドビ株式会社 DX MARKETING MANAGERの松井 真理子さまに、イベント運営を成功させた秘訣や今後の展望についてお話を伺いました。

継続的に助け合う仲間として。ユーザーをつなげるイベントの設計方法とは?

- 今回のイベント開催に至った背景を教えてください

今回のイベントは、カスタマーエンゲージメントのマーケティング施策の一環として開催されました。

当社のカスタマーマーケティングでは、「ユーザーがユーザーの成功を導く」と捉えています。ユーザー同士の交流が最も活用促進につながると考え、ユーザー同士のつながりを強化してお互いに学び合えるような関係性の構築をサポートしています。

ユーザーをつなげる活動としては主に以下の3つの取り組みがあります。

  • 活躍の場(Champion Program)
    • 社内外でマーケター市場の活性化に貢献したユーザーに贈呈するアワード
    • イベントでの講演など活躍の機会を提供する
  • つながりの場
    • MUG Day (Marketo Engage Use Group Day) の開催
    • 全てのMarketo Engage ユーザーが対象
  • 活用促進の場(分科会)
    • 近しい業種業態職種の人が集まって、より深いディスカッションをする
    • ユーザーが幹事となり、月に1度のペースで開催

今回のイベント(以下 MUG Day)は2つ目の「つながりの場」として開催したものです。

- イベント開催の目的を教えてください

ユーザー同士がつながることで、Adobe Marketo Engage (以下、Marketo Engage) の活用にまつわる不明点を解決しあえる継続的な関係性構築の機会を作ることです。

他社のユーザーと交流する中で、自社の課題に対するヒントを得ることができた、モチベーションアップにつながったとの声を開催のたびに多くいただきます。こういった背景から、毎年欠かさずMUG Dayを開催しています。Championをはじめとした多くのユーザーが集う場所なので、たくさんのユースケースが共有されます。「そんな使い方あったんだ」などアイデアを着想するきっかけを作り、サービスの活用促進をサポートする機会にすることが目的の一つです。

-ユーザー同士のつながりを作ることが開催の目的だったんですね?

自社の中だけで運用を続けても、なかなか次のステップを見いだせず、ご活用が進まないままご解約につながるケースもございます。せっかく覚悟をもってMarketo Engage をご導入いただいたのに非常に残念なことです。そこで大事なのが、他社の担当者の頑張りや苦労を知っていただくこと。

成功例だけではなく、ぶつかっている壁や悩みを共有する。これによって、「自分だけが悩んでいるわけではない、他の人も頑張っている、自分も自社でのマーケティングを頑張ろう、そのためにMarketo Engageを活用していこう」とモチベーションを上げていただくためのイベントです。

- コロナの影響で2020年秋からオンライン化したと伺いましたが、オンライン開催にあたって心がけたことはありますか?

これまでやってきた対面でのMUG Dayをただオンライン化するのではなく、完全に別のチャネルと捉えて、イベントをどういう仕立てにしていけば良いのか、改めて検討するところから始めました。

オンライン開催の良さを活かすことで、従来の開催方法で感じていた課題を解決するチャンスにもなると捉えていました。

イベントページをアレンジして参加者を誘導。セッション視聴を次のアクションのきっかけに

- リアルイベントの課題をオンラインで解決していこうとしたんですね。実際にどういう課題があって、それをどう克服したのか教えてください

対面実施のMUG Dayでは、ユーザー同士で気軽に交流する時間として、セッションの後に懇親会を設けていました。しかしセッションを聞くだけで帰ってしまう方も多く、なかなかつながりが生まれないことを課題として感じていました。

そこでオンライン開催となってからは、「分科会への登録数を増やす」というところを目標の一つとしました。対面ではその場で分科会へのメンバー登録に手を揚げる方は少なかったのですが、MUG Day開催中にオンライン上で登録をスムーズに行えるようにしたことでメンバー登録への障壁がだいぶ下がったと思います。

- 分科会について教えていただけますか?

近しい業種業態職種の人が集まってより深いディスカッションをする会で、月に1度のペースで開催しています。1つの分科会につきメンバーは10~100名、各活動時の参加人数は10名前後から多くても30名前後と小規模なことが特徴で、マーケティングを正しく実施するために、ユーザー同士でディスカッションしながらMarketo Engage を使いこなしてもらうことを目的としています。

あくまでMUG Dayは、他ユーザーの存在を感じることでモチベーションを上げる機会であって、参加するだけで運用スキルが向上するわけではありません。そこで、MUG Dayへの参加を通して、「継続的に学べる場所」である分科会について知ってもらい、実際に次の日から参加してもらえるようにすることを目指しました。

- 分科会への登録を増やすために工夫したことを教えてください

リアル開催時も、分科会への参加登録を促してはいました。例えば会場にボックスを設置し、そこに名刺を入れれば分科会への登録が完了するような仕組みにするなど。しかしなかなか登録数は伸びませんでした。

分科会は小規模でクローズドな集まりなので、「実際にどういう活動をしているのか」というところまで伝わりきっていないことが参加してみたいという動機につながらないのではないか、と感じていました。そこで今回は、EventHubの交流スペースに分科会ごとの詳細ページを置き、登録対象や過去の活動内容を閲覧できるようにしたほか、分科会ページからすぐにオンライン上で登録できるようにしました。また、次回の活動(オンラインミーティング)も掲載することで、試しに活動に参加してみようという機会を提供しました。

結果として、約400人の参加者のうち、合計100名ほどメンバー登録や次回の活動登録をいただくことができました。

チャットでインタラクティブ性を担保。テンポよくインパクトを残すセッションとは?

- 交流スペースを活用して資料閲覧や参加申し込みの導線をわかりやすくしたんですね

セッション視聴だけでなく、学べるコンテンツとしてアドビがユーザーに提供している複数の活用支援のプログラムなどの存在を認識いただき、アクセスして頂く必要がありました。EventHubではセッション視聴画面のすぐ下に交流スペースが設置してあるので、分科会の詳細だけでなくウェビナーやオンラインラーニング講座の案内など各種学習コンテンツもそこに掲載しました。

- ほかにもイベントの設計において工夫された点はありますか?

イベントそのもののインタラクティブ性を担保するようにしました。会場で開催すると、挙手をして質問するのをためらう方が非常に多いので、セッションに対する疑問や感想をシェアできずに「ただ聞くだけ」で帰ってしまう方がほとんどです。

そこでオンライン開催した今回は、EventHub内でSli.doを利用して参加者がセッションを聞きながら好きなタイミングで気軽につぶやけるスペースを作りました。Championにコメント欄の活用を促すなどした結果、3時間半のイベントで156ものコメントを頂戴しました。質問だけでなく、「こういう使い方あるんですね」「こういう考え方大事ですよね」という感想も多く見受けられ、参加者全体でセッションを「一緒に見ている」感を生むことができました。

- セッションの配信に関してはいかがですか?

基本的に登壇者は常時2人以上になるようにしました。Marketo Engageの運用はチームで一丸となって行い、チーム内でディスカッションしながら活用を向上していくことがとても大切です。ユーザーである登壇者にも複数のチームメンバーと一緒にご講演いただくことで、チームで運用する必要性を魅せたかったという背景があります。

資料スライドだけでなく登壇者の顔も一緒に写しておくことで、単調なセッションにならないように心がけました。他にもテンポよく展開できるよう、1セッションの時間を30分程度に抑える、切り替えをスムーズにするなど、テレビを見ているような感覚でインパクトを残す方法を模索しました。

オンラインだからこその価値提供を。お客様目線でコンテンツをより良くする方法

- 開催してみて、当初の目的は達成できましたか?

イベントに参加してくださった方に関しては、「つながり」のきっかけを提供することができたと感じています。分科会への登録数も増えましたし、学習コンテンツへのアクセスを見ても、何かしらのアクションを起こしてくださった方が多かったです。「今回のイベントをきっかけに、ユーザー同士の継続的な関係性構築をサポートしていく」。開催の目的としていたところは達成できました。

参加者からは、「分科会に積極参加して自社の成果に貢献し、 Championを目指していきたい」「Marketo Engage 初心者向けの分科会に参加してみたい」などポジティブな感想をいただきました。

- 今後、さらに良くしていきたい点はありますか?

Marketo Engageでマーケティングを実施していく以上、常にチャレンジングな課題があるはずです。解決のヒントを得るためにより多くのユーザーに参加して頂きたいですし、イベント参加を促すような工夫を重ねていく必要はあります。

個々のユーザーのことをもっともよく理解しているCMSからの声がけやマーケティング部門からの発信は、まだまだ改善の余地があります。そのお客様にとってMUG Dayがどう役立つのか、抱えている課題とセッション内容を照らし合わせて、刺さるポイントに訴求したコンテンツ作りと共に参加を促していきます。

- 最後に、これからオンラインイベントを開催する企業にアドバイスをお願いします!

まずは、今までのリアルイベントの代わりではないことを理解する必要があります。チャネルとしては全く別のものなので、「対面の代替としてのオンラインイベント」とは思わない方が、新しい企画のアイディアが生まれる気がします。

「ながら視聴」ができるのはオンライン開催の良さですが、それが主催者にとって仇となることもあります。徹底して参加者の目線に立ち、参加者にとって何が有益なのかを考え抜くことではじめて、印象に残るイベントになるのだと思います。そういう意味では、インタラクティブ性あるイベントは記憶に残りやすいですし、次のアクションを起こしてもらうきっかけも作りやすい。

イベントの目的と性質、そしてお客様目線での思考によって、リアルの代替え手段ではない「オンラインイベント」が開催できるのではないでしょうか。

まずはEventHub概要資料をご覧ください。

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