日本のディープテック・エコシステム構築への挑戦
面談成立者の来場率97%、面談ブースは予約率90%超えを実現
主催社: TECHNIUM Global Conference実行委員会(Beyond Next Ventures株式会社 / 株式会社博報堂 / 株式会社CoA Nexus / Corundum)
イベントタイプ: カンファレンス
開催形式: オフライン 業界: その他
開催形式 オフライン
業界 その他
「カンファレンス」検討時の課題
- 申し込みから来場までお客様が一番使いやすい導線は何か
- マッチングや面談のハードルを下げ交流数を増やしたい
- カンファレンス終了後も継続的に関係が続くような出会いの仕組みはあるか
「EventHub」の効果
- 事前交流が10,000件以上で面談実施数は約1,000件!
- 来場率76%越え、面談成立者では97%が来場
- 登録するとそのまま再ログインなしでメッセージ送信までできるため、マッチングのハードルが下がった
- 面談ブースは予約率90%超え
Beyond Next Ventures株式会社は、ディープテック分野のシードおよびアーリー段階への投資に特化したベンチャーキャピタルです。また、資金提供にとどまらず、研究成果の事業化を目指す研究者の創業支援や経営人材の育成、シェア型ウェットラボの提供など、商業化を促進するエコシステムの構築にも力を入れています。「海外にはスタートアップのためのエコシステムがあるにもかかわらず、日本は機能としてまだまだ不足している」課題感がありました。そこで今回、世界を牽引する日本のディープテック・スタートアップを生み出すために、スタートアップ・行政・大学の支援者・投資家・研究者等の産官学のプレイヤーが集う場として、TECHNIUM Global Conferenceを開催。カンファレンスを通じて約2,000名が来場した背景や、カンファレンス終了後にも参加者同士の継続的に関係性が繋がるための工夫など、共催企業であるBeyond Next Venturesの矢藤 慶悟様に詳しくお伺いしました。
事業内容
2014年創業のディープテック領域を支援するベンチャーキャピタルで世界を牽引する科学技術を支援
ーまずは御社の事業内容をお教えください。
Beyond Next Ventures株式会社 オフィス風景
弊社は、主にディープテック領域のスタートアップ企業を支援しているベンチャーキャピタルです。ディープテックとは、最先端の科学技術や研究成果に基づいて、社会課題を本質的に解決することを目指す技術やスタートアップのことです。投資する領域は、メディカル、創薬・バイオ、アグリ・フード、AI、宇宙、量子、クライメートテックなど広範囲に渡ります。このような科学技術を中心に、事業を展開するベンチャーに投資をしています。
私はディープテックという言葉には「深い(専門性の高い)技術の活用」と「深い問題の解決に取り組む」という2つの意味があると思っています。海外には、非常に大規模なディープテック企業が現れていますが、残念ながら日本にはまだ数が少ない状況です。我々はかつて“ものづくり大国日本”として世界に名を轟かせた頃のように、日本の技術力で世界を牽引する企業を応援していきたいと思っています。
TECHNIUM Global Conferenceの開催について
単なる投資家とのマッチングではなくカンパニークリエーションとグローバルがテーマ
ーTECHNIUM Global Conferenceの開催の目的や概要を教えてください
TECHNIUM Global Conference キービジュアル
「海外には多くのスタートアップのためのエコシステムがあるにもかかわらず、日本にはまだまだ機能として不足している」という課題感・危機感を私たちは持っています。もちろん日本においても大学発のベンチャーや個々人による起業によってベンチャー企業が生み出されてはいるものの、それぞれが分散しており事業共創に繋がりづらいのが現実です。そこで、これまでディープテック領域で投資活動だけではなく、アクセラレーションプログラムや創業支援、人材支援を始めとし多方面に活動してきた我々なら、より大きな規模でエコシステム活性化に寄与できると思い、共催3社とともにTECHNIUM Global Conferenceを開催いたしました。
具体的にはディープテック・スタートアップのエコシステム創出のためには産官学のプレイヤーの連携が必要であるため、国内外の研究者の方やスタートアップ、行政、大学等の支援機関VCへお声がけさせていただき、相互にコミュニケーションできる場・設計をしました。
本カンファレンスの目的は大きく2つで、グローバルであることと、単なるスタートアップと起業家のマッチングではなく新たな事業創出を生み出すことです。“ディープテック”という技術力の強い領域である特性上、海外の企業や投資家もしっかりと取り込む必要があるという思いからカンファレンス名に「Global」を入れています。
産官学、あらゆる分野からプレイヤーが集まり2,000名の来場を実現
ー集客の方法や来場者数はいかがでしたか?
セッションの様子
今回は2,000名ほどの来場があり、企画当初からお越し頂きたいと思っていた方々にご来場していただくことができました。集客にはカンファレンスのパートナー企業として参画していただいたVCや、大学等の関係機関のみなさまのお力添えもいただき、多くの研究者の方にお越しいただけました。研究者・VCの方々に加え、将来ディープテックスタートアップへの経営参画を目指す方や事業会社や官公庁等、多様なビジネスパーソンにお声がけをし、結果として約2,000名の方にご来場いただくことができ、目標の来場者数を達成することができました。
EventHub導入の理由と導入の効果
マッチングから受付・当日の参加まで、全て1つのツールで実現できることが一番の魅力
ーEventHubを導入した理由を教えてください
カンファレンス受付の様子
本カンファレンスに共催として参画した、博報堂に紹介してもらったことがきっかけでEventHubを知りました。参加者側のマッチング・メッセージのハードルを下げたいと考えていたので「登録するとそのまま受付管理やメッセージ送信等のコミュニケーションまで一気通貫でできる」という機能がEventHubにある点が比較検討する上で、決め手になったポイントでした。
参加者が混乱せずにスムーズに参加してほしいと思っていたので、あちこちに登録・ログインする必要がなく、マッチングから受付・当日の参加まで、全て1つのツールでできるのは大きな魅力でしたね。実際に参加したお客様からも、「メッセージのやりとりがとても使いやすかった」と言う声も頂き、しっかりと参加者の期待に応えられていたなと思います。
EventHub導入の効果
事前交流が10,000件以上で面談数は約1,000件実施!さらに面談成立者の97%が来場へ
ーEventHubの導入の効果と効果がでたポイントを教えてください
賑わう会場の様子
事前交流が10,000件以上と期待していた以上の交流数があったことが驚きでした。またカンファレンス全体を通じて約1,000件の面談数となり、面談ブースの全35席の予約率が90%を超えるなど、会場は熱気に溢れていました。さらに開催前は低く見積もっていた来場率も76%を超え、期待以上の成果となりました。
―来場率76%越えという高い数字を達成されていますが、その要因は何だと思いますか?
完全招待制で開催をしたことが要因と想像しています。弊社や共催各社および各パートナー企業からの招待を受けた方に参加をしていただいたので、参加者とのつながりが強かったことが結果に繋がったのだと思います。
また、参加者のカンファレンスの楽しみ方も2パターンあったのではないかと想像しています。国内外のディープテック・スタートアップのトッププレイヤーが登壇するセッションを楽しみにいらっしゃった方、マッチング機能を活用し、人との繋がりを求められた方がいたと想像しています。実際にカンファレンス実施後にアンケートを行ったところ、マッチング重視の方の満足度が高かったという結果も出ています。
実はこの2つのパターンによって参加率にも差が出ており、カンファレンス前から事前にマッチングが成立していた方の来場率は97%ほどで、予定されていた面談はほぼ実施できたことが分かります。
―面談ブースの利用状況はいかがでしたか?
面談ブースは予約率90%超え
今回は面談ブースを35席用意していましたが、予約率は90%を超えていました。朝早い時間やカンファレンス終了時刻あたりは若干空きがありましたが、昼間はブースが不足し参加者の方から問い合わせをいただくほどでした。
効果が出た理由は、マッチング方法や面談ブースの利用促進の案内をしていた点にあると思います。カンファレンス開催前にEventHubのマッチング機能についてオンラインでの説明会を実施したり、開催2週間前から面談ブース利用促進の案内メールを毎日送り、「良い人と出会いましょう」「そのために、しっかりと事前交流をしましょう」という働きかけをしました。これが多くの事前交流に繋がり、良い成果に結びついたと思っています。
今後の展望
「ここに来たら、新たな事業共創に繋がる」グローバルカンファレンスへ発展
ー今後の展望について教えてください
TECHNIUM Global Conferenceを毎年開催して、日本国内のディープテックをどんどん発展させていきたいですね。また、今回多くの実施された面談をきっかけに、新たな事業共創に繋がっているかをしっかりと追っていきたいです。今回は、初回のカンファレンスであり手探りで進めた部分が大きかったのですが、今後はよりクオリティを重視し熱量が高いディープテックプレイヤーを集めたいです。たとえば面談数を2倍にしたり、ミドル・レイターステージに至るまで中長期的なサポートまでできるようにしたいと考えています。世界中の関係者が、「TECHNIUM Global Conferenceに来たら、新たな事業共創に繋がる」と認知されるようなカンファレンスにしていきたいですね。
取材協力
![]() |
TECHNIUM Global Conference 実行委員会(Beyond Next Ventures株式会社) 矢藤 慶悟 様 |
在学中は国立感染症研究所で肝炎ワクチンやウイルスに対する免疫応答の研究に従事。アカデミアシーズの社会実装に大きな課題感を感じ、2020年に学生インターンとして当社に参画後、2022年4月にバイオ・創薬領域のキャピタリストとして当社に参画。日本の研究環境を改善し、日本のテクノロジーで世界を豊かにすることが目標。東京理科大学大学院先進工学研究科博士課程修了。工学博士。 |
