イベントでのマッチングとは?今だからこそ重要な5つの理由
イベントでのネットワーキングやビジネスマッチング。海外では長いことイベントの主軸として認識され、マッチングやネットワーキングの体験を高めるテクオロジーが非常に多く提供されています。しかし日本では、マッチング・ネットワーキングに着目するイベントは最近になってやっと増えてきているというのが実情です。
本記事では、なぜそもそもマッチングなのか、イベントにおける重要性は何なのか、そしてなぜ今なのか、を紐解いて解説したいと思います。
イベントでのマッチングとは?今だからこそ重要な5つの理由
なぜイベントマッチングが重要なのか?なぜ今なのか?5つの理由に分けて解説していきます。
1. そもそも、交流・マッチングは来場者や出展社がイベントに参加する非常に重要な理由の1つである
展示会業界の国際団体International Association of Exhibition and Events (IAEE)が発表した「イベントの参加理由調査(Decision to Attend Study)」によると、イベントに参加する理由のトップ回答に、教育・情報収集(92%)、とネットワーキング・交流(76%)があります。およそ4分の3以上の参加者が他者との交流・マッチングを求めて参加し、交流の質がイベントの満足度に直結するということです。
2. テクノロジーが進化するにつれ、「対面で人と会う」ことがイベントの価値として残り続ける
さらに、イベントでの交流はテクノロジーの進化で重要性を薄めるのではなく、逆に重要になってくると言われています。
テクノロジー・SNSの台頭により、コンテンツや情報はよりオープンにシェアされ、拡散される時代になりつつあります。Facebook Liveなどのストリーミング機能を使ったイベントのライブストリーミングや、ログミーなどのサービスを使ったコンテンツの即記事化など、近年ではイベントに足を運ばなくてもイベント中またはイベント後に、そのコンテンツにアクセスすることが安易になってきています。
そして、この動向を加速させると思われているのが、イベント業界でも徐々に注目されつつあるVR(バーチャルリアリティ)・AR(拡張現実)技術。すでにVR・AR技術を使い、イベントに遠隔参加するという動きは生まれつつあります。例えば、全米最大規模のVRをテーマとしたコミュニティ「SVVR(Silicon Valley Virtual Reality)」による、現実の世界とVR空間を繋いでライブイベントを行う試み「MULTIVERSE Initiative」プロジェクト。国内の事例では、VR空間上でライブビューイングやコンサートなどのイベントを共有して楽しめる、VRソーシャルルームアプリ「cluster.」などがあります。現在は動画や記事でイベントのコンテンツを読む・聞くことが当たり前になってきていますが、近い将来リアルタイムで自宅やオフィスからイベントに参加することが当たり前になるかもしれないのです。
このようなテクノロジーの変化が起きる中、イベントにわざわざ足を運ぶ理由は、「人と対面で会うこと」に他なりません。
ハーバードビジネスレビューの調査では、デジタルマーケティングが進化しても人と出会う価値は変わらず残ることを証明しています。同社の調査では、79%の回答者が「サービス新規購入に一番効果的な方法は対面での商談・ミーティング」であると答えており、特に89%が「商談成立には対面で話すことが欠かせない」と答えています。
スピーカー登壇やパネルディスカッションなど、オンラインでも読める情報のみで勝負をするのではなく、会場にいる他の人と商談できる、質の高いリードが獲得できる、などリアルな「人との出会い」をイベントの価値として再認識し提供することが必要になってきています。
3. テクノロジーが進化するにつれ、情報収集だけではなく「質の高い」リード獲得がROIとして求められている
テクノロジーの進化の影響はコンテンツの拡散に留まりません。
企業のマーケティング施策に非常に重要なイベント・展示会出展や参加。従来から存在する営業・マーケティング施策ではありますが、デジタルマーケティングの台頭によってカンファレンスや展示会に求められるものが大きく変わりつつあります。
デジタルマーケティング普及前の従来の展示会では、来場者は会場に足を運び、チラシを集め、話を聞き情報収集をするだけでも非常に有益でした。今でも情報収集は重要ではありますが、ネット上での商品検索、問い合わせ・資料ダウンロード、相見積取得が非常に安易な近年では、展示会やイベントは単なる「情報収集」以上の価値を提供する必要があります。もはや、チラシを配ったり名刺を集めるだけでは「展示会に出展した意味って何だろう?」と出展社が次年度の出展を考え直してしまう状況にあるのです。
同じ金額をデジタル・SNS広告に投じた方が、リードの数が多く取れるのではないか、リードのデータも可視化できるのではないか。マーケティングROIがより明確なデジタルマーケティング施策にあわせて、リアル・マーケティング施策である展示会やイベントも顧客のROIの高さを意識し、リードの質やデータの可視化を意識する必要があります。
フィリップ・コトラー(Philip Kotler)が自身の著書『マーケティング4.0』において「オンラインの世界とオフラインの世界は、ゆくゆくは共存し、融合するだろう」と言っている通り、マーケティングではデジタルとアナログの組み合わせが非常に重要です。イベントは非常に貴重なリアルマーケティングの機会であるため、デジタルマーケティングにはない対面で見れる顧客のフィードバックや質の高い商談機会を提供し、価値の可視化することが不可欠になります。
4. イベントがより国際的になってきている
EventHubのマッチングの問い合わせをいただく際に、「海外の出展社から、マッチングツールはないのかと聞かれたため」とのお声をいただくことがしばしばあります。
日本と比べて海外のカンファレンスや展示会ではビジネスマッチングのサービスを提供しているイベントが圧倒的に多いです。出展社と来場者はこれらのツールを駆使してリードを獲得し参加のROIを高めているため、わざわざ日本に来て展示会に参加するのであれば同様にマッチングツールが欲しい、と思う方が少なくありません。
実際にEventHub上での過去のマッチングデータを見ても、「遠方・海外から参加している人」や「外国籍の方」のマッチング利用は非常に高いです。
国外から企業を誘致するイベントは特に、国際的なニーズにあわせてマッチングを提供することが重要になるでしょう。
5. 顧客がデジタル空間で人とマッチングする、人と出会うことに抵抗がなくなってきている
5年前であれば、上記の理由が全て当てはまっても、「テクノロジーを使って人とマッチングする」ことに顧客が抵抗があったかもしれません。しかし、SNSをプライベートでもビジネスでも使うことが当たり前になっている近年では、その抵抗は思っている以上に薄れつつあります。
LINE、Facebook、InstagramなどのSNSの利用者が多いことは言うまでもないですが、ビジネスでもSNSの普及は以前から広まっています。企業がFacebook pageやLINEアカウントを開設するのはもちろんのこと、最近は個人も名刺管理のSansanやWantedly People、また海外で人気なLinkedInなど、ビジネスSNSアカウントを持つことが増えています。
さらに、SNSが当たり前になりつつあるからこそ、仕事とビジネスでSNSを分けたいという欲求が強いというデータがあります。Sansan社が20代~60代のビジネスパーソンを対象に実施した「ビジネスにおけるSNSの利用に関する意識調査」によると、 仕事とプライベートでSNSを分けたい人は81.9% 、 プライベートのSNSで仕事関係者と「つながりたい派」はわずか16.4% 、 100%の人が顧客など仕事関係者からの申請を拒否または無視したことがあるそうです。
実際にEventHubを使いビジネスイベントでマッチングを行うイベントでも、「イベントに参加したからと言っていきなりFacebookやTwitter上の日々の呟きはシェアしたくない」との声はよく聞きます。SNSで繋がることが当たり前になりつつあるからこそイベントで他者と繋がること自体に抵抗はないですが、だからといってプライベートのSNSアカウントの利用を強要する体験は得策ではない。だからこそ、安心・安全な環境でマッチングをしたい、というニーズがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
マッチングがなぜ重要なのか?なぜ今なのか?の5つの理由を紹介させていただきました。
- 交流・マッチングは重要なイベント参加目的であるから
- テクノロジーの進化が続いても、対面で会う価値は残るから
- テクノロジーが進化するからこそ、質の高いリード獲得とデータ可視化が重要であるから
- イベントが国際化し、マッチング意欲が高まっているから
- テクノロジーを使い人と出会うことに抵抗がなくなりつつあるから
上記の理由が自分のイベントに当てはまるかわからない、より具体的に知りたい、という場合はお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
