イベント受付の効率化ガイド|QRコードチェックインと当日運営のコツ
カンファレンスや展示会、セミナーの受付は、来場者が最初に接するタッチポイントであり、イベント全体の印象を左右する「第一印象」の場です。同時に、正確な来場者データを取得し、その後のマーケティング活動につなげる「データ取得の起点」でもあります。
しかし、紙の受付名簿やExcel管理では、混雑時の対応に追われ、データ入力ミスも発生しがちです。「誰が来場したのか」をリアルタイムで把握できず、営業担当者への共有が遅れるケースも少なくありません。
本記事では、QRコードチェックインを活用したイベント受付の効率化方法を解説します。事前準備から当日運営、ハイブリッドイベント対応、受付データの活用まで、実践的なノウハウを網羅しています。
イベント受付の役割と重要性|なぜ「受付」がイベント成功を左右するのか
イベント受付は、来場者にとって最初の体験であると同時に、主催社にとっては参加者データを取得する重要な機会です。
受付は「第一印象」と「データ取得」の両方を担う
イベント会場に到着した来場者が最初に体験するのが受付です。ここでの待ち時間が長かったり、スタッフの対応が雑だったりすると、イベント全体の印象がマイナスになってしまいます。逆に、スムーズなチェックインと丁寧な案内があれば、来場者は好印象を持ってセッションや展示ブースに向かうことができます。
同時に、受付は正確な来場者データを取得する「マーケティングの起点」でもあります。「誰が実際に来場したのか」という情報は、イベント後のフォローアップや次回イベントの企画に欠かせません。つまり、受付には「来場者体験の向上」と「データ取得の正確性」という2つの役割を同時に果たすことが求められます。
受付で取得すべきデータとその活用シーン
受付で取得するデータは、大きく3つのカテゴリに分けられます。
基本情報
- 氏名、会社名、部署、役職
- メールアドレス、電話番号
- 事前登録時の申込み情報との照合
行動データ
- 来場時刻、退場時刻
- 滞在時間
- 参加したセッションやブース訪問履歴
属性データ(事前登録時に取得)
- 参加目的、興味関心分野
- 導入検討状況、予算規模
- アンケート回答内容
これらのデータは、以下のような場面で活用できます。
| 活用シーン | 活用するデータ | 具体的なアクション |
|---|---|---|
| 営業フォロー | 来場者リスト、滞在時間 | 来場者への架電・メール送信 |
| 不参加者フォロー | 事前登録者と来場者の差分 | 資料送付、次回イベント案内 |
| HOTリード抽出 | 滞在時間、ブース訪問、アンケート回答 | 優先的な営業アプローチ |
| 次回イベント企画 | 参加者属性、参加目的の集計 | コンテンツ設計、ターゲット設定 |
| マーケティングオートメーション(MA)/ 営業支援システム(SFA)連携 |
全データ | リードスコアリング、ナーチャリング |
受付の失敗がイベント全体に与える影響
受付の運営に問題があると、イベント全体に悪影響を及ぼします。
来場者体験への影響
- 長蛇の列による待ち時間の発生
- 開場時間の遅延、セッション開始の遅れ
- 来場者の不満・クレームの発生
データ取得への影響
- 手書き名簿の判読ミス、入力エラー
- 「誰が来場したか」の把握に数日かかる
- フォローアップのタイミングを逃す
営業活動への影響
- 営業担当者へのリアルタイム共有ができない
- 重要顧客の来場を見逃す
- 競合他社にフォローアップで先を越される
ある企業では、紙の受付名簿を使用していたため、来場者リストの完成に2日を要し、フォローアップメールの送信が遅れた結果、商談化率が大幅に低下したケースもあります。受付の効率化は、単なる「運営の楽さ」ではなく、ビジネス成果に直結する課題なのです。
イベント受付システムの種類と選び方|紙・Excel・専用アプリの比較
イベント受付の管理方法は、大きく3つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を理解し、自社のイベント規模や目的に合った方法を選択することが重要です。
受付管理の3つのタイプ|紙・Excel・受付システム
タイプ1:紙の受付名簿
最もシンプルな方法です。来場者に名前を記入してもらうか、事前に印刷した名簿にチェックを入れる形式で運営します。
- メリット:コストがかからない、導入の手間がない、小規模イベント向け
- デメリット:データ化に時間がかかる、判読ミスが発生、リアルタイム把握が不可能
タイプ2:Excel・スプレッドシート管理
事前登録データをExcelで管理し、当日はPCやタブレットで照合する方法です。多くの企業がこの方法を採用しています。
- メリット:汎用性が高い、コストを抑えられる、カスタマイズしやすい
- デメリット:リアルタイム性に欠ける、複数端末での同時編集に課題、人的ミスのリスク
タイプ3:受付システム(専用アプリ・管理システム)
イベント受付に特化したシステムやアプリを導入する方法です。QRコードチェックイン、自動データ取得、MA/SFA連携などの機能を備えています。
- メリット:受付時間の大幅短縮、データの自動取得、リアルタイム共有、MA連携
- デメリット:初期設定が必要、コストがかかる、学習コストがある
受付システム導入のメリットと検討ポイント
受付システムを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
業務効率化のメリット
- QRコードスキャンで受付時間を1人あたり5〜10秒に短縮
- 手入力作業の削減によるスタッフの負担軽減
- 受付レーンの削減による会場スペースの有効活用
データ活用のメリット
- 来場データのリアルタイム取得と可視化
- 営業担当者への即時共有(来場通知機能)
- MA/SFAツールへの自動連携
来場者体験のメリット
- 待ち時間の短縮による満足度向上
- スムーズな入場による好印象の形成
受付システムの導入を検討する際は、以下のポイントを確認しましょう。
| 検討ポイント | 確認事項 |
|---|---|
| イベント規模 | 参加者数に対応できる処理能力があるか |
| 開催頻度 | 年1回か毎月開催かで費用対効果が変わる |
| データ連携 | 自社のMA/SFA/顧客関係管理(CRM)と連携できるか |
| 操作性 | スタッフが短時間で操作を習得できるか |
| サポート体制 | 当日トラブル時のサポートがあるか |
| セキュリティ | 個人情報の管理体制は十分か |
特に、展示会やカンファレンスなどBtoBイベントでは、受付で取得したデータをいかに早く営業活動に活かせるかが成果を左右します。費用だけでなく、「商談化への貢献度」で費用対効果を判断することをおすすめします。
イベント受付の事前準備|当日をスムーズにする5つのステップ
受付当日のスムーズな運営は、事前準備の質で決まります。ここでは、受付運営を成功させるための5つの準備ステップを解説します。
来場者リストの作成と登録フォームの設計
事前登録フォームでは、必要な情報を取得しつつ、登録のハードルを下げる設計が求められます。
フォーム設計の基本原則
- 必須項目は最小限に(氏名・会社名・メールアドレス)
- 任意項目で追加情報を取得(役職・電話番号・参加目的)
- 入力項目が多すぎると離脱率が上がる
取得すべき情報の優先順位
| 優先度 | 項目 | 取得理由 |
|---|---|---|
| 必須 | 氏名 | 受付照合、フォロー時の宛名 |
| 必須 | 会社名 | 営業アプローチの判断材料 |
| 必須 | メールアドレス | フォローメール送信、MA連携 |
| 推奨 | 部署・役職 | 決裁者か実務担当者かの判断 |
| 推奨 | 電話番号 | 架電フォロー用 |
| 任意 | 参加目的 | セグメント分け、コンテンツ改善 |
登録完了後の自動返信メール設定
申込み完了時には、自動返信メールを必ず設定しましょう。メールには以下の情報を含めます。
- 登録完了の確認メッセージ
- イベント概要(日時・会場・アクセス)
- QRコード(チェックイン用)
- 当日の持ち物・注意事項
- 問い合わせ先
受付ブースのレイアウトと動線設計
受付ブースの配置と動線設計は、混雑を防ぎ、来場者体験を高めるための重要な要素です。
受付ブースの配置ポイント
- 会場入口から視認しやすい位置に設置
- 待機列が他の動線を妨げない配置
- スタッフの動きやすさを確保
動線設計の基本
- 「事前登録者」と「当日登録者」のレーンを分ける
- VIPや招待者用の専用レーンを設ける(必要に応じて)
- 受付完了後の導線を明確に(名札受け取り→会場入口)
受付台数の目安
| 来場予定数 | 推奨受付台数 | 備考 |
|---|---|---|
| 〜100名 | 2〜3台 | 小規模セミナー向け |
| 100〜300名 | 3〜5台 | 中規模カンファレンス向け |
| 300〜500名 | 5〜8台 | 大規模イベント向け |
| 500名以上 | 8台以上 | ピーク時間帯の増設も検討 |
受付スタッフの配置と役割分担
受付スタッフの人数と役割分担を事前に決めておくことで、当日の混乱を防げます。
役割分担の例
- 受付担当:QRコードスキャン、来場者確認
- 誘導担当:待機列の整理、レーン案内
- 資料配布担当:名札・資料の手渡し
- トラブル対応担当:イレギュラー対応、エスカレーション
スタッフ数の目安
- 来場予定数 ÷ 50〜100名 = 必要スタッフ数
- 例:300名のイベントなら3〜6名
事前ブリーフィングの実施
当日の開場前に、必ずスタッフ全員でブリーフィングを行いましょう。
- 受付フローの確認
- トラブル対応の手順
- 緊急連絡先の共有
- スタッフ間の役割分担の最終確認
事前登録者へのQRコード配布とリマインド
QRコードチェックインを導入する場合、事前登録者へのQRコード配布とリマインドが重要です。
QRコード発行・配布のタイミング
- 登録完了時:自動返信メールに添付
- 開催1週間前:リマインドメールで再送
- 開催前日:最終リマインドメールで再送
リマインドメールに含める情報
- QRコードの画像(メール本文に埋め込み or PDF添付)
- QRコードの表示方法(スマホ画面 or 印刷持参)
- 会場へのアクセス情報
- 当日の連絡先
QRコードが表示できない場合の案内
一部の来場者はQRコードをうまく表示できないことがあります。事前に以下の案内を行っておきましょう。
- メールに添付されたQRコードを印刷して持参する方法
- 受付でお名前と会社名をお伝えいただければ対応可能である旨
- 事前登録完了メールの画面を見せていただく方法
トラブル対応マニュアルの準備
どれだけ準備をしても、当日のトラブルは発生します。事前にトラブル対応マニュアルを用意しておくことで、スタッフが迷わず対応できます。
よくあるトラブルと対応フロー
| トラブル | 対応フロー |
|---|---|
| QRコードが表示できない | 氏名・会社名で検索→本人確認→手動チェックイン |
| 事前登録が見つからない | メールアドレスで検索→見つからなければ当日登録へ誘導 |
| スキャン端末が動作しない | 予備端末に切り替え→それでもダメなら手動対応 |
| 通信障害が発生 | オフラインモードに切り替え→後でデータ同期 |
| 代理参加の申し出 | 代理者情報を登録→元の登録者を不参加に変更 |
エスカレーション先の明確化
トラブル対応担当者だけで解決できない場合のエスカレーション先を明確にしておきましょう。
- 運営責任者の連絡先
- システム提供会社のサポート窓口
- 会場スタッフの連絡先
QRコードチェックインの導入方法|受付時間を大幅短縮する仕組み
QRコードチェックインは、イベント受付を効率化する最も効果的な方法の一つです。ここでは、導入の仕組みから具体的な手順、当日のオペレーションまでを解説します。
QRコードチェックインの仕組みとメリット
QRコードチェックインとは、参加者ごとにユニークなQRコードを発行し、当日そのQRコードをスキャンするだけで受付が完了する仕組みです。
基本的な仕組み
- 参加者が事前登録フォームから申込み
- システムが参加者ごとにユニークなQRコードを自動生成
- QRコードを登録完了メール・リマインドメールで配布
- 当日、来場者がスマホ画面または印刷物でQRコードを提示
- スタッフがスキャン→チェックイン完了→データベースに自動反映
QRコードチェックインのメリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 受付時間の短縮 | 1人あたり5〜10秒で完了(従来の1/3〜1/5) |
| 入力ミスの排除 | 手入力が不要なためヒューマンエラーがゼロ |
| リアルタイム把握 | 来場状況をダッシュボードで即時確認可能 |
| スタッフ負担の軽減 | 単純作業の削減、少人数での運営が可能 |
| 来場者体験の向上 | 待ち時間短縮、スムーズな入場 |
| データ活用の迅速化 | チェックインと同時に営業担当者へ通知可能 |
QRコード生成・配布の具体的な手順
QRコードチェックインを導入する際の具体的な手順を説明します。
Step 1:登録フォームで参加者情報を収集
イベント管理システムやフォーム作成ツールで登録フォームを作成し、参加者情報を収集します。
- 必須項目:氏名、会社名、メールアドレス
- 任意項目:役職、電話番号、参加目的、アンケート
Step 2:参加者ごとにユニークなQRコードを自動生成
多くのイベント管理システムでは、登録完了と同時にQRコードが自動生成されます。QRコードには参加者を一意に識別する情報が含まれており、スキャン時に即座に照合できます。
Step 3:登録完了メール・リマインドメールでQRコードを配布
生成されたQRコードは、以下のタイミングでメール配信します。
- 登録完了時:自動返信メールに添付
- 開催1週間前:リマインドメール①
- 開催前日:リマインドメール②(最終案内)
Step 4:当日、スマホ画面または印刷物をスキャン
来場者はスマホの画面にQRコードを表示するか、印刷したQRコードを持参します。受付スタッフがスキャンすれば、チェックインは完了です。
当日の読み取りオペレーション|スマホ・タブレット・専用端末
QRコードの読み取りに使用する端末は、イベント規模や予算に応じて選択します。
スマートフォン
- メリット:低コスト、スタッフの私物利用も可能
- デメリット:カメラ性能に依存、バッテリー消耗が早い
- 向いているシーン:小規模セミナー、予算を抑えたいイベント
タブレット
- メリット:画面が大きく操作しやすい、スタッフ間で共有しやすい
- デメリット:スマホより高価、持ち運びに注意が必要
- 向いているシーン:中規模カンファレンス、複数レーン運営
専用端末(バーコードリーダー等)
- メリット:読み取り速度・精度が高い、長時間稼働に強い
- デメリット:導入コストが高い、機器の準備が必要
- 向いているシーン:大規模イベント、高速処理が必要な場合
通信環境の確認
QRコードチェックインはオンラインでデータを照合するため、安定した通信環境が必須です。
- 会場のWi-Fi環境を事前に確認
- モバイル回線(スマホのテザリング等)をバックアップとして用意
- 可能であればオフラインモード対応のシステムを選択
【参考】EventHubのQRコード受付機能でできること
EventHubでは、イベント受付を効率化するQRコードチェックイン機能を標準搭載しています。
主な機能
- 参加者登録と同時にQRコードを自動発行
- スマホのカメラでスキャン→その場でチェックイン完了
- 来場データはリアルタイムで管理画面に反映
- オフライン会場とオンライン参加のデータを一元管理
営業活動を加速する「来場通知」機能
EventHubでは、重要顧客がチェックインした際に、担当営業へ即座に通知を送る機能を備えています。「〇〇様がご来場されました」という通知を受け取った営業担当者は、すぐにブースでお出迎えすることができます。この「来場通知」により、顧客との接触率が向上し、商談化につながる機会を逃しません。
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イベント運営の全体像と担当者の役割分担を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
👉️ イベント運営の手順と役割:主催社が連携するための準備と対応

受付当日の運営ポイント|混雑を防ぎ、来場者体験を高めるコツ
事前準備が整ったら、いよいよ当日の運営です。ここでは、受付をスムーズに進めるための具体的なポイントを解説します。
開場前の最終確認事項チェックリスト
開場の30分〜1時間前には、以下の項目を最終確認しましょう。
機材確認
- □ スキャン端末の充電状況(80%以上推奨)
- □ 端末の動作確認(テストQRコードでスキャンテスト)
- □ 予備端末の準備(最低1台)
- □ 充電ケーブル・モバイルバッテリーの設置
通信確認
- □ Wi-Fi接続テスト(実際にデータ送受信を確認)
- □ モバイル回線のバックアップ確認
- □ システムへのログイン確認
スタッフ確認
- □ 全スタッフの集合・点呼
- □ 役割分担の最終確認
- □ 緊急連絡先の共有
- □ トラブル対応フローの確認
物品確認
- □ 名札・ストラップの数量確認
- □ 配布資料の数量確認
- □ 筆記用具(ペン、マジック)の準備
- □ 案内表示・サインの設置
混雑時のオペレーション|ピーク対応の3つの施策
イベント開始直前は受付が最も混雑する時間帯です。ピークを乗り切るための施策を事前に準備しておきましょう。
施策①:レーン分けの徹底
来場者の属性に応じてレーンを分けることで、処理効率が向上します。
- 事前登録者レーン:QRコードスキャンのみで完了
- 当日登録者レーン:その場で情報入力が必要
- VIP・招待者レーン:専任スタッフが対応(必要に応じて)
施策②:ピーク時間帯のスタッフ増員
開始30分前〜開始直後は最も混雑します。この時間帯だけスタッフを増員し、ピークを乗り切りましょう。
| 時間帯 | スタッフ配置 |
|---|---|
| 開場〜開始30分前 | 通常配置 |
| 開始30分前〜開始時刻 | 増員配置(1.5〜2倍) |
| 開始〜終了 | 通常配置または縮小配置 |
施策③:待ち時間の案内と誘導
待機列が発生した場合は、誘導スタッフが積極的に案内を行いましょう。
- 「事前登録の方は左側のレーンへお進みください」
- 「QRコードをご準備の上、お待ちください」
- 「現在の待ち時間は約5分です」
待ち時間の目安を伝えることで、来場者の不安を軽減できます。
当日申込み・飛び込み参加への対応フロー
事前登録していない来場者(当日申込み・飛び込み参加)への対応フローを決めておきましょう。
当日登録の受付フロー
- 当日登録レーンへ誘導
- タブレットで登録フォームに情報入力(または紙フォームに記入)
- 最低限の情報を取得:氏名・会社名・メールアドレス
- 登録完了→名札を発行→入場
当日登録フォームの準備
- タブレットで入力できるWebフォームを用意
- 紙フォームも予備として準備(通信トラブル時の対応)
- 入力項目は最小限に(受付時間を短縮するため)
データ統合の重要性
当日登録者のデータは、事前登録者と同じデータベースに統合されるようにしましょう。データが分断されると、フォローアップの際に漏れが発生します。
名札・資料配布をスムーズにする工夫
チェックイン後の名札・資料配布も、受付の一部です。ここがスムーズでないと、せっかくの高速チェックインが台無しになります。
名札の事前印刷 vs 当日印刷
| 方式 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 事前印刷 | 当日の作業が少ない、品質が安定 | 直前キャンセル・追加に対応しにくい |
| 当日印刷 | 柔軟な対応が可能、無駄が少ない | プリンターの準備が必要、トラブルリスク |
中〜大規模イベントでは、事前印刷を基本としつつ、当日印刷の設備も用意しておくのがベストです。
名札デザインのポイント
- 会社名・氏名を大きく表示(視認性を高める)
- 参加者同士の名刺交換・ネットワーキングを促進
- 必要に応じて参加カテゴリ(出展社・一般参加など)を色分け
資料配布の動線設計
- チェックイン→名札受け取り→資料受け取り→会場入口、という一方向の流れを作る
- 資料が複数ある場合は、番号を振って受け取り順を明確にする
- 持ち帰り用のバッグを用意すると親切
ハイブリッドイベントの受付運営|オンライン・オフラインの一元管理
近年増加しているハイブリッドイベントでは、オフライン会場の受付とオンライン参加者の管理を一元化することが課題となっています。
オフライン受付とオンライン参加者データの統合課題
ハイブリッドイベントでは、以下のようなデータの分断が発生しがちです。
よくある課題
- オフライン受付はExcel、オンラインは配信ツール→データが別管理
- 「オフラインで参加登録したが、当日オンラインに変更した」人の追跡が困難
- 結果として「誰がどの形式で参加したか」の全体像が把握できない
データ分断が引き起こす問題
- イベント効果測定が不正確になる
- フォローアップの際に参加形式を誤って案内してしまう
- オフライン・オンライン両方に参加した人を重複カウントしてしまう
オンライン参加者へのチェックイン促進方法
オンライン参加者の「チェックイン」をどう定義し、どう促進するかも重要なポイントです。
オンラインチェックインの定義例
- 配信ページへのログイン=チェックインとする
- 配信開始後10分以内の視聴開始=チェックインとする
- アンケート回答=参加完了とする
チェックイン促進の施策
- 開始時刻にリマインドメールを配信
- 「チェックインした方には資料をプレゼント」などのインセンティブ
- 冒頭でアンケートに回答してもらい、参加意欲を確認
視聴データの活用
オンライン参加者については、「視聴時間」が重要なデータになります。
- 「最初から最後まで視聴した人」と「途中離脱した人」を区別
- 視聴時間の長い参加者はHOTリードとして優先フォロー
- 「申込んだが視聴しなかった人」へのフォローも忘れずに
【参考】EventHubならハイブリッドの来場者データを一元管理
EventHubは、ハイブリッドイベントの来場者データを一元管理できるプラットフォームです。
オフライン参加者
- QRコードによる受付・チェックイン
- 来場時刻、滞在時間の自動取得
- 会場内でのセッション参加履歴
オンライン参加者
- 視聴ログを自動取得(誰が・いつ・どのくらい視聴したか)
- チャット・Q&Aの発言履歴
- アンケート回答データ
一元管理のメリット
- オフライン・オンライン両方のデータを一つのダッシュボードで確認
- 「オフライン参加者」「オンライン参加者」「両方参加」の区分が可能
- MA/SFAへの連携もワンクリックで完了
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ハイブリッドカンファレンスの成功ポイントを詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

受付データの活用とフォローアップ|リアルタイム共有で商談化を加速
受付で取得したデータは、イベント後のフォローアップや商談化に活用してこそ価値があります。ここでは、受付データの活用方法を解説します。
来場者データの即時確認・営業チームへの共有
QRコードチェックインを導入すれば、受付完了と同時にデータベースに来場者情報が反映されます。
リアルタイム把握のメリット
- 「現在の来場者数」をダッシュボードで即時確認
- 「来場済み」「未来場」のステータスを一覧で把握
- 営業担当者がリアルタイムで「誰が来場したか」を確認可能
データ共有の方法
- ダッシュボードへのアクセス権限を営業チームに付与
- CSVエクスポートで来場者リストを共有
- MA/SFAへの自動連携でデータ入力の手間を削減
来場通知機能で「その場で」顧客接点を逃さない
受付データのリアルタイム活用で最も効果的なのが「来場通知」機能です。
来場通知の仕組み
重要顧客(既存顧客・HOTリード・商談中の見込み顧客など)がチェックインした際に、担当営業へ即座に通知を送ります。
- 通知例:「〇〇株式会社の△△様がご来場されました」
- 通知方法:メール、Slack、アプリ通知など
来場通知のメリット
- 担当営業がすぐにブースでお出迎えできる
- 「来場に気づかなかった」という機会損失を防止
- 顧客は「自分のことを覚えてくれている」と感じ、好印象に
カンファレンスや展示会では、来場者が多数いる中で重要顧客を見逃してしまうケースがあります。来場通知により営業との接触率を高め、商談化の機会を最大化できます。
不参加者へのフォローアップ施策
「事前登録したが来場しなかった」人へのフォローアップも重要です。不参加者は、何らかの理由で参加できなかっただけで、興味関心を失ったわけではありません。
不参加者リストの抽出
- 事前登録者リストから来場者リストを差し引く
- チェックインデータがない人=不参加者
フォローアップメールの例
件名:【〇〇カンファレンス】当日は残念ながらお会いできませんでした
〇〇様
先日は〇〇カンファレンスへのお申込み、誠にありがとうございました。 当日はお目にかかることができず、残念に思っております。
当日の講演資料を以下よりダウンロードいただけます。 ぜひご覧いただければ幸いです。
また、次回イベントのご案内もお送りいたしますので、 ぜひご参加をご検討ください。
不参加者への追加施策
- 録画映像・アーカイブ動画の案内
- 講演資料のPDFダウンロード案内
- 次回イベントへの優先招待
次回イベントへのデータ活用|MA/SFA連携の重要性
受付で取得したデータは、次回イベントの企画やマーケティング活動に活用できます。
MA(マーケティングオートメーション)連携
- 来場者データをMAツールに自動連携
- 来場履歴に基づくリードスコアリング
- 「複数回来場している人」「特定セッションに参加した人」などのセグメント作成
SFA/CRM連携
- 来場データを営業の顧客管理に反映
- 商談履歴と来場履歴を紐づけ
- 「来場後に商談化した」という成果の可視化
次回イベント企画への活用
- 参加者属性の集計・分析
- 参加目的・興味関心分野の傾向把握
- アンケート回答に基づくコンテンツ改善
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イベント管理システムの機能比較と選び方を詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
👉️ イベント管理システムとは?導入する前に理解したい機能と比較軸

まとめ:受付は「データ取得の起点」
本記事では、イベント受付の効率化について、QRコードチェックインの導入から当日運営、データ活用まで解説しました。
本記事のポイント
- 受付の役割:「第一印象」と「データ取得」を担う重要なタッチポイント
- 受付システムの選択:イベント規模・目的に応じて紙・Excel・専用システムを使い分け
- 事前準備:来場者リスト作成、動線設計、スタッフ配置、トラブル対応マニュアル
- QRコードチェックイン:受付時間を大幅短縮し、来場者体験を向上
- 当日運営:レーン分け、ピーク対応、当日登録への対応を事前に設計
- ハイブリッド対応:オンライン・オフラインの来場者データを一元管理
- データ活用:リアルタイム共有、来場通知、不参加者フォロー、MA/SFA連携
冒頭でも申し上げたとおり、受付は「データ取得の起点」と言えます。取得した来場者データをいかに早く、正確に営業活動に活かせるかが、イベントの成果を左右します。
イベント受付の効率化にお悩みの方は、ぜひ本記事で紹介した施策を参考にしてください。
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カンファレンスの企画から運営までの進め方を詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
👉️ カンファレンスの企画と運営|企画から当日運営まで徹底解説

よくあるご質問
質問:QRコードチェックインを導入するには、専用の機器が必要ですか?
回答:専用機器は必須ではありません。多くのイベント管理システムでは、スマートフォンやタブレットのカメラでQRコードをスキャンできます。小規模なセミナーであれば、スタッフの私物スマートフォンでも運用可能です。ただし、大規模イベントや高速処理が求められる場合は、専用のバーコードリーダーやタブレット端末を複数台用意することで、より安定した運用が実現できます。いずれの場合も、安定したWi-Fi環境またはモバイル回線の確保が重要です。
質問:受付スタッフは何人くらい配置すればよいですか?
回答:目安として、来場予定数を50〜100名で割った人数を基準にしてください。例えば、300名のイベントであれば3〜6名のスタッフが必要です。ただし、イベント開始30分前から開始直後は最も混雑するため、この時間帯だけスタッフを1.5〜2倍に増員することをおすすめします。また、受付担当だけでなく、誘導担当やトラブル対応担当も含めて配置を検討しましょう。
質問:事前登録していない「飛び込み参加」にはどう対応すればよいですか?
回答:当日登録専用のレーンを設け、その場で情報を入力してもらうフローを準備しておきましょう。タブレットでWebフォームに入力してもらう方法が効率的ですが、通信トラブルに備えて紙のフォームも用意しておくと安心です。取得する情報は最小限(氏名・会社名・メールアドレス)に絞り、受付時間を短縮してください。重要なのは、当日登録者のデータも事前登録者と同じデータベースに統合し、フォローアップの漏れを防ぐことです。
質問:ハイブリッドイベントで、オンラインとオフラインの参加者データを一元管理する方法はありますか?
回答:EventHubのようなイベントマーケティングプラットフォームを使用すれば、オフラインの受付データ(QRコードチェックイン)とオンラインの視聴データを一つのデータベースで管理できます。これにより、「オフライン参加者」「オンライン参加者」「両方参加した人」を区別して把握でき、それぞれに最適なフォローアップが可能になります。データが分断されると、効果測定が不正確になったり、フォローアップに漏れが生じたりするため、一元管理の仕組みを導入することをおすすめします。
質問:受付で取得したデータを営業活動にすぐ活かす方法はありますか?
回答:最も効果的なのは「来場通知」機能の活用です。重要顧客(既存顧客・商談中の見込み顧客など)がチェックインした際に、担当営業へ即座に通知を送る仕組みを設定しておけば、「〇〇様がご来場されました」という通知を受け取った営業担当者がすぐにブースでお出迎えできます。また、受付データをMA(マーケティングオートメーション)やSFA/CRMツールに自動連携することで、イベント後のフォローアップメール送信やリードスコアリングを迅速に行えます。来場データの活用スピードが、商談化率を大きく左右します。
こちらの記事の監修・執筆者
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株式会社EventHub マーケティングマネージャー 鈴木 優一 |
| 2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。 |
