イベントアンケートの作り方|回答率を上げるコツ、具体的な質問項目も
イベントを開催したものの、「アンケートを取ったが営業活動に活かせない」「回答率が低くて十分なデータが集まらない」といった課題を抱えていませんか?
イベントアンケートは、単なる満足度調査ではありません。適切に設計すれば、HOTリードを即座に見極め、商談化率を大幅に向上させることも可能です。
本記事では、カンファレンス・ウェビナー・展示会など目的別のアンケート設計の基本から、回答率を高める5つのコツ、商談につながる質問項目の設計テクニックまで、実践的なノウハウを解説します。
イベントアンケートの目的と設計の基本
イベントアンケートを効果的に活用するためには、まず「何のためにアンケートを実施するのか」という目的を明確にすることが重要です。目的が曖昧なままアンケートを作成すると、収集したデータを活用できず、参加者にも回答の負担だけを強いる結果になってしまいます。
アンケートは「満足度調査」ではなく「商談創出の起点」
多くの企業がイベントアンケートを「参加者の満足度を測るもの」として捉えていますが、BtoBマーケティングにおいてアンケートの本質的な役割は「商談創出の起点」です。
イベントアンケートには、大きく分けて4つの目的があります。
| 目的 | 具体的な活用シーン | 取得すべきデータ |
|---|---|---|
| リード選別 | HOT/WARM/COLDリードの判定 | 課題感、検討段階、予算、導入時期 |
| コンテンツ改善 | 次回イベントの企画・テーマ設計 | 満足度、興味のあるテーマ、改善点 |
| 商談創出 | インサイドセールスへの引き渡し | 個別相談希望、具体的な課題 |
アンケートを設計する際は、「このデータを取得して、誰が、どのように活用するのか」を最初に定義することが重要です。営業チームが商談に活かせるデータなのか、マーケティングチームが次回の企画に活かすデータなのかによって、設問の内容は大きく変わります。
アンケート設計の3つの軸(目的・対象・タイミング)
効果的なアンケートを作成するためには、以下の3つの軸で設計を行います。
- 目的軸:何のためにデータを取得するか
アンケートの目的は「営業活用」「改善」「報告」の3つに大別されます。営業活用が目的であれば、BANT情報(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)の取得を重視します。改善が目的であれば、満足度や具体的なフィードバックを中心に設計します。社内報告が目的であれば、定量的な評価指標を設けることが重要です。 - 対象軸:誰に回答してもらうか
回答者の属性によって、適切な設問は異なります。新規リードには課題感やニーズのヒアリングを重視し、既存顧客にはサービス改善に向けた要望を聞きます。パートナー企業には協業可能性の確認を行うなど、対象者に合わせた設問設計が必要です。 - タイミング軸:いつ回答してもらうか
アンケートの回答タイミングは回答率に大きく影響します。イベント中に回答してもらう場合は設問数を最小限に抑え、終了直後であれば詳細なフィードバックを求めることができます。翌日以降のフォローアップとして実施する場合は、回答率が下がる傾向があるため、インセンティブの設計が重要になります。
イベント種別ごとのアンケート設計の違い
イベントの種別によって、アンケートの設計方針は異なります。以下の表で、主なイベント種別ごとの特徴を整理します。
| イベント種別 | アンケートの特徴 | 推奨設問数 | 重視すべき項目 |
|---|---|---|---|
| カンファレンス | セッション別評価+全体評価の二層構造 | 8〜12問 | 満足度、次回参加意向 |
| ウェビナー | 視聴中の離脱を防ぐ短時間設計 | 5〜8問 | 個別相談希望、理解度 |
| 展示会 | ブースでのヒアリング内容との連携 | 5〜7問 | BANT情報、競合状況 |
| ユーザー交流会 | 製品フィードバックと事例化協力 | 6〜10問 | 満足度、事例協力意向 |
カンファレンスのような大規模イベントでは、基調講演やブレイクアウトセッションごとのアンケートと、イベント全体の総合アンケートを分けて実施することで、より詳細なデータを収集できます。一方、ウェビナーでは参加者がオンラインで視聴しているため、長いアンケートは途中離脱の原因になります。設問数を絞り、回答時間3分以内を目安に設計しましょう。
【イベント種別】アンケートの質問項目と例文
ここからは、イベントの種別ごとに具体的な質問項目と例文を紹介します。自社のイベントに合わせてカスタマイズしてご活用ください。
カンファレンス・大規模イベント向けの質問項目
カンファレンスでは、セッションごとの評価と全体評価を分けて取得することが重要です。以下に、シーン別の質問項目例を紹介します。
基調講演・キーノート後のアンケート(5〜6問)
基調講演後のアンケートでは、満足度の測定と同時に、参加者の興味関心を深掘りすることで、HOTリードの発見につなげます。
| 設問番号 | 質問文(例文) | 回答形式 | 目的 |
|---|---|---|---|
| Q1 | 本セッションの満足度をお聞かせください。 | 5段階選択式 | 満足度測定 |
| Q2 | 特に印象に残った内容をお選びください。 | 複数選択式 | 興味関心の把握 |
| Q3 | 本日のテーマに関連する取り組み状況をお聞かせください。 | 単一選択式 | 検討段階の把握 |
| Q4 | 関連サービスの個別相談をご希望されますか? | 単一選択式 | 商談化判定 |
| Q5 | 今後、弊社からの情報提供を希望されますか? | 単一選択式 | ナーチャリング許諾 |
| Q6 | ご意見・ご質問があればご記入ください。 | 自由記述 | 定性フィードバック |
Q3の選択肢例
- すでに取り組んでいる
- 今後取り組み予定
- 情報収集中
- 特に予定なし
Q4の選択肢例
- 希望する(具体的に検討中)
- 希望する(情報収集目的)
- 希望しない
総合アンケート(8〜10問)
イベント全体の終了後に実施する総合アンケートでは、次回参加意向など、イベント全体の評価と今後の関係構築に必要なデータを取得します。
| 設問番号 | 質問文(例文) | 回答形式 |
|---|---|---|
| Q1 | 本イベント全体の満足度をお聞かせください。 | 5段階選択式 |
| Q2 | 本イベントを知ったきっかけをお聞かせください。 | 複数選択式 |
| Q3 | 参加して良かった点をお聞かせください。 | 複数選択式 |
| Q4 | 改善してほしい点があればお聞かせください。 | 複数選択式 |
| Q5 | 次回イベントで取り上げてほしいテーマがあればお聞かせください。 | 自由記述 |
| Q6 | 次回イベントへの参加意向をお聞かせください。 | 単一選択式 |
| Q7 | 弊社からの今後の情報提供を希望されますか? | 単一選択式 |
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ウェビナー・オンラインセミナー向けの質問項目
ウェビナーのアンケートは、参加者がオンラインで回答するため、設問数を絞り込むことが特に重要です。回答時間は3分以内、設問数は5〜8問を目安に設計しましょう。
ウェビナー終了直後のアンケート(5〜7問)
| 設問番号 | 質問文(例文) | 回答形式 | 目的 |
|---|---|---|---|
| Q1 | 本ウェビナーの満足度をお聞かせください。 | 5段階選択式 | 満足度測定 |
| Q2 | 本ウェビナーの内容は理解できましたか? | 5段階選択式 | 理解度測定 |
| Q3 | 本日のテーマに関連して、現在抱えている課題をお聞かせください。 | 複数選択式 | 課題の把握 |
| Q4 | 紹介したソリューションへの興味度をお聞かせください。 | 単一選択式 | 興味度判定 |
| Q5 | 個別のご相談・デモのご希望はありますか? | 単一選択式 | 商談化判定 |
| Q6 | 今後のウェビナーで取り上げてほしいテーマがあればお聞かせください。 | 自由記述 | 企画改善 |
| Q7 | その他、ご質問・ご感想があればご記入ください。 | 自由記述 | 定性フィードバック |
Q3の選択肢例(ソリューション領域に応じてカスタマイズ)
- リソース不足
- ノウハウ不足
- ツール選定
- 予算確保
- 社内理解の獲得
- 特に課題なし
Q4の選択肢例
- 非常に興味がある
- やや興味がある
- どちらともいえない
- あまり興味がない
ウェビナーアンケートの設計では、「個別相談希望」の設問を必ず含めることが重要です。この設問への回答が「希望する」であれば、インサイドセールスが優先的にフォローすべきHOTリードとして判定できます。
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展示会・オフラインイベント向けの質問項目
展示会では、ブースでの会話内容(ヒアリング情報)とアンケート回答を紐づけることで、より精度の高いリード情報を構築できます。展示会場では参加者の時間も限られているため、設問数は5〜7問に抑えましょう。
ブース来場者向けアンケート(5〜7問)
| 設問番号 | 質問文(例文) | 回答形式 | 目的 |
|---|---|---|---|
| Q1 | 当ブースにお立ち寄りいただいた理由をお聞かせください。 | 複数選択式 | 興味関心の把握 |
| Q2 | 現在、類似の製品・サービスをご利用ですか? | 単一選択式 | 競合状況の把握 |
| Q3 | 導入・検討の時期をお聞かせください。 | 単一選択式 | 導入時期の把握 |
| Q4 | ご検討にあたっての課題をお聞かせください。 | 複数選択式 | 課題の把握 |
| Q5 | 後日、詳しいご説明をご希望されますか? | 単一選択式 | 商談化判定 |
| Q6 | 弊社からの情報提供を希望されますか? | 単一選択式 | ナーチャリング許諾 |
| Q7 | その他、ご質問・ご要望があればご記入ください。 | 自由記述 | 定性フィードバック |
展示会アンケートでは、名刺交換で取得した情報(会社名・氏名・メールアドレスなど)と、アンケート回答、ブースでのヒアリング内容を一元的に管理することが重要です。これらの情報がバラバラに管理されていると、後日のフォローアップ時に文脈を踏まえたアプローチができません。
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ユーザー交流会・コミュニティイベント向けの質問項目
ユーザー交流会やコミュニティイベントでは、製品・サービスへのフィードバック収集と、事例化への協力意向の確認が主な目的となります。
ユーザー交流会向けアンケート(6〜8問)
| 設問番号 | 質問文(例文) | 回答形式 | 目的 |
|---|---|---|---|
| Q1 | 本イベントの満足度をお聞かせください。 | 5段階選択式 | 満足度測定 |
| Q2 | 他の参加者との交流は有意義でしたか? | 5段階選択式 | 交流満足度 |
| Q3 | 製品・サービスへのご要望があればお聞かせください。 | 自由記述 | 製品フィードバック |
| Q4 | 事例インタビューへのご協力は可能ですか? | 単一選択式 | 事例化協力 |
| Q5 | 次回イベントへの参加意向をお聞かせください。 | 単一選択式 | 継続参加意向 |
| Q6 | 取り上げてほしいテーマがあればお聞かせください。 | 自由記述 | 企画改善 |
商談化率を高めるアンケート項目の設計テクニック
アンケートを「満足度調査」で終わらせず、「商談創出の起点」として機能させるためには、営業活動に直結するデータを取得する設計が必要です。ここでは、商談化率を高めるための具体的な設計テクニックを解説します。
リードの温度感を判定するBANT情報の取得方法
BANT情報とは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(ニーズ)、Timeline(導入時期)の4つの要素を指します。これらの情報を把握することで、リードの温度感を判定し、優先的にアプローチすべき見込み顧客を特定できます。
ただし、アンケートで直接的に「予算はいくらですか?」「決裁権はありますか?」と聞くと、回答者に抵抗感を与えてしまいます。以下のように、自然な形で情報を取得する設問設計が重要です。
| BANT要素 | 直接的な質問(NG) | 自然な聞き方(推奨) |
|---|---|---|
| Budget (予算) |
「ご予算はいくらですか?」 | 「想定されている投資規模の目安を お聞かせください」 |
| Authority (決裁権) |
「決裁権はお持ちですか?」 | 「お役職をお聞かせください」 「ご検討の際、どなたと相談されますか?」 |
| Needs (ニーズ) |
「当社製品は必要ですか?」 | 「現在抱えている課題をお聞かせください」 |
| Timeline (導入時期) |
「いつ導入しますか?」 | 「ご検討の段階をお聞かせください」 |
特にTimeline(導入時期)の設問は、リードの温度感を判定する上で最も重要です。「3ヶ月以内」「半年以内」「1年以内」「未定・情報収集中」といった選択肢を用意することで、営業がアプローチすべき優先順位を明確にできます。
HOT/WARM/COLDリードを分類する設問設計
アンケート回答に基づいてリードを自動的にHOT/WARM/COLDに分類するためには、各設問の選択肢にスコアを割り当てる「リードスコアリング」の設計が必要です。
スコア配点例
| 設問 | 選択肢 | スコア |
|---|---|---|
| 検討段階 | 具体的に検討中 | +30点 |
| 検討段階 | 情報収集中 | +15点 |
| 検討段階 | 特に予定なし | +0点 |
| 導入時期 | 3ヶ月以内 | +30点 |
| 導入時期 | 半年以内 | +20点 |
| 導入時期 | 1年以内 | +10点 |
| 導入時期 | 未定 | +0点 |
| 個別相談希望 | 希望する | +40点 |
| 個別相談希望 | 希望しない | +0点 |
リードランク判定基準
| リードランク | 合計スコア | フォロー優先度 |
|---|---|---|
| HOTリード | 70点以上 | 即日〜翌日にインサイドセールスが架電 |
| WARMリード | 40〜69点 | 1週間以内にメールでフォロー |
| COLDリード | 39点以下 | ナーチャリングシナリオに登録 |
このようなスコアリング設計を事前に行っておくことで、アンケート回収後のデータ集計・分析の工数を大幅に削減できます。
MA/SFAツール連携を前提とした選択肢の作成
アンケートで取得したデータをSalesforceやHubSpotなどのMA/SFAツールに連携する場合、選択肢の設計段階でツール側のフィールド定義を意識することが重要です。
MA/SFA連携を意識した選択肢設計のポイント
- 選択肢の文言は、ツール側のピックリスト値と完全一致させる
- 自由記述の回答は、ツール側のテキストフィールドの文字数制限を確認する
- 複数選択式の場合、ツール側でどのように格納されるか(カンマ区切り等)を確認する
- 特殊文字(「」『』など)は文字化けの原因になるため避ける
たとえば、Salesforceのリードオブジェクトに「検討段階」というピックリストフィールドがあり、その値が「具体的に検討中」「情報収集中」「検討予定なし」の3つで定義されている場合、アンケートの選択肢もこの文言に揃えておくことで、データ連携後の突合作業が不要になります。
参加者の行動データ×アンケート回答でHOTリードを特定する方法
アンケート回答だけでなく、イベント中の参加者の行動データ(視聴時間、セッション参加状況など)を掛け合わせることで、より精度の高いリード判定が可能になります。
たとえば、ウェビナーにおいて以下のような条件でHOTリードを定義できます。
HOTリード判定条件の例
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 視聴時間 | ウェビナー全体の70%以上を視聴 |
| アンケート回答 | 「個別相談希望」に「希望する」と回答 |
| 興味度 | 「非常に興味がある」または「やや興味がある」と回答 |
これらの条件を満たす参加者は、確度の高いHOTリードとしてインサイドセールスに即時通知することで、競合より早くアプローチできます。
EventHubのようなイベントマーケティングプラットフォームを活用すれば、「誰が・いつ・どのくらい視聴したか」という詳細な視聴ログとアンケート回答を自動で紐づけ、HOTリードを即座に特定できます。データの突合作業が不要になるため、イベント終了後すぐに営業活動を開始できる点が大きなメリットです。
アンケート回答率を上げる5つのコツ
どれだけ良いアンケートを設計しても、回答率が低ければ十分なデータを収集できません。ここでは、アンケート回答率を向上させるための5つの具体的なコツを紹介します。
設問数の最適化(10問以内・回答時間3分以内)
アンケートの回答率と設問数には明確な相関関係があります。一般的に、設問数が10問を超えると回答率は大きく低下します。
設問数と回答率の目安
| 設問数 | 想定回答時間 | 回答率の傾向 |
|---|---|---|
| 5問以下 | 1〜2分 | 高い(60%以上) |
| 6〜10問 | 2〜3分 | やや高い(40〜60%) |
| 11〜15問 | 4〜5分 | やや低い(25〜40%) |
| 16問以上 | 6分以上 | 低い(25%以下) |
アンケートを設計する際は、「本当に必要な設問か」を一つひとつ精査し、優先度の低い設問は思い切って削除することが重要です。目安として、回答時間3分以内、設問数10問以内を目標に設計しましょう。
また、「必須項目」と「任意項目」を明確に分けることも効果的です。必須項目は5〜7問に絞り、追加で聞きたい項目は任意として設定することで、回答途中での離脱を防げます。
回答インセンティブの設計(資料配布・抽選など)
アンケート回答へのインセンティブを設けることで、回答率を向上させることができます。BtoBイベントで効果的なインセンティブには、以下のようなものがあります。
BtoBイベントで効果的なインセンティブ例
- 登壇資料のダウンロード権限付与
- 限定ホワイトペーパー・調査レポートの提供
- 次回イベントの優先案内・割引
- 抽選でのギフトカードプレゼント
特に「登壇資料のダウンロード」は、参加者にとって価値が高く、かつコストがかからないため、最も効果的なインセンティブの一つです。アンケート回答完了後に資料ダウンロードURLを表示する、またはサンクスメールで送付する仕組みを用意しましょう。
QRコード即時回答の活用
オフラインイベントでは、QRコードを活用した即時回答の仕組みが効果的です。参加者がスマートフォンでQRコードを読み取るだけでアンケートフォームにアクセスできるため、回答のハードルを大幅に下げられます。
QRコード設置場所の工夫
| 設置場所 | メリット |
|---|---|
| 受付時の配布資料 | イベント開始前から認知できる |
| セッション終了時のスライド | 回答を促すタイミングが明確 |
| 会場内の立て看板 | 休憩時間に回答を促せる |
| 配布物(ノベルティなど) | 持ち帰り後も回答可能 |
QRコードを設置する際は、アンケートフォームがスマートフォンで回答しやすいUIになっているか、事前に確認しておきましょう。文字が小さすぎる、選択肢がタップしづらいといった問題があると、せっかくQRコードでアクセスしても途中離脱の原因になります。
イベント中のアナウンスタイミングの工夫
アンケートの回答率は、案内のタイミングとメッセージによって大きく変わります。最も効果的なのは、セッション終了5分前のアナウンスです。
効果的なアナウンスの例
“本セッションも残り5分となりました。終了後、ぜひアンケートへのご協力をお願いいたします。回答いただいた方には、本日の登壇資料をダウンロードいただけます。画面に表示されるQRコードからアクセスしてください。”
登壇者や司会者から直接案内することで、回答率は大きく向上します。「ご協力をお願いします」という依頼だけでなく、「資料がダウンロードできます」というメリットを伝えることがポイントです。
また、ウェビナーの場合は、終了直前に画面上にアンケートへの導線を表示し、「このまま画面を閉じずにアンケートにご回答ください」と案内することで、回答率を高められます。
紙とデジタルの使い分け
オフラインイベントでは、紙のアンケートとWebアンケート(デジタル)を状況に応じて使い分けることが効果的です。
紙とデジタルの比較
| 項目 | 紙アンケート | Webアンケート |
|---|---|---|
| 回答率 | 高い(その場で回収できる) | やや低い(後回しにされやすい) |
| 集計効率 | 低い(手入力が必要) | 高い(自動集計) |
| コスト | 印刷コストがかかる | フォーム作成ツールの費用 |
| 柔軟性 | 修正が難しい | リアルタイムで修正可能 |
| MA/SFA連携 | 難しい(手動入力) | 容易(自動連携可能) |
紙アンケートは回答率が高いというメリットがありますが、集計やMA/SFA連携の観点ではWebアンケートが優れています。両者のメリットを活かすために、以下のような使い分けがおすすめです。
- 紙アンケートが適しているシーン
会場での受付配布、休憩時間中の回収、高齢の参加者が多いイベント - Webアンケートが適しているシーン
ウェビナー、データ連携を重視するイベント、若年層の参加者が多いイベント
紙アンケートを実施する場合も、回収したデータを速やかにデジタル化し、MA/SFAツールに登録する運用フローを事前に整備しておきましょう。
アンケートデータの活用とフォローアップ設計
アンケートを実施しても、収集したデータを活用しなければ意味がありません。ここでは、アンケートデータを営業活動や次回イベントの改善に活かすための具体的な方法を解説します。
アンケート結果を活かした48時間以内のフォロー
イベント後のフォローアップは、スピードが命です。一般的に、イベント終了後48時間以内にフォローを行った場合と、1週間後にフォローを行った場合では、商談化率に大きな差が生まれます。
フォロータイミングと効果の関係
| フォロータイミング | 参加者の記憶 | 商談化率への影響 |
|---|---|---|
| 当日〜翌日 | イベント内容を鮮明に覚えている | 最も高い |
| 2〜3日後 | ある程度覚えている | 高い |
| 1週間後 | 薄れている | やや低い |
| 2週間以上 | ほとんど忘れている | 低い |
特にHOTリード(個別相談を希望した参加者など)には、可能であれば当日中、遅くとも翌日にはインサイドセールスから架電することが重要です。アンケートで取得した課題感や興味関心を踏まえてアプローチすることで、「自分のことを理解してくれている」という印象を与えられます。
フォローメールの例文
件名:【〇〇カンファレンス】本日はご参加ありがとうございました
〇〇様
本日は「〇〇カンファレンス」にご参加いただき、誠にありがとうございました。
アンケートにて「〇〇」についてご興味をお持ちとのことでしたので、 関連する資料をお送りいたします。
また、アンケートにて個別のご相談をご希望いただいておりましたので、 改めてお電話にてご連絡させていただきます。
ご都合の良い日時をお知らせいただければ幸いです。
セグメント別のナーチャリング設計
アンケート結果に基づいて、リードをセグメント分けし、それぞれに適したナーチャリング施策を実施することで、効率的に商談化を進められます。
セグメント別のナーチャリング施策例
| セグメント | 判定条件 | ナーチャリング施策 |
|---|---|---|
| HOTリード | 個別相談希望あり+検討段階が「具体的に検討中」 | 即日架電、個別デモ提案 |
| WARMリード | 興味度が高い+検討段階が「情報収集中」 | 事例資料送付、次回ウェビナー案内 |
| COLDリード | 興味度が低い+情報提供希望あり | メルマガ登録、定期的な情報配信 |
MAツールを活用すれば、アンケート回答内容に応じて自動的にセグメントを分類し、それぞれに適したメール配信やコンテンツ提供を自動化できます。たとえば、「課題として『リソース不足』を選択した」参加者には、業務効率化に関する事例資料を自動送付するといった施策が可能です。
次回イベント企画へのデータ活用
アンケートデータは、次回イベントの企画改善にも活用できます。特に、以下のデータは次回の企画に直結します。
次回企画に活かすべきアンケートデータ
- 満足度の低かったセッション:内容やスピーカーの見直し
- 「取り上げてほしいテーマ」の回答:次回コンテンツの企画
- 「改善してほしい点」の回答:運営オペレーションの改善
- 集客チャネルの効果:次回の集客施策の優先順位付け
やはり、満足度を継続的にトラッキングすることで、イベント全体の品質向上を定量的に評価できます。回を重ねるごとに満足度が向上していれば、イベント改善が成功していると判断できます。
イベントアンケートでよくある失敗と対策
アンケート設計や運用において、多くの企業が陥りがちな失敗パターンがあります。ここでは、よくある失敗とその対策を解説します。
設問数が多すぎて回答率が低下するケース
失敗例
「せっかくの機会だから」とあれもこれも聞きたくなり、設問数が20問以上になってしまうケースです。結果として回答率が10%以下に落ち込み、十分なデータが集まりません。
対策
アンケートの目的を「一つ」に絞り、その目的達成に必要な設問だけを残しましょう。「満足度調査」と「リード選別」を同時に行いたい場合は、アンケートを2つに分けることも検討してください。
また、「あれば便利」程度の設問は思い切って削除することが重要です。設問を追加する際は、「このデータを誰が、どのように活用するのか」を必ず確認しましょう。
自由記述ばかりで分析・活用できないケース
失敗例
「具体的な声を聞きたい」と自由記述の設問を5問以上設けた結果、回答のバラつきが大きく、定量的な分析ができないケースです。また、自由記述の回答を一つひとつ読み込む時間がなく、結局データが活用されないまま放置されてしまうこともあります。
対策
自由記述は2問以内に抑え、基本的には選択式の設問で設計しましょう。選択式であれば、回答の集計・分析が容易で、傾向を把握しやすくなります。
自由記述を設ける場合は、「その他ご意見・ご感想」のような漠然とした聞き方ではなく、「次回取り上げてほしいテーマ」「改善してほしい点」など、具体的な回答を促す聞き方をすることが重要です。
営業活用できないデータを取得してしまうケース
失敗例
「満足度」「理解度」「登壇者への感想」など、イベントの評価に関する設問ばかりで、営業活動に直結するデータ(検討段階、課題、個別相談希望など)が取得できていないケースです。
対策
アンケート設計の段階で、営業チームを巻き込むことが重要です。「どのような情報があれば、商談につなげやすいか」を事前にヒアリングし、必要な設問を必ず含めるようにしましょう。
最低限、以下の3つの設問は必須と考えてください。
- 検討段階:「具体的に検討中」「情報収集中」「特に予定なし」など
- 課題:参加者が抱えている具体的な課題(選択式)
- 個別相談希望:「希望する」「希望しない」
これらの情報があれば、営業チームはアンケート回答を元に優先順位を付けてアプローチできます。
イベントアンケート作成に役立つツールの選び方
アンケートを効率的に作成・運用するためには、適切なツールの選定が重要です。ここでは、ツール選定のポイントと、参加者管理からアンケートまで一元化するメリットを解説します。
アンケートツール選定の3つのポイント
アンケートツールを選定する際は、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- ポイント①:MA/SFAツールとの連携可否
アンケートで取得したデータを営業活動に活かすためには、SalesforceやHubSpotなどのMA/SFAツールとの連携が不可欠です。API連携や標準コネクタが用意されているか、連携時のデータ形式(フィールドのマッピング方法など)を確認しましょう。 - ポイント②:リアルタイム集計・分析機能
イベント中にリアルタイムで回答状況を把握できる機能があると、運営の判断に活かせます。たとえば、セッション中に満足度が低下していることがわかれば、質疑応答の時間を増やすなどの対応が可能です。 - ポイント③:参加者データとの紐づけ可否
アンケート回答を「誰が」回答したかを特定し、参加申込みデータや視聴データと紐づけられることが重要です。匿名のアンケートでは、個別のフォローアップができません。
参加者管理からアンケートまで一元化するメリット
イベント管理システムの中には、参加申込みの管理からアンケート回収、データ分析までを一つのプラットフォームで完結できるものがあります。一元管理のメリットは以下の通りです。
一元管理のメリット
- データの分断を防止:参加申込みデータ、視聴データ、アンケート回答が自動で紐づく
- フォローアップの迅速化:イベント終了後すぐにHOTリードを特定し、営業に引き渡せる
- 分析の効率化:複数のツールからデータを集める必要がなく、一画面で分析できる
- 運用工数の削減:ツール間のデータ連携設定や、手動でのデータ突合作業が不要
たとえば、EventHubのようなイベントマーケティングプラットフォームを活用すれば、参加者の申込みからアンケート回答、視聴ログまでを一元的に管理できます。「長時間視聴+アンケートで個別相談希望」といった条件でHOTリードを自動抽出し、インサイドセールスに即時通知することも可能です。
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まとめ:アンケートは「データ資産」として設計する
本記事では、イベントアンケートの作り方について、目的別の設計方法から回答率を上げるコツ、商談化につなげるテクニックまで解説しました。
本記事のポイント
- アンケートは「満足度調査」ではなく「商談創出の起点」として設計する
- 設問数は10問以内、回答時間3分以内を目安に最適化する
- BANT情報(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)を自然な形で取得する
- HOT/WARM/COLDリードを自動分類するスコアリング設計を事前に行う
- イベント終了後48時間以内のフォローで商談化率を最大化する
アンケートは、営業活動や次回イベントの企画に活かす「データ資産」として設計することが重要です。本記事で紹介したテンプレートやノウハウを活用し、成果につながるアンケート運用を実現してください。
よくあるご質問
質問:イベントアンケートの適切な設問数は何問ですか?
回答:イベントアンケートの設問数は、10問以内、回答時間3分以内が目安です。設問数が多すぎると回答率が低下するため、「本当に必要な設問か」を一つひとつ精査し、優先度の低い設問は削除しましょう。カンファレンスやセミナーでは8〜10問、ウェビナーでは5〜7問、展示会では5〜7問を目安に設計すると、回答率と情報量のバランスが取れます。必須項目と任意項目を分け、必須は5〜7問に絞ることで、途中離脱を防ぐ効果も期待できます。
質問:アンケートの回答率の目安はどのくらいですか?
回答:アンケートの回答率は、イベントの形式や実施方法によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。オンラインイベント(ウェビナー)では30〜40%、オフラインイベント(カンファレンス・展示会)では50〜60%が目安となります。回答率を向上させるためには、設問数の最適化、回答インセンティブの設計(資料配布など)、QRコード即時回答の活用、イベント中の効果的なアナウンスが有効です。
質問:紙のアンケートとWebアンケートはどちらが良いですか?
回答:紙とWebアンケートにはそれぞれメリットがあるため、イベントの特性に応じて使い分けることをおすすめします。紙アンケートは回答率が高い傾向がありますが、集計に手間がかかります。一方、Webアンケートは集計効率が高く、MA/SFAツールへの連携も容易ですが、後回しにされやすいという側面があります。オフラインイベントでは両者を併用し、紙で回収したデータを速やかにデジタル化する運用フローを整備するのが効果的です。
質問:アンケート結果はいつまでにフォローすべきですか?
回答:イベント後のフォローアップは、スピードが重要です。理想的には、HOTリード(個別相談希望者など)は当日〜翌日、WARMリードは1週間以内、COLDリードは2週間以内にフォローしましょう。特に、イベント終了後48時間以内のフォローは、参加者の記憶が鮮明なうちにアプローチできるため、商談化率が大きく向上します。アンケート回答内容(課題感、興味関心など)を踏まえてフォローすることで、より効果的なアプローチが可能です。
質問:アンケートで取得したデータをMAツールに連携する方法は?
回答:アンケートデータをMAツール(Salesforce、HubSpot、Marketoなど)に連携する方法は、主に3つあります。1つ目はCSVエクスポートによる手動インポート、2つ目はAPI連携による自動同期、3つ目はイベント管理システムの標準連携機能の活用です。手動インポートは設定が簡単ですがデータ反映にタイムラグが生じます。EventHubのようなイベントマーケティングプラットフォームを活用すれば、アンケート回答と参加者データを自動で紐づけ、MA/SFAツールにリアルタイムで連携できるため、フォローアップの迅速化と運用工数の削減が実現できます。
こちらの記事の監修・執筆者
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株式会社EventHub マーケティングマネージャー 鈴木 優一 |
| 2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。 |
