展示会出展とは?目的・メリットと成功のポイント
展示会出展は、BtoB企業のマーケティングにおいて、有効な施策の一つです。しかし「本当に出展する意味があるのか」「費用に見合った成果を得られるのか」と悩む担当者も少なくありません。
本記事では、展示会出展の目的やメリットを整理したうえで、成功のためのポイントを解説します。初めて出展を検討する方も、これまでの出展成果を見直したい方も、ぜひ参考にしてください。
展示会出展とは?
展示会出展の定義と位置づけ
展示会出展とは、業界の合同イベントに自社ブースを構え、来場者に製品やサービスを紹介するマーケティング活動です。主催社が設定したテーマに沿って複数の企業が出展し、共通の関心を持つ来場者との接点を創出します。
自社単独で開催するカンファレンスやセミナーとは異なり、展示会は主催社が集客を行うため、普段アプローチできない見込み顧客と出会える可能性があります。BtoBビジネスにおいては、リード獲得施策の一つとして多くの企業が活用しています。
展示会出展の特徴を整理すると、以下のようになります。
- 業界に関心のある来場者が一堂に集まる
- 対面で製品やサービスを直接説明できる
- 短期間で多くの名刺・リード情報を獲得できる
- 競合他社の動向を把握できる
展示会の主な種類
展示会にはさまざまな種類があり、自社の目的やターゲットに合わせて選定することが重要です。
| 種類 | 特徴 | 代表例 |
|---|---|---|
| 業界特化型展示会 | 特定の業界・分野に絞った専門性の高い展示会 | Japan IT Week、CEATEC、FOODEX JAPANなど |
| 総合型展示会 | 複数の業界が参加する大規模な展示会 | 東京ビッグサイトでの各種合同展示会 |
| プライベートショー | 自社単独で開催する招待制のイベント | 企業の新製品発表会、ユーザーカンファレンスなど |
| オンライン展示会 | Web上で開催されるバーチャル形式の展示会 | 各種オンライン商談会 |
| ハイブリッド展示会 | リアル会場とオンラインを組み合わせた形式 | コロナ禍以降に増加 |
近年はオンライン展示会やハイブリッド形式も増えていますが、対面での商談やデモンストレーションが重視されるBtoB領域では、リアルな展示会への出展ニーズは依然として高い状況です。
展示会出展の目的|なぜ企業は出展するのか
新規リード(見込み顧客)の獲得
展示会出展の最も一般的な目的は、新規リードの獲得です。展示会には特定のテーマや業界に興味・関心を持つ来場者が集まるため、自社の製品やサービスに関心を持つ可能性が高い見込み顧客と効率的に出会えます。
展示会でのリード獲得には、以下のようなメリットがあります。
- ターゲット層が自ら足を運ぶため、関心度が高い
- 短期間(会期中)で大量の名刺を獲得できる
- 普段のマーケティング活動ではアプローチできない企業との接点が生まれる
- 対面でのコミュニケーションを通じて、課題やニーズを直接ヒアリングできる
既存顧客との関係強化
展示会は新規リード獲得だけでなく、既存顧客との関係を深める場としても活用できます。既存顧客を展示会に招待し、新製品や新サービスを先行案内することで、アップセル・クロスセルの機会を創出できます。
既存顧客向けの活用方法としては、以下が挙げられます。
- 招待状を送付し、ブースへの来場を促す
- 新製品のデモンストレーションを優先的に案内する
- 顧客の声を直接聞くフィードバックの機会とする
- 顧客同士のネットワーキングの場を提供する
ブランド認知・業界プレゼンスの向上
展示会への継続的な出展は、業界内での認知度向上やブランディングにも効果的です。特に、業界の主要な展示会に出展し続けることで、業界のリーダー的存在としてのイメージを醸成できます。
ブランド認知向上の観点では、以下の効果が期待できます。
- 業界内での存在感をアピールできる
- 競合他社との差別化ポイントを直接伝えられる
- メディア露出や取材機会の獲得につながる
- 採用活動にもプラスの影響を与える
市場調査・競合分析
展示会は、市場の動向や競合他社の状況を把握する絶好の機会でもあります。来場者との会話から市場ニーズを把握し、競合ブースの展示内容やアプローチ方法を観察することで、自社の戦略立案に役立てられます。
具体的には、以下のような情報収集が可能です。
- 来場者の反応から、自社製品への関心度や課題を把握
- 競合他社のブースデザイン、訴求ポイント、配布資料をチェック
- 業界全体のトレンドや技術動向を把握
- 新たなビジネスパートナーの発掘
展示会出展のメリット・デメリット
展示会出展の5つのメリット
展示会出展には、他のマーケティング施策にはない独自のメリットがあります。
- 対面での信頼構築
オンラインでのコミュニケーションが増えた現代においても、対面での接点は信頼構築に大きな効果を発揮します。製品を実際に見て、触れて、担当者と直接話すことで、顧客の安心感と信頼感が高まります。 - ターゲット層が集まる効率的な集客
展示会には、特定のテーマや業界に関心を持つ来場者が自ら足を運びます。自社でゼロから集客するよりも、効率的にターゲット層へアプローチできます。 - 製品デモ・体験を通じた理解促進
カタログやWebサイトだけでは伝わりにくい製品の特長も、実際のデモンストレーションを通じて効果的に伝えられます。特に、操作性や使い勝手が重要な製品では、体験の機会を提供することで理解度が大きく向上します。 - 商談化までのリードタイム短縮
展示会で獲得したリードは、すでに製品やサービスへの興味・関心を持っているケースが多く、通常のインバウンドリードと比べて商談化までのリードタイムが短い傾向にあります。会期中にその場で商談のアポイントを設定できることも珍しくありません。 - 複数の目的を同時に達成できる
リード獲得、ブランド認知向上、市場調査、既存顧客フォローなど、複数の目的を一度のイベントで達成できる点も展示会出展の大きなメリットです。
展示会出展のデメリットと注意点
一方で、展示会出展には以下のようなデメリットや注意点もあります。
コスト面の課題
- 出展料(小間代)に加え、ブース装飾・施工費、配布物制作費、人件費など、まとまった初期投資が必要
- 規模によっては数百万円単位の費用がかかることも
工数・リソースの負担
- 準備から当日運営、事後フォローまで、担当者の業務負荷が大きい
- スタッフの手配やスケジュール調整が必要
成果の不確実性
- 成果が出展担当者のスキルやブースの企画力に左右される
- 費用対効果の測定が難しく、適切なKPI設計が必要
展示会出展が向いている企業・向いていない企業
展示会出展の効果を最大化するためには、自社の状況や商材特性を踏まえた判断が必要です。
| 向いている企業 | 向いていない企業 |
|---|---|
| 高単価・高粗利の商材を扱う企業 | 極端に低単価な商材を扱う企業 |
| 対面での説明やデモが効果的な製品・サービス | 説明不要なコモディティ商材 |
| 業界内での認知度を高めたい企業 | ターゲット顧客が展示会に来場しない業界 |
| 営業チームのリソースが確保できる企業 | フォロー体制が整っていない企業 |
展示会出展を成功させる7つのポイント
①明確な目的と目標設定
展示会出展を成功させるための第一歩は、明確な目的と数値目標の設定です。出展することのみで満足してしまっては成果につながりません。
目的設定の際は、以下のような項目を具体化します。
- 主目的は何か(リード獲得、認知向上、既存顧客フォローなど)
- 獲得したい名刺数・リード数
- 期待する商談化数・案件化数
- ブースへの来場者数
目標設定の例を挙げると、以下のようになります。
| 指標 | 目標値 | 算出根拠 |
|---|---|---|
| 名刺獲得数 | 300枚 | 会期3日間×1日あたり100枚 |
| 有効リード数 | 100件 | 名刺獲得数の約30%を想定 |
| 商談化数 | 20件 | 有効リードの20%が商談化 |
| 受注目標 | 5件 | 商談の25%が受注 |
このように目標から逆算して計画を立てることで、必要なブースの規模、スタッフ人数、事前集客の施策などが明確になります。
②ターゲットを意識したブース企画・装飾
来場者の足を止め、興味を持ってもらうためには、ブースの企画とデザインが重要です。装飾に費用をかければ良いというものではなく、ターゲットに刺さるコンセプトとメッセージが不可欠です。
ブース企画のポイント
- 3秒で伝わるキャッチコピーを用意する
- 来場者の課題に寄り添ったメッセージを打ち出す
- 製品デモやノベルティなど、足を止める仕掛けを用意する
- パネルや展示物の配置は、来場者の動線を意識する
ブース位置(小間の場所)の選び方
展示会では、ブースの位置によって来場者の流入に差が出ます。以下のポイントを考慮して小間を選定しましょう。
- 主要な通路に面した位置は来場者の目に留まりやすい
- 入口付近や会場中央は人の流れが多い
- 角地(コーナー)は2方向からのアプローチが可能
- 競合他社との位置関係も考慮する
③事前集客の徹底
展示会の成果は「事前準備」で8割決まるといっても過言ではありません。主催社の集客だけに頼らず、自社でも積極的に事前集客を行うことが重要です。
事前集客の主な施策
| 施策 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 既存顧客への招待 | 招待状・招待メールの送付 | 会期の1ヶ月前から案内を開始 |
| 見込み顧客への告知 | メルマガ、MAツールでのメール配信 | 展示会限定の特典を用意 |
| SNSでのプロモーション | X(旧Twitter)、LinkedInでの告知 | ブースの見どころを事前に紹介 |
| Webサイトでの案内 | 自社サイトにバナーや特設ページを設置 | 来場予約フォームを用意 |
| 営業担当からの個別案内 | 担当顧客への電話・メールでの案内 | 具体的なメリットを伝える |
④当日のオペレーション設計
当日の運営がスムーズに進むかどうかで、来場者への対応品質が大きく変わります。事前にオペレーションを設計し、スタッフ全員に共有しておくことが大切です。
当日のオペレーションで決めておくべきこと
- スタッフの役割分担(声かけ担当、説明担当、名刺受付担当など)
- シフト管理(休憩時間、ローテーション)
- 来場者への声かけトーク(最初の一言を統一)
- ヒアリング項目(課題、検討状況、予算、導入時期など)
- 名刺獲得からデータ化までの流れ
- 緊急時の対応(機材トラブル、体調不良など)
⑤効率的な名刺・リード情報の管理
展示会で獲得した名刺をどのように管理するかは、成果を左右する重要なポイントです。紙の名刺を会期後に手入力していては、フォローが遅れて商談化の機会を逃してしまいます。
名刺管理のポイント
- その場でデータ化できるツールを活用する
- 名刺だけでなく、会話内容やアンケート回答も紐づけて記録する
- リードの優先度(ホット・ウォーム・コールド)を判定できる仕組みを用意する
- MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)との連携を設計しておく
展示会で獲得した名刺をリアルタイムでデータ化し、MAやSFAに連携することで、競合よりも早くフォローアップを開始できます。名刺管理の効率化は、展示会の成果を最大化するうえで欠かせない要素です。
📥 展示会での名刺管理について詳しく知りたい方へ
展示会で獲得した名刺を効率的に管理し、商談化につなげる方法を詳しく解説した記事もご用意しています。
👉️展示会での名刺獲得数を最大化する方法|事前準備とブース運営当日の効率化が肝

⑥会期後の迅速なフォローアップ
展示会の成果は、会期後のフォローアップで決まります。せっかく獲得したリードも、フォローが遅れれば競合に先を越され、商談化の機会を逃してしまいます。
フォローアップのスケジュール目安
| タイミング | アクション | ポイント |
|---|---|---|
| 当日〜翌日 | お礼メールの送付 | 印象が鮮明なうちにコンタクト |
| 1週間以内 | ホットリードへの電話フォロー | 商談アポイントの獲得 |
| 2週間以内 | ウォームリードへのメール配信 | 追加情報や事例資料を送付 |
| 1ヶ月以内 | コールドリードへのナーチャリング | メルマガ登録、ウェビナー案内など |
フォローアップのポイントは、リードの優先度に応じてアプローチ方法を変えることです。展示会でのヒアリング内容をもとに、「課題が明確で導入時期が近いホットリード」には営業が直接電話でアプローチし、「情報収集段階のコールドリード」にはメールでのナーチャリングを行うなど、適切な対応を設計しましょう。
また、展示会で獲得したリードを自社のウェビナーに誘導し、継続的な接点を作る施策も効果的です。
⑦振り返りと次回への改善
展示会が終わったら、必ず振り返りを行い、次回への改善点を整理しましょう。振り返りなしに出展を繰り返しても、成果は向上しません。
振り返りのチェック項目
- 目標達成率(名刺獲得数、商談化数など)
- 費用対効果(ROI)の算出
- うまくいったこと・課題だったことの洗い出し
- スタッフからのフィードバック収集
- 次回に向けた改善アクションの決定
費用対効果の算出には、展示会にかかった総費用と、展示会経由で獲得した商談・受注の売上を比較します。短期的な成果だけでなく、中長期的なリードナーチャリングの成果も含めて評価することが大切です。
📥 展示会のROI(費用対効果)を正しく測定したい方へ
展示会の投資対効果を測定する方法を詳しく解説した記事もご用意しています。
👉️展示会の成果指標は?ブース出展の費用対効果の計算・費用内訳とKPI設計

展示会出展の費用相場と予算の考え方
展示会出展にかかる主な費用項目
展示会出展には、出展料以外にもさまざまな費用がかかります。予算を策定する際は、以下の項目を漏れなく把握しておくことが重要です。
| 費用項目 | 内容 | 相場目安 |
|---|---|---|
| 出展料(小間代) | 展示会への出展申込み費用 | 1小間あたり20万〜50万円程度 |
| ブース装飾・施工費 | ブースのデザイン・設営・撤去費用 | 1小間あたり30万〜100万円程度 |
| 配布物制作費 | チラシ、パンフレット、カタログなど | 10万〜50万円程度 |
| ノベルティ制作費 | 来場者への配布用ノベルティ | 5万〜30万円程度 |
| 人件費 | スタッフの派遣、アルバイト手配 | 1人1日1万〜3万円程度 |
| 交通費・宿泊費 | スタッフの移動・宿泊費用 | 出張規模による |
| 電気工事・備品レンタル | 電源工事、什器・モニターなど | 数万〜10万円程度 |
費用対効果を高めるための工夫
展示会出展のコストを抑えつつ、効果を最大化するための工夫を紹介します。
補助金・助成金の活用
中小企業向けには、展示会出展を支援する補助金や助成金制度があります。国の「小規模事業者持続化補助金」や、各自治体の販路開拓支援制度など、活用できる制度がないか事前にチェックしましょう。
補助金の申請には、事業計画書の作成や申請書類の提出が必要です。交付決定までに時間がかかるため、出展を検討し始めた段階で情報収集を始めることをおすすめします。
装飾コストを抑えるポイント
- システムブース(パッケージブース)を活用する
- 過度な装飾を避け、メッセージ訴求に集中する
- 複数回の出展を前提に、再利用可能なパネルや什器を制作する
リード獲得単価で考える費用対効果
費用対効果を評価する際は、「リード獲得単価」で考えると分かりやすくなります。例えば、総費用200万円で200枚の名刺を獲得した場合、リード獲得単価は1万円です。このコストが、他のマーケティング施策と比較して妥当かどうかを検討しましょう。
展示会出展の準備スケジュール|いつ何をすべきか
出展3ヶ月前までにやること
展示会出展の準備は、遅くとも3ヶ月前から開始することをおすすめします。この段階では、出展の意思決定と計画策定が主なタスクです。
主なタスク
- 出展する展示会の選定・申込み
- 出展の目的と目標の設定
- 社内承認の取得(企画書の作成)
- 予算の策定
- ブースの位置(小間)の決定
- 全体スケジュールの作成
出展1ヶ月前までにやること
出展1ヶ月前は、準備の山場です。ブースのデザイン決定から配布物の制作、事前集客の実施まで、多くのタスクが集中します。
主なタスク
- ブースデザイン・コンセプトの決定
- 装飾・施工業者への発注
- 配布資料(チラシ、カタログなど)の制作
- ノベルティの手配
- 事前集客施策の実施(招待状送付、メール配信、SNS告知など)
- 当日のオペレーションマニュアル作成
- スタッフのシフト決定
出展1週間前〜当日
出展直前は、最終確認と準備の仕上げを行います。
主なタスク
- オペレーションマニュアルの最終確認
- スタッフへのブリーフィング(目標共有、役割確認、トーク練習)
- 名刺管理・リード管理ツールの準備とテスト
- 搬入スケジュールの確認
- 備品・配布物の最終チェック
会期終了後
会期が終わったら、すぐにフォローアップと振り返りを実施します。
主なタスク
- お礼メールの送付(当日〜翌日)
- リードへのフォローアップ(電話、メール)
- 実績の集計(名刺獲得数、商談化数など)
- 費用対効果の算出
- 振り返りミーティングの実施
- 次回出展に向けた改善点の整理
まとめ:展示会出展を次のアクションにつなげるために
展示会出展は、BtoB企業にとって依然として有効なマーケティング施策です。対面での信頼構築、ターゲット層への効率的なアプローチ、製品デモを通じた理解促進など、他の施策では得られないメリットがあります。
ただし、成果を出すためには「なんとなく出展する」のではなく、明確な目的と目標を設定し、事前準備から当日運営、事後フォローまでを一貫して設計することが不可欠です。
本記事のポイントを改めて整理します。
- 展示会出展の目的を明確にする(リード獲得、認知向上、既存顧客フォローなど)
- 数値目標を設定し、逆算して計画を立てる
- 事前集客を徹底し、主催社の集客だけに頼らない
- 当日のオペレーションを事前に設計し、スタッフに共有する
- 名刺獲得からデータ化、フォローアップまでの流れを効率化する
- 会期後は迅速にフォローアップを行い、商談化につなげる
- 振り返りを行い、次回への改善につなげる
展示会出展を検討している方、これまでの出展成果を改善したい方は、まず自社の目的と課題を整理し、出展戦略を設計することから始めてみてください。
📥 展示会以外のイベントマーケティング施策も検討したい方へ
ウェビナーやカンファレンスなど、イベントマーケティング全体の戦略について解説した記事もご用意しています。
👉️イベントマーケティングとは?手法・メリット・事例・Webの活用も徹底解説

📥 社内稟議用の企画書を作成したい方へ
展示会出展の企画書の書き方と、上司・経営層への説明のコツを解説しています。

よくあるご質問
質問:展示会出展にはどのくらいの費用がかかりますか?
回答:展示会出展の費用は、出展する展示会の規模やブースの大きさによって大きく異なります。一般的な目安として、出展料(小間代)が1小間あたり20万〜50万円程度、ブース装飾・施工費が1小間あたり30万〜100万円程度です。これに加えて、配布物制作費、ノベルティ費、人件費、交通費などが発生します。1小間の出展であれば総額100万〜200万円程度、2〜3小間の場合は200万〜400万円程度を見込んでおくとよいでしょう。中小企業向けの補助金・助成金を活用できる場合もありますので、事前に確認することをおすすめします。
質問:展示会出展の準備はいつから始めるべきですか?
回答:展示会出展の準備は、遅くとも出展の3ヶ月前から開始することをおすすめします。人気の展示会は出展申込みの締切が早いため、出展を検討し始めたら早めに情報収集を行いましょう。3ヶ月前までに出展の意思決定と企画書作成・社内承認、1ヶ月前までにブースデザインの決定や配布物の制作、事前集客の実施を行い、1週間前からは最終確認とスタッフへのブリーフィングを行うのが一般的なスケジュールです。
質問:展示会で獲得した名刺のフォローアップはいつまでに行うべきですか?
回答:展示会で獲得した名刺へのフォローアップは、できるだけ早く行うことが重要です。理想的には、会期当日〜翌日中にお礼メールを送付し、1週間以内に優先度の高いリード(ホットリード)への電話フォローを行いましょう。来場者の記憶が鮮明なうちにコンタクトすることで、商談化の確率が高まります。フォローが遅れると、競合他社に先を越されたり、来場者の関心が薄れたりするリスクがあります。
質問:展示会出展の効果はどのように測定すればよいですか?
回答:展示会出展の効果測定は、事前に設定したKPIに基づいて行います。代表的な指標としては、名刺獲得数、有効リード数、商談化数、受注数、売上金額などがあります。費用対効果(ROI)を算出する場合は、展示会にかかった総費用と、展示会経由で獲得した商談・受注の売上を比較します。ただし、展示会の効果は短期的な受注だけでなく、中長期的なリードナーチャリングの成果も含めて評価することが大切です。
質問:小規模な企業でも展示会出展は効果がありますか?
回答:小規模な企業でも、展示会出展は十分に効果が期待できます。むしろ、普段のマーケティング活動では接点を作りにくい大企業の担当者と直接話せる機会として、展示会は貴重なチャネルとなります。ただし、限られた予算とリソースで成果を出すためには、出展する展示会の選定(自社のターゲットが来場する展示会か)、明確な目的設定、事前集客の徹底、会期後のフォローアップ体制の整備が重要です。また、中小企業向けの補助金・助成金を活用することで、費用負担を軽減できる場合もあります。
こちらの記事の監修・執筆者
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株式会社EventHub マーケティングマネージャー 鈴木 優一 |
| 2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。 |
