オンデマンド配信とは?ライブ配信との違い・やり方・BtoBでの活用法
NetflixやYouTubeなどの動画配信サービスの普及により、私たちの日常生活でも「オンデマンド配信」は身近な存在となりました。そして今、BtoB企業のマーケティング領域でも、ウェビナーのアーカイブ配信や製品デモ動画など、オンデマンド配信の活用が急速に広がっています。しかし、「ライブ配信とどう違うのか」「自社でどう活用すればいいのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オンデマンド配信の意味や仕組みから、ライブ配信・疑似ライブ配信との違い、BtoB企業での具体的な活用シーン、始め方の手順までを網羅的に解説します。動画配信を自社のマーケティングに取り入れたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
オンデマンド配信とは?意味と基本の仕組みを解説
オンデマンド配信とは、事前に制作・録画した動画コンテンツを、視聴者が好きなタイミングでいつでも視聴できるようにする配信方式です。「On-demand(要求に応じて)」という言葉が示すとおり、視聴者の都合に合わせて動画を届けられる点が最大の特徴となっています。
オンデマンド(On-demand)の意味
「オンデマンド」は英語の「On-demand」に由来し、「要求に応じて」「必要なときに」という意味を持ちます。つまり、ユーザーが「見たい」と思ったときに、いつでもコンテンツにアクセスできる仕組みを指します。
この概念は動画配信だけでなく、印刷(オンデマンド印刷)やサービス提供など、さまざまなビジネス領域で活用されています。いずれも共通するのは、「供給者側のタイミング」ではなく「利用者側の都合」に合わせてサービスを提供するという点です。
オンデマンド配信の仕組み|動画をアップロードして視聴者に届けるまで
オンデマンド配信の基本的な仕組みは、以下の流れで成り立っています。
- 動画の制作・収録:配信するコンテンツを事前に撮影・編集する
- サーバーへのアップロード:完成した動画ファイルを配信用のサーバーにアップロードする
- 公開設定:視聴できるユーザーの範囲やURL、視聴期間などを設定する
- 視聴者のアクセス:視聴者がURLにアクセスし、好きなタイミングで動画を再生する
ライブ配信が「リアルタイムで映像を送信する」のに対し、オンデマンド配信は「保存された動画データを視聴者の要求に応じて配信する」という点が根本的な違いです。
この仕組みにより、視聴者は時間や場所を選ばず、自分のペースでコンテンツを視聴できます。一時停止や巻き戻し、倍速再生なども自由に行えるため、学習コンテンツやセミナーの録画配信との相性が非常に良いのが特徴です。
身近なオンデマンド配信の事例(YouTube、eラーニング、見逃し配信など)
オンデマンド配信は、私たちの日常でも多く活用されています。代表的な事例を見てみましょう。
| サービス種別 | 具体例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 動画配信サービス | Netflix、Amazon Prime Video、Hulu | 映画・ドラマを好きな時間に視聴 |
| 動画共有プラットフォーム | YouTube、Vimeo | 誰でも動画をアップロード・視聴可能 |
| テレビの見逃し配信 | TVer | 放送後の番組をオンデマンドで視聴 |
| eラーニング | Udemy、Schoo、 社内研修システム |
教育コンテンツを自分のペースで学習 |
| BtoBウェビナー | 各社のアーカイブ配信 | セミナー録画を後から視聴可能 |
このように、オンデマンド配信はエンターテインメントから教育、ビジネスまで幅広い用途で活用されています。BtoB企業においても、ウェビナーのアーカイブ配信や製品説明動画など、マーケティング・営業活動での導入が進んでいます。
オンデマンド配信・ライブ配信・疑似ライブ配信の違いを比較
オンデマンド配信・ライブ配信・疑似ライブ配信は、それぞれリアルタイム性と運用負荷が異なります。ライブ配信は臨場感が強み、オンデマンド配信は視聴者の利便性が強み、疑似ライブ配信は両者のメリットを併せ持ちます。目的に応じて使い分けることが、動画配信の成果を高めるポイントです。
3つの動画配信方式の比較表
それぞれの配信方式の特徴を比較表で整理します。
| 比較項目 | ライブ配信 | 疑似ライブ配信 | オンデマンド配信 |
|---|---|---|---|
| リアルタイム性 | ◎ 完全にリアルタイム | △ 録画だがライブ風に配信 | × 録画を随時視聴 |
| 双方向コミュニケーション | ◎ チャット・Q&A対応可 | ○ チャットのみ対応可 (チャットも対応しないケースもあり) |
× 基本的に不可 |
| 編集・修正 | × 不可(本番一発勝負) | ○ 事前編集可能 | ◎ 何度でも編集可能 |
| 視聴タイミング | 配信時刻に限定 | 配信時刻に限定 | 視聴者の都合で自由 |
| 配信トラブルリスク | 高い | 低い | 低い |
| 運用負荷 | 高い | 低い | 低い |
| 臨場感・緊張感 | ◎ 高い | ○ ある程度演出可能 | △ 低い |
アーカイブ配信との違い
「オンデマンド配信」と「アーカイブ配信」は混同されやすい用語ですが、厳密には異なる意味を持ちます。
アーカイブ配信は、ライブ配信を録画して後から公開する形式を指します。つまり、「もともとライブで行われたイベントの録画」という位置づけです。
一方、オンデマンド配信は、最初から録画・編集を前提として制作されたコンテンツの配信を含む、より広い概念です。アーカイブ配信はオンデマンド配信の一形態と捉えることができます。
BtoBのウェビナー運営においては、「ライブ配信 → 録画をアーカイブとしてオンデマンド配信」という流れが一般的です。
それぞれの配信方式が向いているシーン
配信方式は目的や状況に応じて選択することが重要です。以下に、それぞれの方式が向いているシーンを整理します。
ライブ配信が向いているシーン
- 参加者とのリアルタイムなコミュニケーションが必要な場合
- 最新情報や速報性のある内容を届けたい場合
- 臨場感や一体感を演出したいイベント
疑似ライブ配信が向いているシーン
- ライブ感を出しつつ、配信トラブルを避けたい場合
- 登壇者の負荷を軽減しながら定期開催したい場合
- 事前に動画のクオリティを確認・調整したい場合
オンデマンド配信が向いているシーン
- 視聴者が自分のペースで学習・視聴したい内容
- 繰り返し視聴されることを前提とした教育・研修コンテンツ
- 当日参加できなかった申込者へのフォロー
📥 関連記事
配信形式の詳しい比較やウェビナー録画の具体的な方法について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

オンデマンド配信のメリット|自社の動画活用で得られる効果
オンデマンド配信の最大のメリットは、視聴者が時間や場所を選ばずにコンテンツを視聴できる点です。主催社にとっても、動画を繰り返し活用でき、編集による品質向上や配信トラブルの回避といった効果も得られます。ここでは、具体的なメリットを詳しく解説します。
視聴者が好きなタイミングで視聴できる
オンデマンド配信の最大の強みは、視聴者の都合に合わせた柔軟な視聴体験を提供できることです。
BtoBのウェビナーでは、開催日時に予定が合わず参加できない見込み顧客が一定数存在します。一般的に、ウェビナーの申込者のうち約30〜40%は当日参加できないというデータもあります。オンデマンド配信を用意することで、これらの「参加できなかった申込者」にもコンテンツを届け、リード獲得の機会損失を防ぐことができます。
また、視聴者は一時停止や巻き戻し、倍速再生といった操作も自由に行えるため、自分のペースで内容を理解しながら視聴できます。忙しいビジネスパーソンにとって、隙間時間を活用できる点は大きな魅力です。
撮り直し・編集で動画の質を高められる
ライブ配信では、本番中のミスや言い間違いをその場で修正することはできません。一方、オンデマンド配信用の動画は事前に収録・編集するため、納得のいくクオリティに仕上げてから公開できます。
具体的には、以下のような編集が可能です。
- 言い間違いや不要な部分のカット
- テロップや図解の追加
- BGMや効果音の挿入
- 複数テイクから最良の映像を選択
特に製品デモや技術解説など、正確性が求められるコンテンツでは、編集による品質向上が視聴者の信頼獲得につながります。
コンテンツ資産として繰り返し活用できる
一度制作したオンデマンド動画は、長期間にわたって繰り返し活用できる「コンテンツ資産」となります。
例えば、製品の基本的な使い方を解説した動画は、新規リードへの説明資料として何度でも活用できます。営業担当者が毎回同じ説明を行う必要がなくなり、営業活動の効率化にもつながります。
また、社内研修や新入社員教育においても、オンデマンド動画は効果的です。講師の負荷を軽減しながら、社員は自分のペースで学習を進められます。
配信トラブルのリスクが低い
ライブ配信では、通信環境の不具合やシステムトラブルにより、配信が中断するリスクが常に存在します。特に大規模なウェビナーやカンファレンスでは、トラブルによる影響が大きくなります。
オンデマンド配信では、事前にサーバーへアップロードした動画を配信するため、このようなリアルタイムのトラブルリスクを大幅に軽減できます。視聴者のアクセス環境に左右される部分はあるものの、配信側の問題で視聴できないという事態は避けやすくなります。
視聴データを取得してマーケティングに活かせる
BtoB企業にとって特に重要なメリットが、詳細な視聴データを取得できる点です。適切な動画配信プラットフォームを選べば、以下のようなデータを取得できます。
- 視聴者数:どれだけの人が視聴したか
- 視聴完了率:最後まで視聴した人の割合
- 離脱ポイント:どの部分で視聴をやめたか
- 視聴者属性:どのような企業・役職の人が見ているか
- その後のアクション:資料ダウンロード、問い合わせなどへの遷移
これらのデータは、リードの温度感を把握し、優先的にフォローすべき見込み顧客を特定するために活用できます。例えば、「動画を最後まで視聴し、製品紹介パートを繰り返し見た視聴者」は、購買意欲が高いHOTリードである可能性が高いと判断できます。
オンデマンド配信のデメリットと対策
オンデマンド配信のデメリットは、リアルタイムの双方向コミュニケーションが取れない点と、視聴を後回しにされやすい点です。ただし、フォームでの質問受付やリマインドメールの設計など、運用の工夫で十分にカバーできます。ここでは、主なデメリットとその対策を解説します。
リアルタイムのコミュニケーションが取れない
オンデマンド配信では、ライブ配信のようにチャットやQ&Aでリアルタイムにやり取りすることができません。視聴者からの質問にその場で回答したり、反応を見ながら説明を調整したりすることが難しいのが課題です。
対策
- 動画内で想定される質問への回答をあらかじめ盛り込む
- 視聴ページに問い合わせフォームを設置し、質問を受け付ける
- 視聴後のフォローメールで個別対応の窓口を案内する
- 定期的にライブQ&Aセッションを開催し、オンデマンド視聴者の質問に答える機会を設ける
視聴率のコントロールが難しい
「いつでも見られる」という利便性は、裏を返せば「いつでも見られるから後回しにしよう」という心理を生みやすいというデメリットもあります。結果として、申込者の多くが視聴しないまま終わってしまうケースも少なくありません。
対策
- 視聴期限を設定し、「〇月〇日まで限定公開」と明示する
- リマインドメールを複数回配信し、視聴を促す
- 視聴特典(資料ダウンロード、割引など)を用意する
- 視聴完了者限定のフォローアップイベントを案内する
動画制作・編集の工数がかかる
オンデマンド配信用の動画を一から制作する場合、企画・撮影・編集に相応の工数とコストがかかります。社内にノウハウがない場合、外部への委託費用も発生します。
対策
- ライブ配信したウェビナーの録画をアーカイブとして活用する(追加制作不要)
- 最初から完璧を目指さず、まずはシンプルな動画から始める
- テンプレートを活用して制作工数を削減する
- 一度作った動画をパーツとして再利用する
特にBtoBウェビナーでは、ライブ配信の録画をそのままオンデマンド配信として活用するケースが多く、追加の制作工数をかけずに実施できるのが一般的です。
BtoB企業におけるオンデマンド配信の活用シーン
BtoB企業では、ウェビナーのアーカイブ配信、製品デモ動画、社内研修コンテンツなど、多様なシーンでオンデマンド配信が活用されています。特にウェビナーのアーカイブ配信は、当日参加できなかった見込み顧客へのリーチを拡大し、リード獲得を最大化する効果的な方法です。
ウェビナーのアーカイブ配信(リード獲得の最大化)
BtoB企業におけるオンデマンド配信の代表的な活用シーンが、ウェビナーのアーカイブ配信です。
ライブ配信で実施したウェビナーを録画し、申込者全員にアーカイブとして公開することで、当日参加できなかった方にもコンテンツを届けられます。また、ウェビナー開催後も継続的に申込みを受け付け、新規リードの獲得チャネルとして活用することも可能です。
アーカイブ配信を効果的に活用するポイントは以下のとおりです。
- 申込者全員(参加・不参加問わず)にアーカイブURLを案内する
- ウェビナー終了後も申込みフォームを公開し、新規リードを獲得する
- 視聴データを取得し、HOTリードを営業にパスする
- 関連するウェビナーのアーカイブをシリーズ化して提供する
📥 関連記事
ウェビナーを活用したマーケティング戦略の全体像を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

製品デモ・サービス紹介動画
自社の製品やサービスの特徴を解説するデモ動画も、オンデマンド配信の有効な活用シーンです。
営業担当者が毎回同じ説明を行う代わりに、製品の基本的な機能や使い方を動画で用意しておくことで、説明の品質を均一化しながら営業活動を効率化できます。見込み顧客は事前に動画を視聴してから商談に臨むことで、より具体的な質問や相談ができるようになります。
製品デモ動画の活用例
- Webサイトへの掲載(製品ページ、LPなど)
- メールマーケティングでの配信
- 商談前の事前資料として案内
- 展示会ブースでのループ再生
社内研修・教育コンテンツ
オンデマンド配信は、社内の研修や教育にも効果的です。新入社員研修、製品知識のトレーニング、コンプライアンス教育など、繰り返し実施される研修をオンデマンド化することで、講師の負荷を軽減しながら、社員は自分のペースで学習を進められます。
社内研修でのオンデマンド活用のメリット
- 講師の時間的拘束を削減
- 社員が業務の隙間時間に学習可能
- 理解度に応じて繰り返し視聴できる
- 拠点が分散していても同じ品質の研修を提供
展示会・カンファレンスの録画コンテンツ
自社で開催したカンファレンスや、登壇した展示会セミナーの録画をオンデマンドで公開することも有効な活用方法です。
イベント当日に参加できなかった方へのフォローとして活用できるほか、イベント後も継続的にリードを獲得するコンテンツとして機能します。特に大規模カンファレンスでは複数のセッションが同時並行で行われることも多く、参加者が見逃したセッションをオンデマンドで視聴できる仕組みは、参加者体験の向上にもつながります。
オンデマンド配信のやり方|始め方5ステップ
オンデマンド配信を始めるには、①目的設定、②動画制作、③プラットフォーム選定、④アップロード・公開設定、⑤データ分析の5ステップで進めます。特にBtoBでは「誰が・どこまで視聴したか」のデータ取得を前提にプラットフォームを選ぶことが成果につながります。
Step1:配信目的とターゲットの設定
オンデマンド配信を始める前に、まず「何のために配信するのか」「誰に届けたいのか」を明確にしましょう。目的が曖昧なまま動画を制作しても、期待する効果は得られません。
BtoBにおける主な配信目的の例
- リード獲得:新規見込み顧客の情報を取得したい
- リードナーチャリング:既存リードの購買意欲を高めたい
- 営業支援:商談前の情報提供や製品理解を促進したい
- カスタマーサクセス:既存顧客の活用促進やサポート負荷を軽減したい
- 社内教育:社員のスキルアップや知識習得を支援したい
目的に応じて、KPI(重要業績評価指標)も設定しておきましょう。リード獲得が目的であれば「フォーム送信数」、ナーチャリングが目的であれば「視聴完了率」や「次のアクションへの遷移率」などが指標となります。
📥 関連記事
ウェビナーのKPI設計について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ウェビナーのKPI設計方法と可視化:集客・参加・商談を数値でつなぐ設計

Step2:動画コンテンツの企画・制作
目的とターゲットが決まったら、動画コンテンツの企画・制作に入ります。
一から制作する場合
新規で動画を制作する場合は、以下の流れで進めます。
- 構成・台本の作成
- 撮影(または画面収録)
- 編集・テロップ挿入
- 確認・修正
- 最終データの書き出し
撮影機材は、最初から高価なものを揃える必要はありません。スマートフォンやWebカメラでも、照明と音声に気を配れば十分なクオリティの動画を制作できます。
ライブ配信の録画を活用する場合
最も効率的な方法は、ライブ配信したウェビナーの録画をそのままオンデマンド配信として活用することです。追加の制作工数をかけずに、すぐにオンデマンドコンテンツを用意できます。
必要に応じて、以下の編集を加えると視聴体験が向上します。
- 冒頭の待機時間や雑談部分のカット
- 音声が途切れた部分の修正
- 重要ポイントへのテロップ追加
📥 関連記事
ウェビナー開催の準備や企画について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ウェビナー開催の準備マニュアル|初めてでも安心のToDoリストあり

Step3:動画配信プラットフォームの選定
オンデマンド配信を行うには、動画を配信するためのプラットフォームが必要です。選定のポイントは、配信目的とターゲットに応じて異なります(詳細は次章で解説します)。
主な選択肢
- 無料プラットフォーム:YouTube、Vimeo(無料プラン)
- ウェビナーツールのオンデマンド機能:EventHubなど、申込み〜配信〜データ取得を一元管理できるツール
BtoBでリード獲得を目的とする場合は、「視聴者データの取得」「MA/SFAツール連携」「限定公開設定」ができるプラットフォームを選ぶことが重要です。
Step4:動画のアップロードと公開設定
プラットフォームを選定したら、動画をアップロードし、公開設定を行います。
公開設定で検討すべきポイント
| 設定項目 | 検討内容 |
|---|---|
| 公開範囲 | 全体公開 / 限定公開(URLを知っている人のみ) / フォーム通過後に視聴可能 |
| 視聴期限 | 無期限 / 期間限定(〇月〇日まで) |
| 視聴前のフォーム | 氏名・メールアドレス・会社名などの入力を求めるか |
| 視聴ページのデザイン | 自社ブランドに合わせたカスタマイズ |
| 関連コンテンツの案内 | 他の動画や資料ダウンロードへの誘導 |
BtoBでリード獲得を目的とする場合は、「フォーム通過後に視聴可能」とする設定が一般的です。ただし、フォームの項目数が多すぎると離脱率が高まるため、必要最小限の項目に絞ることが重要です。
Step5:視聴データの分析と改善
オンデマンド配信は、公開して終わりではありません。視聴データを分析し、次のアクションにつなげることで、配信の効果を最大化できます。
分析すべき主なデータ
- 視聴者数:どれだけの人が視聴したか
- 視聴完了率:最後まで視聴した人の割合
- 離脱ポイント:どの部分で視聴をやめたか
- 視聴者属性:どのような企業・役職の人が見ているか
- その後のアクション:資料ダウンロード、問い合わせなどへの遷移
これらのデータをもとに、以下のような改善アクションを検討します。
- 離脱が多いポイントのコンテンツを改善する
- 視聴完了率の高い視聴者を優先的にフォローする
- 視聴者の関心が高いテーマで次のコンテンツを企画する
オンデマンド配信プラットフォームの選び方
動画配信プラットフォームは、YouTubeから法人向けの専用システムまで多様です。BtoB企業がオンデマンド配信で成果を出すには、「視聴者データの取得」「MA/SFAツール連携」「限定公開設定」の3点を重視して選ぶことが重要です。
法人向けプラットフォームの選定基準
BtoB企業のマーケティング目的でオンデマンド配信を行う場合、法人向けの有料プラットフォームを検討することをおすすめします。
選定時にチェックすべきポイント
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 視聴者データの取得 | 誰が・いつ・どこまで視聴したかを取得できるか |
| フォーム連携 | 視聴前に申込みフォームを設置できるか |
| MA/SFA連携 | Salesforce、HubSpotなどと連携できるか |
| 限定公開設定 | URLを知っている人のみ、パスワード保護などの設定が可能か |
| ブランディング | 自社ロゴやデザインでカスタマイズできるか |
| セキュリティ | 動画のダウンロード防止、アクセス制限などの機能があるか |
| サポート体制 | 導入・運用時のサポートが充実しているか |
ウェビナーツールのオンデマンド機能を活用する方法
BtoBウェビナーを定期的に開催している企業には、ウェビナーツールに搭載されたオンデマンド機能を活用する方法がおすすめです。
ウェビナーツールのオンデマンド機能を使うメリット
- 申込み〜配信〜データ取得を一元管理:別途システムを導入する必要がない
- ライブ配信の録画をそのままアーカイブ化:追加工数なしでオンデマンド公開できる
- 参加者データと視聴データを統合管理:ライブ参加者とオンデマンド視聴者を一括で把握
- MA/SFA連携がスムーズ:視聴データを自動で顧客管理システムに反映
📥 関連記事
ウェビナーツールの選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
自社に最適なウェビナーツールは?選び方と配信活用法まで完全ガイド

自社に最適な動画配信システムを選ぶポイント
プラットフォーム選びで迷った場合は、以下の観点で自社の状況を整理してみましょう。
無料プラットフォームが向いているケース
- まずは低コストで始めたい
- 認知拡大が主目的で、リード情報の取得は必須ではない
- 社内向けの共有など、限定的な用途
法人向けプラットフォームが向いているケース
- 視聴者データを取得してマーケティングに活用したい
- MA/SFAツールと連携してフォローを自動化したい
- セキュリティやブランディングにこだわりたい
ウェビナーツールのオンデマンド機能が向いているケース
- 定期的にウェビナーを開催している
- ライブ配信とオンデマンド配信を組み合わせたい
- 申込み〜配信〜フォローまで一元管理したい
EventHub for Webinarのオンデマンド配信機能
EventHub for Webinarは、ウェビナーの開催からオンデマンド配信、参加者データの活用までを一つのプラットフォームで完結できるイベントマーケティングプラットフォームです。
オンデマンド配信における主な特徴
- 詳細な視聴ログの取得
「誰が・いつ・どこまで視聴したか」を詳細に把握できます。視聴完了率や視聴回数などのデータから、リードの温度感を判断できます。 - 申込み〜視聴〜フォローの一元管理
申込みフォーム、リマインドメール、動画配信、アンケート回収までを一つのシステムで管理。運営工数を大幅に削減できます。 - MA/SFAツールとのスムーズな連携
Salesforce、Marketo、HubSpotなどの主要ツールと連携しており、取得した視聴データを自動で顧客管理システムに反映できます。 - HOTリードの即時把握
視聴データとアンケート回答を組み合わせて、温度感の高いリードを即座に特定。インサイドセールスが優先的にアプローチできます。
まとめ:オンデマンド配信はBtoBマーケティングの重要な施策
本記事では、オンデマンド配信の基本的な意味から、ライブ配信との違い、BtoB企業での活用シーン、始め方の手順、効果を最大化するコツまでを解説しました。
オンデマンド配信のポイント
- オンデマンド配信
事前に制作した動画を視聴者が好きなタイミングで視聴できる配信方式 - ライブ配信との違い
リアルタイム性・双方向性・運用負荷など。目的に応じて使い分けることが - 主なメリット
視聴者の利便性向上、コンテンツ資産化、視聴データの取得など - BtoBでの活用シーン
ウェビナーアーカイブ、製品デモ、社内研修、イベント録画など多様 - 成果を最大化するコツ
視聴データの活用、適切なフォロー設計、ライブ配信との組み合わせ
BtoB企業のマーケティングにおいて、オンデマンド配信は「リード獲得の最大化」と「営業活動の効率化」を両立できる重要な施策です。特にウェビナーのアーカイブ配信は、追加の制作工数をかけずに始められるため、まだ取り組んでいない企業はぜひ検討してみてください。
オンデマンド配信で成果を出すには、視聴者データを取得し、そのデータをマーケティング・営業活動に活かす仕組みづくりが重要です。「誰が・どこまで視聴したか」がわかるプラットフォームを選び、視聴データをもとにした効果的なフォローを設計することで、オンデマンド配信の効果を最大限に引き出しましょう。
よくあるご質問
質問:オンデマンド配信とストリーミング配信の違いは何ですか?
回答:オンデマンド配信とストリーミング配信は、しばしば混同される用語ですが、厳密には異なる概念です。ストリーミング配信とは、動画データを端末にダウンロードせず、サーバーから逐次的にデータを受信しながら再生する技術的な仕組みを指します。一方、オンデマンド配信は「視聴者の要求に応じていつでも視聴できる」という配信形態を指します。多くのオンデマンド配信サービスはストリーミング技術を使用していますが、ストリーミング配信にはライブ配信も含まれます。つまり、オンデマンド配信は「いつでも見られる」という利用形態、ストリーミングは「データを逐次受信して再生する」という技術方式を表しています。
質問:オンデマンド配信に必要な機材や環境は何ですか?
回答:オンデマンド配信を始めるために必要な機材や環境は、目指すクオリティによって異なります。最低限必要なのは、動画を撮影するためのカメラ(スマートフォンやWebカメラでも可)、音声を収録するためのマイク、そして動画をアップロードするためのインターネット環境です。より高品質な動画を制作する場合は、照明機材、三脚、動画編集ソフトなども用意するとよいでしょう。ただし、ライブ配信したウェビナーの録画をそのままオンデマンド配信として活用する場合は、追加の機材を用意せずに始められます。まずは手持ちの機材で始めて、必要に応じてグレードアップしていくアプローチがおすすめです。
質問:オンデマンド配信の視聴期限は設定すべきですか?
回答:視聴期限を設定するかどうかは、配信の目的によって判断します。リード獲得やナーチャリングが目的の場合、視聴期限を設定することには明確なメリットがあります。「〇月〇日まで限定公開」と明示することで、視聴者に「早く見なければ」という心理が働き、視聴率の向上が期待できます。また、期限を区切ることで、その後のフォローアップのタイミングも明確になります。一方、製品マニュアルや社内研修コンテンツなど、長期間にわたって繰り返し視聴されることを想定したコンテンツは、視聴期限を設けない方が適切です。目的に応じて使い分けましょう。
質問:オンデマンド配信でリード獲得するには、視聴前にフォーム入力を必須にすべきですか?
回答:BtoBでリード獲得を目的とする場合、視聴前にフォーム入力を必須にすることが一般的です。フォームで氏名、メールアドレス、会社名などの情報を取得することで、視聴者をリードとして獲得し、その後のマーケティング・営業活動につなげられます。ただし、フォームの項目数が多すぎると離脱率が高まるため、必要最小限の項目に絞ることが重要です。また、コンテンツの認知拡大が主目的の場合は、フォームなしで広く公開する選択肢もあります。目的に応じて、フォーム必須にするかどうかを判断しましょう。
質問:オンデマンド配信の効果測定で見るべき指標は何ですか?
回答:オンデマンド配信の効果測定では、以下の指標を確認することをおすすめします。まず「視聴者数」で、どれだけの人にコンテンツが届いたかを把握します。次に「視聴完了率」で、最後まで視聴した人の割合を確認し、コンテンツの質や長さが適切かを判断します。「離脱ポイント」を分析すれば、どの部分で視聴をやめたかがわかり、コンテンツ改善のヒントが得られます。BtoBマーケティングでは、これらに加えて「その後のアクション」(資料ダウンロード、問い合わせ、商談化など)への遷移率も重要な指標です。視聴データと商談データを紐づけて分析することで、オンデマンド配信の投資対効果(ROI)を正確に把握できます。
こちらの記事の監修・執筆者
![]() |
株式会社EventHub マーケティングマネージャー 鈴木 優一 |
| 2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。 |
