認知拡大および信頼を得るためのブランディング戦略のひとつとしてオフラインカンファレンスを開催
会場の内装やノベルティ、メッセージの配置など細部までこだわることでキャディの想いを体現

主催社: キャディ株式会社

イベントタイプ: カンファレンス

開催形式: オフライン 業界: SaaS・ソフトウェア

開催形式 オフライン

業界 SaaS・ソフトウェア


「オフラインカンファレンス」検討時の課題

  • 歴史が長い製造業界で、設立7年のベンチャーが信頼を得るためにはミッションを体現した場が必要だと感じていた
  • 昨年度のオンラインカンファレンスの経験から「有名人の講演を聞くだけ」ではなく、キャディの思想や企画意図を理解いただく設計をすることでロイヤリティの向上につなげたいと考えていた

「EventHub」の効果

  • CSが常に先回りをした提案をしてくれることに絶大な安心感と信頼感があった
  • 誰がどの講演に参加したのか、詳細な参加履歴を残すことでき当日の人の流れが分析できた
  • オフラインカンファレンス当日の来場管理に加え、後日のアーカイブ配信の視聴分析も一気通貫でできた

「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに掲げ、製造業のお客様へのDX推進を推し進めているキャディ株式会社。会社がまだ設立7年目と新しいため、「サービスの認知度向上」に加え「会社の認知度向上、信頼感獲得」も重要課題。図面データ活用クラウドのCADDi Drawer( キャディ ドロワー )のサービス開始から約2年と日が浅いなか、ブランドマーケティングの責任者としてイベントやブランディングを担う渋谷麻里様に、自社のブランディングの方法や2024年2月末に開催した大型のオフラインイベント「モノづくり未来大会議」についてのお話を伺いました。

事業内容・現在のマーケティングについて

CADDi Drawerのブランディングのためのイベント企画

ーまずは御社の事業内容とマーケティングの課題についてお聞かせください


図面データ活用クラウド「CADDi Drawer」

弊社は「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業のお客様へのDX推進を支援している会社です。約2年前にCADDi Drawerという図面活用のソフトウェアの提供を開始しました。CADDi Drawerは図面活用のソフトウェアなので、製造業でも大量の図面を扱う会社がメインターゲットになります。

CADDi Drawerは、展示会で大きなブースを出展したり、メディアに取り上げて頂くことも多く、認知は徐々に広がってきていますが、課題が大きく二つあると考えています。一つはまだまだ接点を持てていない企業が数多くあること、そしてもう一つは設立7年目のベンチャーということもあり信頼の土台が完全にはできていない点です。

様々な発信の効果が複利で得られるよう、ブランドマーケティングの責任者としてブランドイメージや信頼感をしっかりと作ることが私自身の役割です。今期は、大小・オンライン・オフライン問わず様々なイベントの企画などを担当しています。

何より大切なことはキャディの理念やビジョンへの共感を得ること

ー 渋谷様がブランディングを行う際に大切にしていることを教えてください


ミッション「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」

製造業は、長い歴史がある会社が多く数十年、製造業に携わっている方々が経営層であることが大半です。そんななかで設立からまだ7年、CADDi Drawerのサービス開始から約2年の弊社は、ともすればそれだけで信頼を得られない可能性があります。だからこそ、まずは弊社の掲げる理念をしっかり知っていただくことが重要だと考えました。

何もしなければ信頼を得られませんが、知っていただけさえすれば、キャディにとっては大きな突破口になります。導入いただいた企業に導入理由を聞くと「キャディの理念やビジョンに共感したから」というお声が多いんです。弊社代表のメディアや講演での発信はもちろん、社員ひとりひとりの発信、ふるまいからも「熱狂的なまでのミッションへの向きあい方」を感じたとお話いただくこともあります。

導入の意思決定は経営層の方が行う場合が大半です。サービスの機能に対する理解や期待はもちろん必要ですが、「この会社に共感する」「この人たちと一緒にやることで何か変わるかも」という情緒的な部分での信頼や期待感も、とても重要です。製造業にとって図面というのは一番大切な財産なので、それを預けても大丈夫という信頼感と安心感は、弊社のミッションや理念をどこまで共感頂けるかが大きな鍵となるはず。それをドライブしていくために、ブランドマーケティングとして重視しています。

オフラインオンライン問わず様々なイベントを開催する理由

オープンイベントとクローズイベントを使い分けて最大限の相乗効果を

ー会社のミッションを伝えるために色々な手法の中からイベントを選んだ理由を教えてください。

私はイベントには2つの種類があると考えています。

1つ目は大規模なカンファレンスなどのオープンなイベントで、「製造業のDX化」など、大きな入口で広く信頼を得るために行うものです。大規模なカンファレンスは『広く知ってもらう』という意味で、メディアと同じ立ち位置だと考えており、ここが最初のキャディとの接点となり信頼をいただくことで、その後の接点のハードルを下げうるものになります。

2つ目はもっとターゲットを絞った、クローズドな小規模のイベントです。広告集客はせずに、お手紙をお送りしたり、直接電話でお誘いしたりして、例えば「関西の加工会社の役員層限定」といったような100人ぐらいのイベントを開催しています。

小規模イベントは参加者を限定することで、より深く共感いただく内容を伝えることを大切にしています。もちろん、同じような課題を抱える方々ですので、情報交換もしやすいコミュニティをつくる意味を込めて、定期的に開催をしています。


小規模イベントの懇親会の様子

オフラインカンファレンス「モノづくり未来大会議」を開催してみて

2023年までのオフライン・オンラインのイベントから多くの課題を見つけたことが初のオフラインカンファレンス開催成功のきっかけに

ー今回開催した「モノづくり未来大会議」について教えてください


オフラインカンファレンス「モノづくり未来大会議」

2024年2月28日にキャディ初のオフラインカンファレンスである「モノづくり未来大会議」を開催しました。これは「製造業の変革」を掲げ「モノづくり産業変革の第一歩を踏み出す」をテーマにしたカンファレンスです。

以前開催していたManufacturing DX Summit というオンラインカンファレンス(EventHub利用)では、スピーカーとして堀江隆文さんや落合陽一さんなどの著名人にご登壇いただきました。このような著名人を迎えるイベントを開催したことで、業界リーダーとしてのブランディングには寄与できたものの、参加者の目的が彼らになってしまうと「有名人の講演を聞いておしまい」になってしまうケースもありました。

それではせっかくご参加頂いても「キャディは何を考えている、どんな会社なのか」「どんな理念を持っているのか」などが伝わらないので、「しっかりと会社の思想・熱量を伝えていきたい」という想いがあり、その場にお越しいただければ自ずと会場のセットなどで思想や熱量が伝えられるオフラインカンファレンスを視野にいれはじめました。同時に、昨年複数回開催した100名規模のオフラインのイベントでは、キャディに思想やサービスについて深く理解・共感いただけた結果、商談につながるケースが多く、オフラインイベントの可能性を感じていたというのもあります。

これらの取り組みを経て「2024年は『直接熱量を伝える』ことを重視してオフラインカンファレンスを開催しよう!!」と社内で決定しました。過去の経験から、「経営層にわざわざ足を運んでもらうにはどうしたら良いか」「会場の雰囲気や導線・登壇者の選定やBGMやお土産などの細かなところをどうするか」「会社のメッセージや理念はどんな形で、どの場所で伝えるのが効果的か」など、細部までしっかりと気を配ることを意識して取り組めました。

集客サイトや会場内装からノベルティまで全てにキャディの想いやブランドを体現

ー会場作りに工夫したことなどを教えてください


キャディの基調カラーであるブルーと、変革の”夜明け”を意識したグラデーションカラーを使った会場内装と企業変革に取り組むお客様のSTORY

集客サイトからパンフレット、会場全体の内装デザインまで、基本的に会場全体をキャディブルーを基調にしつつ、ものづくり業界の夜明けをイメージしたグラデーションにしました。

導線にも気を配りました。会場の入り口で、カンファレンスのコンセプトを伝え、奥に進むとプロダクトによって変革を実現した企業や人の声を見せ、講演を終えて出たきた人には、弊社のミッションが目に入るようにするなど、導線やそこに至るまでの意識変容も考えたメッセージの配置も徹底して行いました。

また今回のタイミングでノベルティも一新。初心に返るつもりで社名の語源にもなっている『ゴルフのキャディーのように、製造業に従事する方々を支援する存在でありたい』というメッセージを込めて、ゴルフボールを模したお菓子(最中)をつくりました。

「会社の思想」を伝えるためのキャスティングとタイムテーブル作り

ータイムテーブル作りに工夫したことなどを教えてください


タイムテーブル

前回「会社の思想が伝わり切らなかった」という反省から、今回は「著名人を見に来た方々にもしっかりとキャディの思想を伝える工夫」を徹底し、著名人の選定も「製造業の変革」について語っていただける方にお願いをしました。ただ登壇者が皆様は多忙なので、時間の確保が難しく、タイムテーブルは非常に苦戦しましたね。

参加者には少しでも長く滞在していただき、キャディのことを知ってほしかったので、最終的には「最も来場ハードルが高い午前中に竹中さんや茂木さんなど一般的な著名人の講演を行い、午後から製造業色を強めて、最後は弊社代表の話でクロージング」という流れにしました。

午前中のみの講演を聞いて帰ってしまう方にもキャディのこと知ってもらうために、幕間にカンファレンスにあわせて制作したブランドムービーを流すなど、色々小さな工夫を施しました。

最終的には400人キャパシティのメイン会場で行った7講演はすべてほぼ満席、ときに立ち見の方が出るほど盛況で幕を閉じることができました。集客的にも満足のいく結果を出すことができました。


カンファレンス後に行われた懇親会の様子

EventHubの選定理由

常に先を考えて精度の高い提案をしてくれるCSへの絶大な信頼感が選定の決め手に

ーEventHubをご利用いただいた理由を教えてください

2023年に開催したクローズドの100人規模のオフラインイベントであれば、セールスフォースとスプレッドシートを使い、自社で管理を行うことができます。ですがオフラインカンファレンスとなると、セッション会場も複数になりバリエーションも格段に増えるため、とても自社だけでは登録者および当日参加者の管理、分析ができないと感じたことがEventHubに依頼しようと思った理由です。

EventHubはオンラインカンファレンスでもお世話になっていて、機能は理解していた上に、田母神さんをはじめカスタマーサクセス(CS)の方々に大変お世話になって絶大な信頼があったことが選定の決め手となりました。他の会社にもCSはあると思いますが、ここまでの関係をゼロから構築していくのはとても難しいと感じたのです。

EventHubのCSは、わからないことや機能面の不具合を質問した際に、素早く回答をくれるだけではなく、「その機能を使いたいということはこういうことをしたいんですよね?それはこの機能を組み合わせれば可能です!」と先回りして提案してくれます。反応の速さだけでなく、この「汲み取って提案してくれる力」に、絶大な信頼感と安心感がありました。

EventHub導入後の効果

1、2日で設定ができたPardot連携により当日も終了後もデータ分析が格段に楽に

ーEventHubをご利用いただいた理由を教えてください


総合受付の様子

今回とても良かったのはPardotとの連携です。昨年は連携していなかったので、カンファレンスの終了後にセールスフォースに情報を移していました。後から「この方来場してくれていたんだ」「このセッションは滞在時間が少なかった」など、わかったことがたくさんありました。

来場くださった既存顧客の属性や役職、商談の有無などは把握して評価したいですし、弊社営業側としては自分の顧客が実際に来場したかをすぐに把握したいので連携はマストでした。Pardotの情報の全ては連携しきれなかったので大変だったところもありますが、連携自体は1、2日でできてその後のエラーの修正を含めても1週間ほどで完了したので、とても助かりました。

来場入口と講演会場の入口の2つでEventHubのQRチェックインを活用


大好評だった茂木健一郎さんの講演

総合受付はEventHubを使って、カンファレンスの登録有無を管理していました。

QRチェックインは、講演会場の入口でも活用していました。誰がどの講演を見に来たのかを管理しておきたかったからです。予約時点で各講演の殆どが埋まっていたのですが、当日会場に来られる方で急に講演が見たくなるケースも想定して、事前予約者と未予約者の視聴が後で分かるように、2つQRチェックインを設けていました。開演5分前ぐらいまでに事前予約社の受付を締め切って、余った枠を予約してない人に割り振るようにして、多くの人に講演を視聴してもらえるように運営していました。

今後の展望

イベントは商談化率でも信頼獲得でも大きな効果が出るのは実証済み

ー2024年2月末に大きなカンファレンスを終えたばかりですが今後の展望を教えてください

イベントの効果は、商談化率でも信頼獲得でも数字として見えているので今後も継続していきます。
イベント開催で陥りやすい課題としては当日まではイベント開催にフォーカスしてしまいがちですが、当日以降のフォローがなにより重要だということ。参加者の誰を優先的にフォローすべきかどのセッションを見た人が商談化率が良いか、などをしっかり把握して他部署と連携していくことで、イベントの価値は何倍にもなります。
特に、1,000人規模の参加者となるとデータの突合や営業との連携もフローを設計していないと大変になるので今後は抜け漏れなく実行していきたいです。

ー本日はありがとうございました!

取材協力

キャディ株式会社 CADDi DRAWER事業本部マーケティンググループ・コンテンツマーケティングチームリーダー
渋谷 麻里様

リクルート、NEWPEACEを経て、世界に誇れるブランドを創りたいと2022年キャディ株式会社入社。製造業のDXの第一歩となる「CADDi DRAWER」およびキャディのブランド浸透に向けた戦略立案、企画運用までを担う。2023年1月末には25,000名集客の自社カンファレンスをリード。その後、東京/大阪と100名規模のオフラインイベントを企画し、2024年2月末には1000名規模のオフラインカンファレンスの開催。

まずはEventHub概要資料をご覧ください。

>お問い合わせはこちら
問合せ画像

その他の導入事例