5人体制で3ヶ月のオンラインイベントを運営。問い合わせ数およそ30%減、粗利率は30%向上
主催社: 株式会社タナベ経営
イベントタイプ: カンファレンス
開催形式: オンライン 業界: イベント・代理店・コンサルティング
開催形式 オンライン
業界 イベント・代理店・コンサルティング
ツール探しで重視したのは「拡張性」
イベント運営を担当されたタナベ経営 久保様
今回のイベントについて教えてください
ファーストコールカンパニーフォーラム は、「100年先も一番に選ばれる会社」を目指すという熱意ある経営者・経営幹部の皆様のために、タナベ経営のトップコンサルタントの講義や先進的な取り組みをしている企業との対談・インタビューをお届けすべく、毎年6月に開催しているイベントです。2021年は「DX価値を実装する」というテーマのもと、6月1日から8月31日の3ヶ月間にわたって実施されました。
2年前までは全国主要10都市の会場でのリアル開催でしたが、新型コロナウイルスの影響で昨年からオンライン開催に転向しました。
昨年は貴社で開催しているeラーニングのシステムを使って実施したと伺いました。
はい、そうです。ただ、eラーニングで使うことを前提としていたツールだったので、フォーラムの開催には適していない部分もありました。例えば、一方的に講師陣が話すだけになってしまったり、セッションと資料を紐付けられなかったりなど。理想のイベントに近づけるために応用的な使い方ができなかったのは、昨年の反省点でもありました。
今年はイベントそのもののテーマが「DX」だったこともあり、イベントのみせ方から改善したく、UI/UXの部分にこだわって新しくツールを探すことにしました。
どういったイベントを目指されていたのか、開催の目的を教えてください。
弊社では1年を通して様々なイベントを開催していますが、その中でもこのフォーラムは、お客様に情報収集の機会を提供する目的で実施しています。3ヶ月という長期間の会期中、お客様がしっかりと情報収集できるような仕組み作りに尽力しました。
特に今回のテーマである「DX」について、言葉が独り歩きしてなかなか体系化が進んでいないことに、課題を感じていました。そこで今回はDXを他社に先んじて進めている各社様の事例を中心に情報を展開し、お客様が自社のフレームワークに落とし込めるような仕組み・プロセスを理解していただくことを主な目的としました。
導入するなら将来性あるツールがいいと思っていた
イベント収録風景
開催ツールはどういう基準で選ばれたのですか?
動画配信プラットフォームやイベント企画会社も検討しましたが、最終的にはバーチャルイベントを開催できるツールに絞ることにしました。
昨年同様、ライブ配信ではなくてオンデマンド形式で配信することは決まっていたのですが、ただ動画を掲載しておくだけでは面白くないなと思い…。イベントとして魅力的に仕上げたかったので、あえてイベントプラットフォームを探していました。
その中でもEventHubを選んだ理由を教えてください!
拡張性への期待が大きかったからです。ニーズに合わせて開発をスピーディーに進めている印象があり、今後に期待できるツールだと思いました。実際、3ヶ月間の会期中にもアンケート機能が使いやすくなるなど目まぐるしく機能アップデートが重ねられていました。
また、カスタマーサクセスの仕組みがしっかりできていて、イベントの目的達成に寄り添ってくれるのではないかという期待もありました。
実際にEventHubを使ってみて、いかがでしたか?
EventHubの設定を行ったのはほぼ私1人でしたが、非常に使いやすくて便利でした。機能や設計がシンプルで、CSに頼らずとも直感的に使えました。
些細な点ですが、イベント画面の背景を変えられるので、「タナベ経営ならではのイベント」を演出できる点などは良かったです。他にも、体系的にみせるために活用した企業ブースも便利でした。動画配信だけでなく色々なところに入り口を作ることで、情報収集という目的を達成していただくためのサポートができたのではないかと思います。
シンプルさが社内外で好評。問い合わせ約30%減
イベント準備の様子
今回は経営者層をターゲットとしたイベントということで、参加者の年齢層も高めだったのかと想像します。参加者の方からのお問い合わせ数が減ったりはしましたか?
昨年と比較して問い合わせ数はかなり少なく、これに関しては大きな成果だと思っています。
普段使っているアドレスでログインできる他、イベント画面や動線自体もわかりやすかったようです。問い合わせ数は昨年比70%ほどに抑えられたかと思います。
問い合わせ数の減少の他、運営の工数を削減できたと感じた部分はありましたか?
もちろん昨年がはじめてだったことも加味して、の比較にはなりますが、昨年は部署をまたいで計15名ほどの大きなチームを作りました。今年は5名ほどの小さなチームで運営できたのは、大きな成果だと思います。
結果として、社内外からもご好評の声をいただいたようですね。
お客様からは「来年も同じ形式であればぜひ参加したい」とのフィードバックが多かったです。今回は参加費3万円と、オンライン開催としては安くない価格設定でしたが、会期中であればいつでもコンテンツ閲覧ができること、参加の導線が分かりやすいことなどを評価いただけたようです。
社内からの手応えも非常に大きく、別のイベントでもEventHub導入が決まるなど、新しい顧客創造の仕組み、マーケティングの仕組みができつつあるように思います。
「新しいマーケティングの仕組み」とは具体的にどういうことでしょうか?
これまではオンラインイベントを視聴してくださった方にコール・メールするだけでしたが、EventHubを導入することで参加者自身が能動的に動ける仕組みが確立されます。
配信動画の視聴、資料ダウンロード、講師との名刺交換や個別面談など、プラットフォームとしてのEventHubの役割は非常に効果的だと思います。今後の活用にも期待が高まっています。
粗利率はリアル開催時と比較し30%向上
今回のフォーラムには1,800名が参加したと伺いました。大規模イベントの開催にあたって大変だったことはありますか?
オンライン開催だからこそ、1,000名でも2,000名でも運営の大変さはそれほど変わらないように思います。リアル開催だと固定費として会場代がかかります。参加者が増えれば増えるほど準備が大変だし、いくら少人数でもある程度の負荷はかかってきます。
一方、オンラインであれば参加者が増えるほど生産性は上がります。今回のように、会期中ずっとページを開けておくこともできます。実際、粗利率はリアル開催時と比べ、約30%ほど向上しました。
オンライン開催の効率の良さを実感する結果となりましたし、来年もこのフォーラムに関してはオンラインで実施しようと思っています。
オンデマンド配信は「聞くだけ」になってしまう、という印象から嫌厭される企業様も多いように思います。改めて、今回、あえてオンデマンド配信をメインにイベントを設計した理由を教えていただけますか?
より多くのお客様に何度でもご視聴いただきたいという思いと、3万円というオンラインイベントでは安くない金額をお支払いいただくことを踏まえると、ライブ配信で見逃してしまうお客様に申し訳ないという思いがありました。
確かにオンデマンド配信だとリアルタイムでの質疑応答ができないので双方向性には欠けます。でも今回は情報収集を軸にしたイベントだったので、そこまで痛手ではなかったというのが結論です。実際、配信だけではなくフォローまで一括して行うイベントだったので、例えばディスカッションシートを作って、配信を見るだけで終わらないようなフォローをするなど工夫しました。
一方、事前収録型の動画は独自性に欠けるので、その分はコンテンツの種類でカバーする必要がありました。今回は13名ものゲストの方にご登壇いただきましたが、各登壇者様との調整や収録は大変でした。
イベントにて配布したディスカッションシート
これまでお話を伺っていると、リアル開催時とは異なるイベント設計をされたのかなとお見受けします。
そうですね。リアル開催時はコミュニケーションが自然に発生しますが、オンライン開催だとそうはいかないので、イベントの仕組みを改めて考え直していくことが必要でした。
最も意識したのは、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の部分です。フォーラムである以上、お客様に体験をお届けすることが前提になるので、体験を通して理解して、情報収集してもらえる場にすることを重視しました。
そういう意味では、体験作りにライブ配信が必須なわけではなく、オンデマンドでも十分に価値ある体験をお届けできるという発見が、この2年間での大きな成果かもしれません。オンデマンド、ライブ、それぞれ良さがあり、大事なのは「どういうふうに体験してもらうのか」を設計するところ。オンデマンドでもライブでも「ただ勉強になった」で終わるのは意味がなく、実行・実現までイメージしてほしい。なので、いろんな体験を、ライブもオンデマンドもリアルも含めて考えていきたいし、もっと設計はしっかりやっていきたいところでもありますね。
ありがとうございました!
