初のオンライン開催で考えた、「Hack Osakaらしさ」とは?参加満足度をあげる工夫も

主催社: 国際イノベーション会議Hack Osaka実行委員会

イベントタイプ: カンファレンス

開催形式: オンライン 業界: 公共機関・非営利団体

開催形式 オンライン

業界 公共機関・非営利団体

2021年2月、国際イノベーション会議Hack Osaka実行委員会(大阪市公益財団法人都市活力研究所独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部)は、国際イノベーション会議 Hack Osaka 2021を開催しました。

2013年以降、年に一度開催してきたHack Osaka。多様なプレイヤーが年に一度、一堂に会する場をつくり、「交流」することを大きな目的とし、リアル会場に多くの人が集うことを大切にしてきました。2020年は開催直前に国内で新型コロナウイルスの感染が拡大して中止。今年はコロナ禍が続くなか、初のオンライン開催となりました。イベントを成功に導いた担当者の方々に、その苦悩やノウハウを伺いました。

イベントのブランディングが鍵となる。ここでしか得られない経験をどう打ち出すか

当日のイベント画面

ー 今年で8回目を迎えたHack Osaka。今年の開催テーマを教えてください

今年のテーマは「ニューノーマル時代に、大阪・関西は強みを生かし、世界に対してどのように貢献できるか」。Hack Osakaは、起業家や投資家、大企業、学生など、様々なプレイヤーが、エコシステムの主役として大阪の地に集結し、繋がる機会をつくることで、イノベーションを巻き起こすムーブメントを大阪から世界へ、広域に広げていくことを目指しています。

海外のスタートアップにとっては、来阪を機会に、大阪・関西の大企業と実際に会って交流し、大阪・関西の魅力を肌で感じてもらうことが鍵となるので、毎年リアル開催で実施してきました。

ー 初のオンライン開催に際して、主催者として最も懸念していた点は何でしたか?

オンライン開催になり、対面での交流(具体的には参加者間の交流、登壇者と参加者の交流)と、参加者に大阪の街を体験してもらうこと、この2つができなくなったことを最も懸念していました。リアルに近い形での経験を提供するにはどうすればいいのか、頭を悩ませる部分が多かったです。

オンラインならではの「どこからでも参加できる」というメリットが、逆にイベントのブランドを下げてしまうのではないか、とも懸念していました。ですが、やはり、視聴場所の制約がなくなった分、「より多くの方にHack Osakaの良さを知ってもらえるのでは」という期待はありましたし、海外からの参加者も多いイベントなので、移動時間やコストを削減しつつ、大阪を拠点にオンラインという形で交流できることを楽しみにしていました。会場の人数制限を気にしなくてもよいという意味でも、イベントの更なる活性化を期待していました。

しかしその分、「Hack Osakaにしかないもの」を提供するハードルも上がると感じていました。リアル開催であれば、大阪へ実際に足を運ぶという経験が加わ、Hack Osaka自体の付加価値上がると思います。「大阪でしか味わえない」という希少性がありますから。ただ、今回は、どこからでも視聴できてしまう。Hack Osakaに参加しないと得られないものは何なのか、他のオンラインイベントとどのように差別化していくべきか、主催者として工夫しなくてはいけないと課題を感じながら開催に臨むことになりましたね。

ー 海外からのスタートアップも参加する国際的なイベントですね。大規模イベントならではの不安や苦労した点もあったのではないでしょうか?

何しろ初めてのオンライン開催だったので、実施イメージを共有するのが非常に難しかったです。実行委員会のメンバー同士もそうですし、来場者や出展企業の皆さんもそうだったと思います。どのようなイベントになるのか、画面上でどのように見えるようになるのか、イメージの事前共有が難しかったですね。

登壇者の熱量が視聴者へ伝わりにくいのではないか、というのも不安でした。5時間にわたるイベントだったので、途中離脱せずに見続けていただくための工夫も必要だと感じていました。

ー 実際に開催してみて、そのあたり、いかがでしたか?

平均視聴率は高水準を保っていたので、時差がある中で、海外の方も含めて多くの方にイベントを楽しんでいただけた、と手応えを感じました。ただ、オンラインだとやはり一方的な情報発信に留まってしまう部分があるので、もっと参加者を巻き込んだコンテンツを企画する必要があると感じました。そういう意味でも「Hack Osakaでしか見られないもの」をブラッシュアップしていくことが肝要になりますね。

「Hack Osakaと言えば交流」主催者の後押しで参加者の行動を促した

ー Hack Osakaは参加者同士の交流が鍵となるとお伺いしました。「オンライン×交流」という視点では、いかがでしたか?運営側として工夫されたことなど教えてください

イベント当日は、一般来場者に対して、EventHubの機能を投影しながらアナウンスを行、オンラインでの交流の方法を周知しました。このように主催者が交流を促進する姿勢を見せることで、オンライン上でコミュニケーション活性化につながったのではないかと感じています。

海外スタートアップによるピッチコンテストや、登壇者を招いてのセッション以外にオンラインで商談会も行いました。情報収集のために来場される方、交流を目的に来場される方、どちらも楽しみたい方など、参加者には、いろいろな角度からHack Osakaを楽しんでいただけたのではないかと思っています。

他には、リマインドメールの送付も行いました。EventHubを用いた参加者同士の交流について、メールでもアナウンスを行うことで、当日にアクションを起こしやすい環境づくりを心がけました。具体的には、事前ログインを促して、プロフィール情報の記入を勧めました。メールを送ってもEventHubへのログイン・プロフィール編集のアクションがみられない方には、こちらから個別にご連絡を差し上げるなど、一人ひとりへの細やかなアプローチも重要ですね。

ー EventHubの交流機能を存分に活用していただく形で、運営を行われていたのですね

そうですね。EventHubの利用を決めたのも、交流機能の豊富さが大きな理由でした。

Hack Osakaは、参加者が国境や年齢、肩書きを超えて交流することを重視しています。安定した配信環境の他、「大勢の参加者が同じプラットフォームで体験を共有できる」という点を注視してツール選定を進めていました。そういう意味では、EventHubは全参加者が快適に体験を共有できるツールとして非常に魅力的だと感じました。チャットでの交流だけでなく、企業ブースの見学や商談が全て一つのツールで完結するのは便利でした。

参加者の行動を数字として見える化!データ管理まで一気通貫


海外からの参加者も多数

ー 実際にイベントを開催してみて、参加者の方々からの反応はいかがでしたか?

積極的にアクションを起こす方については、オンラインでも問題なくコミュニケーションをとる様子が見受けられました。特に、プロフィール情報を充実させていた方ほど、積極的に他の方と交流していましたね。リアル開催時、プロフィール情報を持って会場を歩き回る人はいませんよね?今回は、EventHubのプロフィール情報を充実させることで、お互いの様子が分かりやすくなりましたし、自分に合いそうな人・交流してみたい人と効率的に出会える環境が整えられたのではないかと感じました。中には、Hack Osakaをきっかけに、交流を続けているという声も頂戴しました。

一方で、オンラインならではの、各参加者の熱意が分かりにくいという問題がありました。参加者全員が交流したいと思っているとは限らないので、それぞれのニーズに応えていくにはどうしたら良いのか。リアル開催の代替えとしてのオンライン開催ではなく、参加者に寄り添ったイベント設計の検討を重ねていくことが必要だとを感じました。

EventHubについては、海外の方にとっても使いやすかったのではないかと感じています。日英2言語の対応であることや、海外の方でも直感的に使えるUI・UXのデザインが魅力ですので、今回のような国際カンファレンスには適していると思いました。あとは、サポート体制やマニュアルも充実していたので、主催者としても使いやすかったです。

ー 参加者の参加状況をデータ化するEventHubの機能を活用されたと伺いましたが、いかがでしたか?

そうですね。参加状況のデータ化は、EventHub利用の決め手になった機能でもあります。

リアル開催時には、参加者アンケートくらいしかできていなかったので。どのような方が参加していて、どのような行動をとったのか、把握できるのは画期的ですね。

アンケート結果などに加えてこのようなデータを活用することで、イベント開催後の結果報告や次回イベントの企画立案に、客観的な要素を入れることができます。交流の回数、誰がどのような行動をしているかなどを把握することで、反省点も明らかになりますね。反省点を明らかにして、次に活かす、データに基づいたPDCAサイクルが回せるので便利な機能でした。

偶発的な出会いをどう創出するか?ハイブリッド開催も視野に検討重ねる

ー 初めてのオンライン開催を経て感じた、オンラインイベントの課題はありますか?

今回はイベント開催の翌週に別途、オンライン商談会を行う日を設けていました。しかし、参加者にはそれが伝わりにくかったようです。当初の懸念事項でもあった「イベント開催のイメージを主催者と参加者で共有すること」の難しさを実感する結果となりました。特に今回は、イベント当日に参加者同士が活発に交流していたというのもあり、別途設けた商談会との差別化が難しかったです。何をいつどこで行うのか、目的意識の共有が、リアル開催時よりも求められていると感じました。

あとは、オンラインイベントでは、参加者同士が目的ありきでマッチングを目指しますよね。「こういうことが知りたいからこの人に会いたい」「これに興味があるからこの企業のブースに行きたい」など。リアル会場では、目に止まったブース、偶然出会った人との偶発的な出会いを創出できますが、今回はそれが難しかった。効率的に出会える反面、出会う人が偏ってしまうんです。オンライン上でも偶発的な出会いを大切にしたいと感じましたし、今後運営側としても工夫を重ねると同時に、EventHubの機能アップデートに期待するところでもあります。

ー 次回のHack Osaka開催について、現時点での見通しを教えてください。オンライン開催の予定でしょうか?

コロナの状況を見ながらにはなりますが、ハイブリッドでの開催を検討しています。

その場合、海外のスタートアップの熱意や勢いをどう伝えるのかが鍵になるかと思います。一方で、大阪らしさ海外の方に伝えていなければなりません。大阪ならではの文化をオンラインで伝えていく難しさはありますね。「大阪らしさ」を「場所着目して発信するのか、着目して発信するのかも、改めて考えていく必要があります。

オンラインの視聴者を置いてけぼりにしない、というのも重要ですね。そこで、コミュニケーションツールを積極的に活用する必要があります。また、現時点でハイブリッド開催を検討すると、オンライン・リアル開催の双方からの準備が必要となり、単純に2倍の手間がかかります。いかに効率良くできるのか、ツールに寄与する部分も大きいかと思います。今後のアップデートに期待したいところです。

他のハイブリッドイベントとの差別化も重要になっていきます。ウィズコロナのフェーズに入っていく中で、ハイブリッド開催に挑戦する企業も増えていくと思います。Hack Osakaの良さを活かしていくブランディングが、引き続きの課題ですね。

ー ありがとうございました!

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