ほぼ広告費ゼロで1,200名弱の集客を実現
準備時間が限られたボランティア運営でも集客が大成功した理由とは

主催社: 一般社団法人 日本CPO協会

イベントタイプ: カンファレンス

開催形式: ハイブリッド 業界: 公共機関・非営利団体

開催形式 ハイブリッド

業界 公共機関・非営利団体


「カンファレンス」開催における課題

  • 理事全員がボランティアとして稼働しているため、限られた時間で準備・運営をする必要がある
  • 広告費・集客予算・がほとんど無い中、どのように周知し集客を成功させるか

「EventHub」の効果

  • 担当者以外も集客を自分ごととして捉えることで、集客が大成功した
  • 時間が限られている中でもSlack連携やダッシュボードがあることで、日々の集客状況を正しく把握することができた
  • 擬似ライブ機能により多忙な登壇者のスケジュール調整も不要で当日はリラックスして臨めた

日本CPO協会は、日本のソフトウェアプロダクトづくりを支えるエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーをサポートし、プロダクトの力で日本をリードすることを目的に発足した一般社団法人です。

日本のソフトウェアプロダクトがグローバルでも通用することを目指し、ウェビナーやプロダクトリーダー養成講座の実施で学ぶ機会を提供すると共に、コミュニティの醸成にも力を注いでいます。全理事がそれぞれ事業会社でも重要ポジションに就き、ボランティアで活動をしています。

協会内に専任がいない中で大きなカンファレンスの開催を成功させたポイントや、一同で介する機会が少ない中で同じ目標を持って走り続けられる工夫など、日本CPO協会の理事の一人であるEventHub代表の山本理恵氏と代表理事を務めるDCM VenturesのVenture Partner ワカマツ ケン氏にお話を伺いました。

活動内容について

「プロダクトが日本を変える・日本をリードする」を実現するために立ち上がった一般社団法人

ーまずは日本CPO協会の活動内容について教えてください

ワカマツ氏日本CPO協会は『日本のソフトウェアプロダクトづくりを支えるエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーたち、そして日本企業を強くサポートし、プロダクトの力で新しい日本をリードしていく』を理念に掲げ、各界のリーダーが集まって運営している一般社団法人です。私たちは『プロダクトが日本を変える、日本をリードする』と信じ、日本のソフトウェアプロダクトをグローバルで通用するものにしていくために、様々な学びや出会いの場を提供しています。

CPO協会Webサイトより掲載

主な活動はウェビナー・イベントによる知見の共有とコミュニティの醸成

ワカマツ氏:現在の主な活動は、1年に1度のカンファレンスの開催やウェビナーの企画、コミュニティの醸成です。定期的にウェビナーを開き、過去のウェビナーはYouTubeにアップするなどの知識・情報の共有を行っています。

この協会の大きな特徴は、理事それぞれが事業会社での本業があり、ボランティアで理事としての役割を担って運営しているということ。

山本氏:代表理事のケンさんは日系アメリカ人で、シリコンバレーでプロダクトマネージャーとして働いていた経験があります。現在は、彼自身にアメリカの最新の情報に対する知見や人脈があるため、アメリカなど海外のITサービスの最新情報を協会会員に届けることに力を入れて取り組んでいます。これらに加えて、2023年からは研修のコンテンツを作成し企業への販売も開始しました。

2023年11月にオンラインカンファレンスとオフライン懇親会を開催。カンファレンスは擬似ライブ配信で負荷軽減

参加者の様々な事業フェーズに合わせ、知名度にこだわらないよりリアルなカンファレンス内容に

ワカマツ氏:2023年11月8日にオンラインカンファレンス『Product Leaders 2023』を開催し、同日にオフライン懇親会を開催しました。カンファレンスの目的は、『プロダクトが日本を変える、日本をリードする』という私たちのミッション実現のために、日本のプロダクトリーダーに世界の最新の情報を伝えることです。

昨年まではAmazon・ディズニーといった海外の大手企業の登壇者が多かったのですが、こういった企業の登壇は集客には寄与するものの、自分の会社に落とし込んで考えた時にはまだこの規模まで行かない会社が大半です。そこで今年は、シリーズA,B,C、上場前や上場後など様々なフェーズの参加者にリアルに役立つコンテンツを設計しました。

事前録画の『擬似ライブ機能』のお陰でカンファレンス当日は慌てることなくリラックスして参加
 

PRODUCT LEADERS 2023 Session1 立ち上げ期のHARD THINGS 

ワカマツ氏:今まではライブ配信でカンファレンスを実施していたのですが、今年は

Part 1:日中は事前収録動画を「擬似ライブ」配信するオンラインカンファレンス
Part 2:同日夜はオフラインの飲食ありの懇親会

という構成で実施しました。


擬似ライブを用いた開催は、動画を事前収録をしておけば良かったので、忙しい登壇者に「◯月×日に必ず来てください」というスケジュール調整も不要でした。また、カンファレンスが始まったら自動的に映像が流れるので、カンファレンスの担当者も当日はリラックスして参加することができました。

以前カンファレンスをライブ配信で自分達で開催したときは当日常に何が起きるか分からない緊張感がありましたし、全登壇者・ボランティアスタッフを当日拘束するのがとても大変でした。が、事前録画は予想外のトラブルが起きないという意味でも気持ち的にも楽で良かったですね。

とは言え、プロダクトマネージャーコミュニティを活性化したいイベントではあるので、交流や懇親の時間も設けたいと思い、同日夜にオフライン懇親会を準備しました。日中はオンラインカンファレンスで学びを得てもらい、夜は同じ悩みを持つCPOやプロダクトマネージャーと出会い、横の繋がりを作っていただくという体験を実現できたのではないかと思います。

ほぼ広告費ゼロでたった2人の担当者が本業がある中1,200名弱の集客に成功

PRODUCT LEADERS 2023 Session3 PM組織のつくりかた 

山本氏:今回はあえて登壇者を所属会社の知名度で選ばなかったため、集客には昨年度よりも苦労するだろうと当初から考えていました。また理事全員が本業がある上に広告費・集客予算もなく、今回のカンファレンス担当理事は私と代表理事のケンさんの2名のみ。そこに数名のボランティアも加わってくれましたが最初はボランティアも1名のみだったので、予算も時間も人員も、大幅に足りない中でのスタートとなりました。

当初は隔週で定例会を開催しましたが、ラスト1ヶ月は毎週開催。カンファレンス担当の私とケンさんは本業もあるため1週間5時間未満しか稼働できない週も多く、全てにおいて効率的に進めていくことが重要でした。最後は集客を強化するために集客担当のボランティアを3名追加し、理事2人+4名のボランティア体制に。結果的には、企画担当の理事と集客担当のボランティアが密に協力できたことが、1,187名参加という集客の成功に繋がったと考えています。

2ヶ月前に集客用のランディングページ(LP)をオープン
「とりあえず申し込む」ボタンの作成で参加者申し込みの心理的ハードルを下げたことが集客成功の要因

山本氏:広告に使える予算は無いため、(試しに2万円程度の広告を打ったものの)殆どお金を使うことなく自力で集客を行いました。

まず2ヶ月前に集客用のLPをオープンし、3,000名強のメルマガ登録者にメールで告知。LPの完成が遅れて集客が失敗するケースはよくあるので、2ヶ月前から集客が開始できたことは成功のポイントでした。ただ、2ヶ月も先の開催だと「行きたいけど行けるかどうかわからない」「スケジュールを確認しないといけない」という人が多いため、「とりあえず申し込む」という登録ボタンにして申し込みの心理的ハードルを下げたのも大きなポイントです。

ゆーたろー | PdM さんのX投稿の画面キャプチャー

それぞれの理事が会社・関係者・コミュニティに情報を拡散し多くのリーチを獲得

山本氏:二人の担当理事もそれぞれ本業があり割ける時間がとても少なかったため、他の理事にも効率的に協力を仰ぐ必要がありました。

そこで、理事や理事の会社のメンバーにも告知や集客を依頼し、「この会社からは今何人が登録している」と可視化して共有することで、自然と全員に当事者意識を持ってもらえる流れを作りました。それぞれの理事が参加するコミュニティに投稿して拡散したり、「あそこで情報を流したいのですが、入っている人はいませんか?」と理事内に投げかけたり。こういったことで拡散を広げていけたのは、全員が別に本業を持っていることの大きなメリットだったと思います。

他理事への日々の状況共有と集客依頼

拡散プランを綿密に練り行き当たりばったりの声かけにならない工夫を

ワカマツ氏:また、CPO協会のSNS投稿は「いつ・何を投稿するか」を事前に戦略的に決定し、拡散スケジュールをスプレットシートで管理していました。また登壇者やモデレーターへの拡散依頼も、集客にはとても効果的だったと思います。

このような小さな努力の積み重ねが、1,200名弱の参加につながりました。参加者プロフィールの内訳を見ても77%がプロダクトマネージャーか経営者で、しっかりと当初考えていたターゲットにリーチができたと思います。

 

集客に役立ったEventHubの機能

毎日のSlack通知で集客状況を把握することで、集客担当者だけが抱え込むことなく全員が自分ごとととして捉えられた

ワカマツ氏:申し込み状況が自動的にSlackに毎日流れるEventHubのSlack連携機能を利用することで常に全員で集客の進捗を共有することができました。それにより集客担当が一人で抱えずに済みましたし、担当ではない理事も集客を自分ごととして捉えられました。


CPO協会の理事間で集客に関する情報共有

山本氏:イベント企画担当の集客成功のプレッシャーはとてつもなく大きいので(笑)、自動的にSlackに毎日集客進捗が投稿されるのは個人的には精神的に結構救われました。進捗が見えるだけで、「このままだとやばい」「もっと拡散しないと」とメンバーの意識が高まるので、自然と全員の協力を得る流れができたのは非常に良かったです。

ダッシュボードで日々の集客状況がわかり分析に役立った

ワカマツ氏:また、ダッシュボードでも細かく毎日の申し込みの統計が分かるため、『週末は申し込みが少ない』『段々参加者が増えてきたけど、この日は多かったのはなぜだろう?』など振り返りと仮説ををするに立てられたのも良かったです。

EventHubの集客状況が分かるダッシュボード

今後の展望

アフターパーティーの様子

ワカマツ氏:今回はオンラインカンファレンスとオフライン懇親会を開催し、それぞれのメリットをしっかりいかすことができました。オンラインカンファレンスは約1,200名の参加がありましたが、オンラインは低予算で場所も問わずに多くの人に届けられるため、学びや情報共有に適しています。一方オフラインの懇親会は、オンラインでは得られない熱量やリアルな繋がりを生み出すことができます。

今後も定期的なウェビナーや年に一度のカンファレンスを通して、『プロダクトが日本を変える、日本をリードする』を実現していきます。

取材協力

日本CPO協会 代表理事 DCM Ventures Venture Partner
ワカマツ ケン様

⽶国カリフォルニア州オレンジカウンティ⽣まれ、カリフォルニア⼤学バークレー校出⾝。⼤学卒業後、エンジニアとしてMacromediaに⼊社。その後、Kodak、Adobe、Ciscoを経てSalesforceに⼊社。2016年、Salesforce Japanに出向し、プロダクトマネジャーの責任者として、プロダクトマネジメントチームを⽴ち上げる。 2020年、AI交通費精算サービスを提供する株式会社metrolyに参画。2021年、一般社団法人日本CPO協会を設立。2022年、DCMに入社。DCMのシード投資プログラム、DCM Atlas参加企業のプロダクト開発を支援。
日本CPO協会 理事 株式会社EventHub 代表取締役 CEO
山本 理恵様

米国ロードアイランド州ブラウン大学経済学部・国際関係学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー サンフランシスコ支社に入社し、金融・医療・パブリックセクターのプロジェクトに従事。在籍中に認定特定非営利活動法人Teach For Japanへ出向する。 2016年に株式会社EventHubを設立。2021年11月に一般社団法人日本CPO協会 理事に就任。

 

まずはEventHub概要資料をご覧ください。

>お問い合わせはこちら
問合せ画像

その他の導入事例