小規模なSRE勉強会から大型ハイブリッドカンファレンスの実施
こまやかな気が利いたいくつもの機能のおかげでトラブルなく開催
主催社: 一般社団法人 SRE NEXT
イベントタイプ: カンファレンス
開催形式: ハイブリッド 業界: 公共機関・非営利団体
開催形式 ハイブリッド
業界 公共機関・非営利団体
「カンファレンス」検討時の課題
- 参加者が混乱なく数多くのセッションに参加できるか
- オンラインで複数セッションに参加する際、個別にURLを案内するなどの手間が発生する
- チケット販売とオンライン配信機能の両方を兼ね備えているか
「EventHub」の効果
- サポート体制が素晴らしく「やりたい!」と思ったことがほぼ実現できた
- 参加者へのチケット販売をとてもスムーズに行えた
- EventHubを利用することによってマルチトラック配信が実現し参加者体験が大幅に向上
2020年から開催されているカンファレンスSRE NEXTは、スポンサー募集開始から1分で枠が埋まるほど大きな注目を集めていますが※、当初は小さな勉強会である「SRE Lounge」として運営していました。2022年には一般社団法人SRE NEXTも設立するなど規模も注目共年々増していますが、運営スタッフは基本的に他に本業を持つボランティア。その中で、どのように数十名のボランティアスタッフをまとめて多くのスポンサー企業の対応をし、満足度の高いカンファレンスを運営しているのかを、ご自身も本業を持つ一般社団法人SRE NEXTの理事である北野様・曽我様に詳しく伺いました。
※現在はスポンサーは抽選制
カンファレンスSRE NEXTについて
元々はエンジニア向けの小さな勉強会「SRE Lounge」からスタート会の成長と共にカンファレンス「SRE NEXT」へと成長
ーカンファレンス「SRE NEXT」の概要と立ち上げた背景を教えてください
SRE NEXT 2024
SRE NEXTは、「システムの信頼性に関するプラクティスに強い関心を持つエンジニアや技術者・そしてSRE(Site Reliability Engineering)に関心がある全ての人を対象としたカンファレンス」です。
元々私たちは、エンジニアがSREを学ぶ小さな勉強会である「SRE Lounge」を運営していました。SREというのはGoogleが提唱した考え方で、GoogleのSREに関する取り組みを紹介した『SRE サイトリライアビリティエンジニアリング―Googleの信頼性を支えるエンジニアリングチーム』(Betsy Beyer他/オライリー・ジャパン/2017)が2017年に日本で発売したため、ここ10年で認知が広がっています。その背景には、「今まで様々なインフラやサーバー管理も人の手で運営してきたものの、安定稼働させるためにソフトエンジニアリングで解決したい」という想いがあります。
当初は認知も低かったのですが、年々「SRE人材を採用したい」「SREの考え方とは」という会話がエンジニア同士でも交わされるなど、思想が広まり根付いてきました。SREが注目されると同時にスポンサーをしてくださる企業が出てくるなど広がり始めたので、もっと多くの方が参加できるカンファレンスに移行しようと2020年に第1回目のカンファレンスである SRE NEXTを開催いたしました。
カンファレンスSRE NEXT 2024について
地方などからのハイブリッド参加でも熱量が変わらないようセッション内容に工夫を凝らしながら42セッションを企画
ーSRE NEXT 2024について教えてください
SRE NEXT 2024の運営スタッフの皆様
2024年8月3日−4日に開催したカンファレンス SRE NEXT 2024は「Beyond NEXT」をテーマに開催いたしました。地方在住の方や外出が困難な方も参加できるよう、ハイブリッドで42の様々なセッションをご用意しました。ここで、オフラインの参加者とオンラインの参加者の熱量に差が出ないよう、色々と試行錯誤を重ねました。
また2024年の初の試みは、海外ゲストを招いたことです。お呼びしたSteve McGhee氏はAndroidやYouTubeのSREも担っていた著名な人物で、今までにない様々な準備をしました。その結果、お陰様で非常に好評を得られました。
ーSRE NEXT 2024開催にあたって苦労したことはありますか?
カンファレンス開催は毎回とても大変です。なぜならほとんど全員のスタッフが本業があり、皆ボランティアで運営に参加しているからです。ボランティアスタッフは、開催の半年以上前から企画を進めるスタッフは20-30名で、当日の運営サポートをしてくれるスタッフを含めると50名くらいが参加してくれました。この規模の運営人数を管理し、モチベーションを上げて、カンファレンス開催の準備を進めるのは、毎年大変でもあり楽しくもありますね。
開催から数年が経ち認知が広がったこともあり、初期に比べると現在は、スタッフとして、プロレベルの方々まで運営に関わってくれているので、カンファレンスのレベルが上がった印象があります。
スポンサー募集は1分以内に完売してしまうため抽選制に
SRE NEXT 2024 開催報告レポート
ースポンサー集めについての工夫をお聞かせください
スポンサーになってくださるのはSREエンジニア採用中の企業やエンジニア向けにサービスを展開している企業様など様々です。スポンサーは毎年20〜30社を集めていますが、募集から1分以内に埋まってしまうため、現在は抽選制にしています。初回から、スポンサー募集要項(SRE NEXT スポンサー募集要項 2024)や開催報告レポート( SRE NEXT 2024 開催報告レポート )を公開しているため、何ができるのか、どういう成果がえられるのかなどが明確なのが良かったのかもしれません。
また、スポンサーグレードが高いとブースが出せます。ブース周辺にコーヒーを飲めるスペースを設けているため、スポンサーと参加者とのカジュアルな会話ができることもあり、多くの出会いに繋がっています。
一般社団法人SRE NEXTの設立
カンファレンス開催の透明性をはかるために2022年に一般社団法人SRE NEXTを設立
多くのスポンサー様からスポンサーフィーを頂くことから、しっかりと管理し透明性をはかるために2022年に一般社団法人SRE NEXTを設立しました。
一般社団法人の理事である私たちそれぞれの役割は、このカンファレンス内では法人様から頂いたお金の運用や予算管理です。
EventHubの選定理由
参加者にとっても分かりやすいUI
ALL STAR SAAS CONFERENCEを参加者として体験したことがきっかけ
ーEventHub導入の決め手を教えてください
EventHubのことは、以前参加したALL STAR SAAS CONFERENCE( EventHub事例 )で知ったのがきっかけです。具体的にはチケット販売がとても分かりやすく、ブースで話す交流体験ができたこと、マルチトラック配信が実現できそうだったところから興味を持ちました。
ALL STAR SAAS CONFERENCEで参加者として利用したUIの全てがとても使いやすく、マルチトラック配信機能は、参加者体験の向上にもつながるのでとても良いと思いました。チケット販売とオンラインカンファレンスの機能の両方兼ねているサービスは当時なかったことから、EventHubの導入を決めました。
EventHubの良かった機能
スポンサーは無料・それ以外は有料などのチケット販売設定が可能
ーEventHubの特に役にたった機能をお知らせください
全ての機能に満足していますが、一番良かったのはチケット販売ですね。スポンサーは無料・それ以外は有料などの設定が簡単に行え、参加者にとっても分かりやすいUIでした。また、海外からのゲストもいたので、メールの日英併記ができたのも助かりました。たった1人でも英語話者がいたら、考慮しなくてはならないですから。
受付周りもトラブルが一切なく、メール送信が分かりやすかったため当日朝にQRコードも再送できたり、こまやかな気が利いたいくつもの機能のおかげでとてもスムーズに進められました。プラットフォーム上でシームレスにセッションを行き来できるマルチトラック配信もよかったです。
ーその他、EventHubを利用して良かった点をお知らせください
導入時からのオンラインのサポート体制が素晴らしかったです。わからないことに対してはすぐに細かく解説してくれますし、やりたいと思ったことがほぼ全て実現できたのも良かったですね。当日は上西さんもあらためてフォローをしてくださいましたし、とても助かりました。
今後の展望
今後は、ホワイトボードを使ってディスカッションをするなどして、来場者同士の交流をもっと深めるカンファレンスにしたいと思っています。数ヶ月に一度小さな単位で開催している小規模勉強会「SRE Lounge」は、今後も注力していきます。それと同時に、SREの普及とコミュニティの活性・SRE NEXT 2025 への参加を促す「Road to SRE NEXT」も全国に広めていきます。今まで福岡、京都、仙台、広島、札幌で開催しており、今後は会津若松、山梨、名古屋でも開催予定です。まだまだ要望があるので、希望のある全国各地で開催していきたいと思っています。
取材協力
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一般社団法人 SRE NEXT 北野 勝久 様 |
一般社団法人SRE NEXT代表理事。日本初のSREに関するカンファレンスSRE NEXTのFounder。勉強会SRE Loungeの運営も行っている。 |
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一般社団法人 SRE NEXT 曽我 央 様 |
2022年1月から 一般社団法人SRE NEXT理事、3月から 合同会社 ant-in-giant 代表社員。業務委託で十数社のクラウドインフラ構築/運用・CI/CD含むバックエンド実装など様々な改善に取り組んできた。 |
