スタートアップが主役の巨大ビジネスイベント
そのコミュニティを支えたのはEventHubだった
主催社: 住友不動産株式会社
イベントタイプ: カンファレンス
開催形式: オフライン 業界: 建設・不動産・ホテル
開催形式 オフライン
業界 建設・不動産・ホテル
「カンファレンス」検討時の課題
- 初めての自主開催イベントにつき、目標の集客数1000人が達成できるか
- スタートアップにとってメリットのあるイベントとは何か。それを実現するにはどういう工夫が必要なのか
- イベント開催によって育まれたコミュニティがイベント当日限りではなく、継続的なものにならないか
「EventHub」の効果
- 初めてのイベント開催で目標の1,000人を超える約1,690人超の集客を達成
- EventHubを介した参加者による事前交流などの盛り上がりで、イベント当日はわずか数時間で334件の商談・マッチングが生まれた
- EventHubで蓄積されたデータで次年度の開催、集客の弾みにもつながった
住友不動産株式会社は2023年10月24日にメガビジネスマッチングイベントである「住友不動産ベンチャーサミット」を開催しました。不動産業界を牽引する住友不動産がマッチングイベントを仕掛けたこと、そして参加者1,690名超の大規模開催ということもあり、大きな注目を集めました。
今回はこのサミットの運営に携わった住友不動産のグロースサポート事業部にお話をお伺いしました。なぜベンチャーサミットを開催するに至ったのか、そしてどのような化学反応が生まれたのか、さらに巨大オフラインイベントを成功させたポイントなどを存分にお話しいただきました。
住友不動産ベンチャーサミット開催の背景と目的
オフィスデベロッパーとしての目線で、壮大なスタートアップのコミュニティをつくる
ー不動産業界を牽引している住友不動産がベンチャーサミットを開催した背景を教えてください
登壇の様子
「住友不動産ベンチャーサミット」は、大企業とスタートアップ企業、VCの交流促進が目的です。弊社では東京各所に200棟以上のオフィスを管理運営しており、多種多様な入居テナント様にご愛顧いただいております。私たちの歴史はテナント様と共に歩んできたと言っても過言ではなく、かけがえのないものだと考えています。
そのようななかで「スタートアップと協業したいが出会える場所がない」「M&Aや出資を検討しているがおすすめの会社はないか」というお声を多数頂戴していました。また、これまで弊社ビルに入居されたスタートアップでは、事業連携や資金調達をきっかけに増床・拡張移転をして日本を代表する会社へ成長された事例がいくつもありました。
ゆえに私たちが「ビジネスマッチングの場を提供して新しい好循環を生み出すこと」が、結果として「弊社への信頼と実績」に繋がるのではないかと考えたことが、今回のサミット立ち上げの背景と目的です。
また、日本におけるスタートアップの育成環境が諸外国と比較して劣後しているという現状もあります。2020年時点では、日本のスタートアップ投資額はアメリカのわずか33分の1のでしたが、その状況を打開すべく、2022年11月に政府が「スタートアップ育成5か年計画」と題したスタートアップエコシステムの強化に向けた方針を発表し、2027年までに投資額を10兆円規模に増加させることを目標としました。
それを実現させるためには民間企業による取り組みも不可欠で、総合不動産会社として長い歴史を持つ弊社も、テナント企業とベンチャーキャピタル、スタートアップ企業を繋ぐ機会を創出し、スタートアップの育成環境強化に貢献したいと考えています。
1,690名超が来場・サミット成功のポイント
こだわりは完全招待制で無料、そしてスタートアップが主役であること
ーサミット開催で大切にしたポイントを教えてください
サミット開催にあたりこだわった点がいくつかありました。まずは「完全招待制であること」「無料であること」そして「スタートアップが主役であること」です。
「完全招待制」にこだわったのは、目的意識をしっかり持っている企業とスタートアップを「タイムリーにマッチングさせたい」という考えがあったからです。弊社メンバーもこれまで他のイベントに参加・協賛してきましたが、「誰でも参加できるイベントは、その分ミスマッチも起きやすい」と感じていました。「スタートアップが主役」と考えたからこそ、強い想いがある企業様やVCをお呼びしたかったのです。
また、入場料は少しでも多くの方にお越しいただきたいという観点から「無料」とし、加えてブースに出店する費用も「無料」にしました。都心で開催することで「忙しいなかでも立ち寄りやすい」ようにし、スタートアップの皆様がアピールしやすく、初対面でも気兼ねなく交流する場にすることにこだわりました。
人が賑わう出展ブースの様子
こだわりは私たちがしっかりと汗をかいてお祭りのような熱気をつくること
ーサミット開催で大切にしたポイントはその他にありますか?
EventHubを利用した当日の受付の様子
ベンチャーサミットを初めて開催するにあたり考えたことは、まずは最低1,000人は集めてお祭りのような熱気を出したいということです。初動の活気・熱気がなければ、このイベントは1回で終わってしまう、そのような想いのもと、「住友不動産がちゃんと汗をかいてやってるんだ」ということを伝えることで、お客様をご招待しました。結果、1,700名の方の参加に至ったのです。
今回の集客ではテナント様にも大変お世話になりました。私たちが直接お声がけしたテナント様が他部署やグループ会社、取引先にまで話を広げてくれたケースもありました。私たちの熱気が伝わったのではないかと感慨深い経験でした。
16社の登壇枠に140社がエントリー。ピッチ・セッションをはじめ商談マッチングを兼ね備えた複合イベントの実現
ーサミットのプログラムについて教えてください
今回のサミットはピッチコンテストとトークセッションの二部構成としました。ピッチコンテストでは「創業10年以内であれば誰でも応募できる形」にしました。世の中にはシリーズB以降でも登壇できるピッチはなかなかないので、これはとても大きなことだったと思います。ある程度設立年数が経っていると、登壇慣れしていないと思われていたり、あったとしても有料だったり。「登壇できるピッチがない」というお声はよく聞きます。
そのような背景から、今回は16社登壇の枠に対して140社の応募がありました。参加できた方々からは、その宣伝効果は非常に大きく、入賞したか否かに関わらず、その後の商談や資金調達の大きな弾みになったというお声を多くいただき、「これ以上ない出会いの場を提供したい」という当初のコンセプトを叶えることができたと感じています。
ートークセッションについて教えてください
トークセッションでは「企業を牽引するオープンイノベーションとは?」「企業成長を促す働き方・オフィスとは?」などのテーマで行いました。こういったテーマを無料で、しかも連続して様々な視点からいくつも聞けるというのもなかなか貴重な機会だったのでは、と思います。普段こういった場にほとんど出ない方の登壇もあり、大事な要素をぎゅっと詰め込んだ、我々ならではのトークセッションが実現したと感じています。
EventHubの選定理由
当日だけではなくイベント前後に幅広く繋がるマッチングシステム
ーなぜEventHubを選んでいただいたのですか?
私たちが協賛・参加していた他のイベントの担当者からの紹介で、EventHubを知りました。EventHubは通常のイベント申込ツールの機能に加えて、ビジネスマッチング機能があるというところが大きな魅力でした。
ただイベントに来ていただくだけでなく、そこで普段ではなかなか接点の持てない相手とマッチングできるということは、多くの方々にとっても多大なメリットがあるのでは、と感じたのです。
そもそも私たち不動産業界も、コロナ禍では「会えない」という機会損失が長く続いていたので、コロナが明けたら、多くの人の架け橋になってあらゆる人を繋げたい、と常日頃考えていたんです。そんなときに出会ったEventHubというツールは私たちにとっても渡りに船でした。
ー実際にEventHubをどのように活用していただいたのですか?
EventHubはサミット当日を挟んで前後2週間ずつ利用しました。なぜなら、EventHubにはイベントの後にも交流期間を設定できるため、イベント当日だけでなく、長い期間お客様同士コミュニケーションをとっていただきたいと考えたからです。事前にも交流期間があることで、双方のことをあらかじめ知ることができます。また、当日会えなかったとしても、アプリ上で後日商談日を設定できるので、すれ違いを最小限に抑えられます。
このメリットはお客様自身も感じてくれたようで、イベントの感想の中でも「EventHubが良かった」「あのツールのお陰で、サミット終了後にもコンタクトが取れた」というお声をいただきました。
300件超の商談が生まれ、44あったブースも大盛況。EventHubがアシストしたもの
ーサミット当日の商談ブースは盛り上がったようですね
はい、ありがとうございます。最終的には300件超の商談機会が生まれました。サミット当日はピッチやセッションなど様々なコンテンツがある中で、この数字はすごいと感じました。正直、EventHubというツールのアシストがあったから達成できたことだと思っています。
今後の展望
「オープンやクローズ」「主催や共催」など様々な形でベンチャーが主役になる場を追求していきたい
ー今後の活動ビジョンについて教えてください。
今回初めて開催した「住友不動産ベンチャーサミット」。今後も定期的に開催していきたいと考えています。そして、着実に回数を重ねていきながら、新しい参加者を増やしていくことで「巨大なビジネスマッチングの場」を提供していくこと、それが重要だと思っています。
今後は主催だけではなく、共催によるイベントなど多面的な展開を想定しています。加えてイベントの内容もオープンなもの、クローズなものというように、参加者のニーズに合わせるとともに、スタートアップが主役になれるイベントを行っていきます。もちろんEventHubの力も借りながら、「住友不動産だからこその熱量」を提供していきたいです。
取材協力
住友不動産株式会社 住友不動産グロースサポート事業部