イベント決済システム比較|チケット販売から入金管理まで一元化する方法
「有料イベントの参加費をオンラインで回収したいが、決済システムをどう選べばいいかわからない」「決済データと参加者リストが別管理になっていて、突合作業に毎回時間がかかる」このような課題に直面しているイベント運営担当者は少なくありません。本記事では、イベント決済システムの基本機能から選び方の3基準、主要3サービスの比較、導入ステップ、法的注意点までを網羅的に解説します。初めて導入する方はもちろん、既存システムからの乗り換えを検討中の方にも役立つ内容です。
イベント決済システムとは?基本機能と導入メリット
イベント決済システムとは、カンファレンスやセミナーなどの有料イベントにおいて、チケット販売・オンライン決済・入金管理・参加者データの連携を一元的に行うための仕組みです。申込みから決済完了・入金確認までのプロセス全体を自動化でき、手作業による運営工数を削減できる点が最大の特徴です。
イベント決済システムの基本機能
イベント決済システムには、チケット販売機能、オンライン決済処理、入金ステータスの自動管理、参加者データとの連携という4つの基本機能が備わっています。これらの機能が連動することで、申込みから入金確認、当日の受付、イベント後のフォローアップまでを一つのプラットフォーム上で完結できます。
具体的には、以下のような機能が一般的です。
- チケット販売機能
無料・有料・早割・VIP・グループ割など、複数のチケットタイプを柔軟に設計できる - オンライン決済
Visa・Mastercard・JCBなど主要クレジットカードブランドに対応。BtoBでは対応ブランドの幅と決済手数料率が選定の分かれ目になることも多い - 入金管理
誰が支払い済みで、誰が未入金かをリアルタイムで把握。未入金者へは自動リマインドが飛ぶため、催促の手間がなくなる - 参加者データ連携
決済データと申込み情報を自動で紐づけ、SalesforceやHubSpotなどCRM(顧客関係管理)/MA(マーケティングオートメーション)ツールへそのまま流し込める
イベント決済システムを導入する3つのメリット
イベント決済システムの導入により、代金未回収リスクの防止、経理・入金管理の効率化、参加者データの一元管理という3つのメリットが得られます。特にBtoBイベントでは、これらのメリットが運営コストの削減と商談化の加速に直結します。
- メリット①:代金未回収の防止
事前のクレジットカード決済を導入することで、当日の「参加費未払い」を根本的に防止できます。参加者はオンラインで即時決済を完了できるため、主催者側の入金確認工数もゼロに近づきます。 - メリット②:経理・入金管理の効率化
入金確認の手作業がなくなり、月次の経理処理にかかる時間を数時間から数十分に圧縮できます。入金データのCSVエクスポートやレポート機能を活用すれば、売上集計や未入金フォローもスムーズです。 - メリット③:参加者データの一元管理
「誰が申込み、誰が決済を完了し、誰が当日参加したか」というデータを一つのシステムで管理できます。このデータをCRM/MAツールに連携すれば、イベント後のフォローアップメールやリードナーチャリングの精度も高まります。
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イベント決済システムの選び方|3つの基準で比較する
イベント決済システムを選定する際は、「チケット販売・課金機能の柔軟性」「クレジット決済できるブランドの幅」「参加者管理・CRM連携との一元化」の3基準で比較すると、自社のイベント運営に最適なシステムを見極めやすくなります。それぞれの基準で何を確認すべきかを解説します。本記事ではカンファレンス・セミナー・展示会を含むイベント全般の決済システムを取り上げます。
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基準①:チケット販売・課金機能の柔軟性
チケットの種類設計や料金体系を柔軟に設定できると、イベント運営の自由度も高くなります。早割・VIP席・グループ割引など、マーケティング施策と連動した料金設定ができるシステムを選びましょう。
たとえば、カンファレンスでは「基調講演のみ無料」「全セッション参加は有料」といった複数の価格帯を設けるケースがあります。こうした柔軟な設計に対応できるかどうかを事前に確認してください。
基準②:クレジット決済できるブランドの幅
参加者の利便性を高めるには、Visa・Mastercardだけでなく、JCB・American Express・Diners Clubなど国内外の主要クレジットカードブランドに幅広く対応しているシステムを選ぶことが重要です。特にBtoBイベントでは、参加者が法人カードで決済するケースが多いため、対応しているブランドの多さが申込み率にも影響します。
決済手数料もシステムによって異なります。クレジットカード決済で5%〜10%程度が一般的ですが、初期費用や月額固定費が発生するシステムもあるため、年間の開催回数や想定売上をもとに総コストを比較することをおすすめします。
基準③:参加者管理・CRM連携との一元化
決済データと参加者管理が分断されていると、入金確認のたびに手作業でデータを突合しなければなりません。申込み・決済・受付・フォローアップまでのデータが一貫して連携されるシステムを選ぶことで、この手間をゼロにできます。
さらに、SalesforceやHubSpotなどのMA/SFA(営業支援)ツールとの自動連携に対応していれば、イベント後の商談化スピードも向上します。「誰がどのセッションに参加し、どの資料をダウンロードしたか」といった行動データまで連携できるシステムであれば、営業担当者がHOTリードに即座にアプローチ可能です。
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主要イベント決済システムの比較
ここでは、BtoBイベントでの利用実績が豊富な3つの主要システムであるEventHub、Peatix、イベントペイを取り上げ、それぞれの特徴と強みを整理します。自社のイベント規模や目的に合わせて最適なシステムを選定する際の参考にしてください。
EventHub|チケット販売から商談化まで一気通貫
EventHubは、チケット販売・オンライン決済・参加者管理・CRM/MA連携までを一つのプラットフォームで完結できるイベントマーケティングプラットフォームです。
有料チケットでは、早割・VIP・グループ割引など複数の価格帯を1つの管理画面で設定でき、カンファレンスのように「基調講演のみ無料」「全セッション参加は有料」といった柔軟な料金設計にも対応します。Visa・Mastercard・JCBなど主要クレジットカードブランドでの決済に対応しており、参加者はスムーズにオンライン決済を完了できます。
入金ステータスはリアルタイムで管理画面に反映され、未入金者への自動リマインドメールも設定できるため、入金確認の手作業が不要になります。
特に強みとなるのが、決済データと参加者の行動データ(セッション視聴ログ・アンケート回答・ネットワーキング活動)を統合し、HOTリードを即時に特定できる点です。Salesforce、HubSpot、Marketoなど主要なMA/SFAツールとの自動連携に対応しており、イベント翌営業日には営業チームがフォローを開始できます。オンライン・オフライン・ハイブリッドのいずれの開催形式にも対応しています。
Peatix|シンプルなチケット販売に強い
Peatixは、チケット販売と集客に特化したイベントプラットフォームです。初期費用・月額費用が無料で、チケットが売れた際の決済手数料のみで利用できるため、小規模〜中規模のイベントに適しています。
操作がシンプルで、イベントページの作成からチケット販売までを短時間で始められる点が魅力です。コミュニティ機能を活用した集客にも強みがあり、BtoC向けイベントや小規模なBtoBセミナーでの利用実績が豊富です。一方、CRM/MAツールとの直接連携やBtoB向けの高度な参加者管理機能は限定的なため、大規模なBtoBカンファレンスには機能面での検討が必要です。
イベントペイ|申込受付×決済の自動化特化
イベントペイは、イベントの申込受付と決済処理の自動化に特化したサービスです。申込み完了後の自動メール配信、参加者管理、入金ステータスの自動更新といった機能が充実しており、学会やセミナーなど定型的なイベントの運営効率化に適しています。
クレジットカード決済に加え、複数の決済手段に対応しており、決済の柔軟性が特徴です。参加者管理機能も備えていますが、MA/SFAツールとの連携やマーケティングデータの活用という点では、専用の連携機能を持つシステムと比較すると対応範囲が異なります。
【比較表】手数料・機能・対応規模の一覧
| 項目 | EventHub | Peatix | イベントペイ |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ | 無料 | 無料 |
| 月額費用 | 要問い合わせ | 無料 | 要問い合わせ |
| 決済手数料 | 要問い合わせ | 4.9% + 99円/枚 | 3.5%〜 |
| クレジットカード決済 | ○ | ○ | ○ |
| CRM/MA連携 | ○(Salesforce、HubSpot、Marketo等) | △(API経由) | △(CSV連携) |
| 参加者管理 | ○ | ○ | ○ |
| ハイブリッド対応 | ○ | — | — |
| 推奨規模 | 中規模〜大規模(BtoBカンファレンス) | 小規模〜中規模(BtoC〜小規模BtoB) | 小規模〜中規模(学会・セミナー) |
※ 手数料・機能は2026年3月時点の公開情報に基づきます。最新の情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。
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イベント決済システム導入の5ステップ
イベント決済システムの導入は「決済フロー設計」→「チケット設計」→「申込みページ公開」→「自動通知設定」→「入金確認・経理処理」の5ステップで進めるのが効率的です。各ステップを順序立てて実行すれば、スムーズにオンライン決済を開始でき、運営工数の削減や決済データの活用も実現します。
Step 1:イベント種別に応じた決済フロー設計
まず、開催するイベントの種別(カンファレンス・セミナー・展示会など)に応じて、最適な決済フローを設計します。「事前決済のみにするか」「当日払いも受け付けるか」「どのクレジットカードブランドに対応するか」といった方針を決めることが出発点です。BtoBイベントでは、事前のクレジットカード決済を基本とするケースが一般的です。
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Step 2:チケットタイプと料金体系の設計
次に、チケットの種類と価格帯を設定します。全日程参加チケット、単日チケット、早割チケット、VIPチケットなど、参加者のニーズに合わせて複数のタイプを用意すると申込み率の向上が期待できます。グループ割引の設定も検討しましょう。
Step 3:決済設定と申込みページの公開
システム上でクレジットカード決済の設定を行い、申込みページを作成・公開します。対応ブランドの設定や決済画面のカスタマイズが簡単にできるかどうかも、システム選定時に確認しておきたいポイントです。申込みフォームには参加者情報の入力項目を設定し、後の受付やフォローアップに必要なデータを取得できるようにしておくことが大切です。
Step 4:参加者への自動通知・リマインド設定
申込み完了メール、決済確認メール、開催前のリマインドメールなど、自動配信メールの設定を行います。未入金者への催促メールも自動化しておくことで、運営担当者の工数を最小限に抑えられます。
Step 5:入金確認・経理処理・レポート作成
イベント終了後は、入金データの確認と経理処理を行います。システムからCSVやレポートをエクスポートし、売上集計や未入金者のフォローを実施します。決済データと参加者データを統合して分析すれば、次回イベントの改善にも活用できます。
イベント決済で注意すべきポイント
イベント決済システムを導入する際は、法的要件の遵守とリスク管理の観点から、特定商取引法対応・返金ポリシー・セキュリティの3点に注意が必要です。事前に体制を整えておくことで、参加者との信頼関係を維持できます。
特定商取引法に基づく表記
有料チケットをオンラインで販売する場合、特定商取引法に基づく表記が必要です。事業者の名称・住所・連絡先・販売価格・支払方法・返品に関する事項などを、申込みページ上に明記しなければなりません。表記漏れは法令違反となるため、公開前に必ずチェックしましょう。
キャンセル・返金ポリシーの設計
キャンセルや返金に関するポリシーは、チケット販売開始前に明確に定めておく必要があります。「開催日の何日前までキャンセル可能か」「返金手数料は発生するか」「チケットの譲渡は認めるか」といった条件を具体的に設定し、申込みページに明示しましょう。ポリシーが曖昧なまま販売を開始すると、トラブルの原因になります。
個人情報保護とセキュリティ対策
決済システムでは参加者の個人情報やクレジットカード情報を取り扱うため、セキュリティ対策は最も重要な確認項目です。PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)に準拠しているか、SSL/TLSによる通信暗号化が行われているか、個人情報の取り扱いに関するプライバシーポリシーが整備されているかを確認しましょう。
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まとめ:イベント決済は参加者管理との一元化がカギ
イベント決済システムを導入する際は、単に「オンラインで決済できる」だけでなく、参加者管理やCRM/MAツールとの一元化を実現できるかどうかが、運営効率と商談化成果を左右するポイントです。
まずは「次のイベントで、決済データをどこまで活用したいか」を整理するところから始めてみてください。チケット販売だけで十分なのか、CRM連携まで見据えるのかで、最適なシステムは変わります。本記事の3つの選定基準である、チケット販売・課金機能の柔軟性、クレジット決済できるブランドの幅、参加者管理・CRM連携をチェックリスト代わりに使い、候補ツールを横並びで評価するのが最短ルートです。
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イベント決済システムに関するよくあるご質問
質問:イベント決済システムの手数料相場はどのくらいですか?
回答:クレジットカード決済で5%〜10%が一般的な相場です。初期費用・月額費用はシステムによって大きく異なり、無料のサービスから月額数万円のサービスまで幅があります。年間の開催回数と想定チケット売上を試算したうえで、手数料率だけでなく総コストで比較するのがおすすめです。
質問:無料で使えるイベント決済システムはありますか?
回答:Peatixは初期費用・月額費用が無料で、チケット販売時の決済手数料(4.9%+99円/枚)のみで利用できます。小規模イベントや初めてオンライン決済を導入する場合に手軽な選択肢です。ただし、CRM/MA連携やBtoB向けの高度な参加者管理機能が必要な場合は、有料プランのあるシステムも検討してください。
質問: BtoBイベントに適したイベント決済システムの選び方は?
回答:BtoBイベントでは、参加者管理とCRM/MAツールとの連携が商談化に直結するため、決済データと参加者データを一元管理できるシステムを選ぶことが重要です。対応クレジットカードブランドの幅広さも、法人カード利用者が多いBtoBでは見落とせないポイントです。
質問:イベント決済データをCRM/MAツールと連携するメリットは?
回答:決済完了者の情報を自動でSalesforceやHubSpotに連携することで、イベント後のフォローアップを迅速化できます。「誰が有料チケットを購入し、実際に参加したか」が即座にわかるため、営業チームがHOTリードに素早くアプローチできるようになります。手動でのデータ突合が不要になる点も、運営効率化の観点で大きなメリットです。
こちらの記事の監修・執筆者
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株式会社EventHub マーケティングマネージャー 鈴木 優一 |
| 2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。 |
