展示会の成果指標は?ブース出展の費用対効果
展示会に出展したことのある方の中には、「出展したはいいものの成果が把握できずに困った」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?出展の後、社内にてその成果を共有するために結果を数値として見える化したいがなかなかそれが難しいということも。
そこで本稿では、展示会出展の費用対効果についてご説明します。
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展示会出展の成果を測る指標|費用対効果(ROI)
展示会出展の成果がコストに見合ったものなのかを確かめる方法として、費用対効果の算出があります。具体的には、【出展による利益や効果】を【出展にかけた費用】で割って算出されるのが、費用対効果です。
【展示会出展にかかる費用】として計算される項目には以下のようなものがあります。
- 出展費用
- 設営費用
- ノベルティ・フライヤー作成費用
- DM制作費用
- パンフレット・チラシ作成費用
- スタッフ人件費(当日)
一方で【展示会出展による利益や効果】としてよく使われる指標には、以下のようなものがあります。
- 受注額
- 有効名刺数:1件あたりの費用を算出
- 総商談数(アポイント数):1件あたりの費用を算出
【展示会出展による利益や効果】を【展示会出展にかかる費用】で割ると、費用対効果(ROI)を算出できます。具体的には、1件の有効名刺数あたりの費用を算出したり、1商談数あたりの費用を算出したりします。
なお、一般的に展示会の費用対効果を正確に算出するのは難しいとも言われています。名刺獲得から受注までのリードタイムが1年以上になる場合もありますし、展示会の成果として受注に繋がったのか判断しきれない場合もあるからです。
また、有効名刺・アポイント1件あたりの費用を算出しても、業界やビジネスモデルによって適正な価格は異なるので注意が必要です。
その他のよくある成果指標
前回の出展成果と比べたり、次回の出展に向けて改善したりするための指標としてよく使われるものについてまとめました。
PR(認知度向上)
展示会の出展にはいくつか目的がありますが、その中でも「企業認知向上、サービスのPR」を目的に出展する場合には、認知度向上が成果指標として用いられます。また、BtoC企業の場合、このPRは重要な経営指標にもなるので、よく使われる指標と言えます。
これを測る具体的な数値としては、主に「来場者数」が用いられます。ノベルティとの交換やアンケートで得た来場者情報、自社ブースを訪れた来場者数などがこれにあたります。
リード数(有効名刺枚数)
展示会で獲得した名刺の数を成果指標とするケースも多いです。ただ獲得した名刺を数えるのではなく、事前にスコアリングの基準を設定しておいて、各基準を満たしている名刺の数を「有効数」とカウントして成果と認識する場合も多いです。もちろん自社の関係者や競合は排除し、意味のあるリードのみをカウントするなど、明確なルールが必要です。
ただ闇雲に交換した名刺を数えるのではなく、リードの質を重視して評価するこの方法は、受注を目的として出展する場合に有効で、売り上げ向上の可能性を可視化することができます。ノベルティ目的・情報収集目的の関心度が低いリードなのか、商談につながる確度の高いリードなのか、決裁権を持つ役職なのか。ランク付けを行い、重要度が高いリードほど配点を高くしていく。あらかじめ目標点数を設定しておいて、その点数獲得を目指すことで、目的達成につながる名刺交換が可能になります。
商談数(アポイント数)
BtoB企業や高額な商品の場合は、なかなかその場での受注とはならないものです。そういう意味では、受注の前段階である「商談」の数は、リード獲得とともに展示会の成果を測る格好の指標となります。ただ、「商談」というだけでは「接客」や「アポイント」と混同され、正確なカウントができないおそれがあります。そのため、どこまでを商談として扱うのかをあらかじめ定義しておくことが大切です。
受注数(受注額)
商材の単価が類似している場合は受注数を、単価が大きく異なる場合は受注額を指標とすると正確な成果が測れます。展示会の目的を受注としている場合、受注額は最もわかりやすい成果の一つです。一方で、展示会でのリード獲得から受注まで1年以上かかるケースもあるので、短期的な成果指標、開催直後の成果指標としては扱いにくい部分もあります。
出展成果を高める工夫|KPIの設定
商談獲得や受注を出展の目的としている場合、いくら多くのリードを獲得できても、それを次のステップにつなげられなければ成果として認められません。そこで、売り上げにつながるまでのステップを可視化して、各段階で達成すべき数値を決め、目的の達成度合いを把握する方法があります。
名刺獲得数やアポイント数を指標として進捗率を明確にすることで、どのプロセスに改善の余地があるのか、解決策の選定が可能になり、部署を超えて受注率向上を目指すことにつながります。この方法だと、リードタイムが長期化する傾向にある場合でも、進捗状況を把握できます。
そもそもKPIとは
KPIはKey Performance Indicatorsの略で、日本語に翻訳すると「重要業績評価指標」となります。これは、組織として目標達成に向かっていくために特に重要な指標です。
KPIを設定することで、それぞれのフェーズで達成状況を数値化でき、目標に対する組織のパフォーマンスを見える化できます。目標値と現状との乖離が発生しているのも可視化できるので、活動の途上でも運営の方向性を修正することができます。
目標達成に向けたプロセスにおける達成度を把握し評価するための「中間目標」として非常に有効なのがKPIです。設定方法や決め方についてはこちらの記事をご覧ください。
https://eventhub.jp/blog/online-seminar-kpi/
よくある展示会のKPI
展示会出展において「KPI」に設定されやすい指標には以下のようなものがあります。
- ブースへの訪問者数
- リード数(名刺獲得数)
- 商談数
- コンバージョン率
適切なKPIはビジネスモデルや商材によって異なります。例えば、成約までのリードタイムが短期間の場合は、コンバージョン率をKPIとして設定します。一方、成約までのリードタイムが長期間にわたる場合は、名刺獲得数をKPIとして設定することで、受注を待たなくても次の出展に向けた改善が可能です。
コロナ禍で来場者数の減少が激しいですが、これに伴い展示会出展の際に設定するKPI指標も変える必要があります。例えば、来場者が激減している中でリード数だけをKPIにするのではなく、スコアリングに基づいた有効名刺枚数や確度の高いリード数をKPIに設定することで正確な成果計測ができます。
まとめ
展示会出展の成果を測る方法について解説しました。費用対効果をはじめとした成果を数値として可視化することで、前回との比較・次回への改善を実施できます。出展の際にはぜひ活用してみてください。