オンライン・ハイブリッドカンファレンスの成功ポイント

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「大規模カンファレンスを開催したいが、オンラインとリアルのどちらで実施すべきか迷っている」「ハイブリッド形式に興味はあるが、運営が複雑になりそうで踏み切れない」こうした悩みを抱える企画担当者は少なくありません。

従来、BtoBカンファレンスといえば大規模な会場に参加者を集めて開催するのが一般的でした。しかし近年では、オンライン配信技術の進化やビジネス環境の変化に伴い、開催形式の選択肢は大きく広がっています。

本記事では、BtoBカンファレンスにおけるオンライン・オフライン・ハイブリッドそれぞれの開催形式の特徴を整理し、自社の目的に合った形式の選び方から、成功に導く準備・運営のポイントまでを解説します。参加者体験を損なわず、取得したデータを商談創出につなげる設計のコツもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

カンファレンスの開催形式とは?3つの種類と特徴

カンファレンスの開催形式は、大きく「オンライン」「オフライン(リアル)」「ハイブリッド」の3種類に分けられます。それぞれの形式には固有の特徴があり、イベントの目的やターゲット、予算、運営体制によって最適な選択は異なります。

まずは各形式の基本的な定義と特徴を確認しましょう。なお、カンファレンスはセミナーやウェビナーと混同されることがありますが、一般的にカンファレンスはより大規模で、複数のセッションや登壇者によるプログラム構成、参加者同士の交流機会を含む点が特徴です。

オンラインカンファレンスの特徴

オンラインカンファレンスは、インターネットを通じて完全にデジタル環境で実施する形式です。参加者は自宅やオフィスなど、場所を問わずPCやスマートフォンからアクセスできます。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 専用の配信プラットフォームやウェビナーツールを活用してセッションを運営
  • 基調講演、分科会、パネルディスカッションなど複数プログラムを同時開催可能
  • チャット機能やQ&Aを通じた双方向コミュニケーションの実現
  • 視聴データ(誰が・どのセッションを・どのくらい視聴したか)の詳細な取得が可能

物理的な会場が不要なため、会場費や設営費を抑えられる一方、参加者同士の偶発的な出会いや対面での深い交流は生まれにくいという側面もあります。

オフライン(リアル)カンファレンスの特徴

オフラインカンファレンスは、ホールや会議室、カンファレンス施設などの会場に参加者が実際に集まる従来型の形式です。対面ならではの臨場感や、登壇者と参加者の直接的なコミュニケーションが最大の価値となります。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 会場の雰囲気や演出によるブランド体験の訴求が可能
  • 名刺交換、ブース訪問、懇親会など商談接点を創出しやすい
  • 参加者同士のネットワーキングによるコミュニティ形成
  • 登壇者との距離が近く、質疑応答も活発になりやすい

一方で、会場の収容人数に物理的な上限があること、遠方からの参加にはコストや時間がかかること、会場費・運営費が高額になりやすいことなどの制約もあります。

ハイブリッドカンファレンスの特徴

ハイブリッドカンファレンスは、リアル会場での開催とオンライン配信を同時に行う形式です。参加者は自身の状況やニーズに応じて、会場参加かオンライン視聴かを選択できます。

主な特徴は以下のとおりです。

  • オンライン・オフライン両方の参加者にリーチ可能
  • 地理的制約を超えた集客と、対面交流の価値を両立
  • 会場参加者とオンライン視聴者のデータを統合管理する仕組みが必要
  • 運営体制は両方に対応するため複雑化しやすい

ハイブリッド形式は両方のメリットを享受できる反面、オンライン参加者とオフライン参加者の体験格差をなくす設計や、データを一元管理する仕組みづくりが重要です。

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開催形式別のメリット・デメリット比較

3つの開催形式にはそれぞれ強みと課題があります。自社のカンファレンスに最適な形式を選定するために、主要な比較軸で整理してみましょう。

比較項目 オンライン オフライン(リアル) ハイブリッド
集客範囲 地理的制約なし。
全国・海外からも参加可能
会場周辺が中心。
遠方からの参加はハードル高
両方にリーチ可能。
最大の集客力
参加者体験 手軽だが没入感は低め。
離脱リスクあり
臨場感・交流の深さは最大 設計次第で両立可能
運営コスト 会場費不要で比較的低コスト 会場費・設営費・人件費など高コスト 両方の準備が必要で最も高コスト
データ取得 視聴ログなど詳細データを取得しやすい 受付データ・名刺情報が中心 統合管理の仕組み次第で最も充実
商談創出 データ活用で効率的なフォロー可能 対面での関係構築から直接商談へ 両方のアプローチが可能

オンライン開催のメリット・デメリット

メリット

  • 地理的制約がない:全国どこからでも、海外からでも参加可能。従来リーチできなかった層への集客が実現できます。
  • 会場費が不要:大規模会場の確保が不要なため、コストを大幅に抑えられます。
  • 参加ハードルが低い:移動時間や交通費がかからないため、気軽に申込みやすくなります。
  • 詳細な視聴データを取得可能:誰がどのセッションをどのくらい視聴したか、どこで離脱したかなどのデータを取得でき、フォローアップに活用できます。

デメリット

  • 参加者同士の交流が生まれにくい:偶発的な出会いや、休憩時間の雑談から生まれる関係構築は難しくなります。
  • 離脱率が高くなりやすい:他の業務と並行しながらの「ながら視聴」になりやすく、集中力が続きにくい傾向があります。
  • 配信トラブルのリスク:通信環境や機材の問題で映像・音声が途切れるリスクがあり、事前準備とバックアップ体制が必須です。

オフライン開催のメリット・デメリット

メリット

  • 深い関係構築が可能:対面での会話は信頼関係を築きやすく、その場で商談に発展するケースも少なくありません。
  • ブランド体験の訴求力:会場の装飾、演出、空間設計を通じて、自社のブランドイメージを強く印象づけられます。
  • 名刺交換など商談接点の創出:ブース訪問や懇親会を通じて、自然な形で見込み顧客との接点を持てます。
  • 登壇者との距離が近い:質疑応答が活発になりやすく、参加者の満足度向上につながります。

デメリット

  • 参加者数に物理的上限がある:会場のキャパシティ以上の集客はできません。人気のイベントでは抽選になることも。
  • 会場費・運営コストが高い:会場費、設営費、ケータリング、スタッフ人件費など、費用がかさみます。
  • 遠方からの参加が難しい:交通費や宿泊費の負担、移動時間の確保が必要となり、参加を見送る層が出てきます。

ハイブリッド開催のメリット・デメリット

メリット

  • 両方の良さを享受できる:オンラインの集客力と、オフラインの交流価値を同時に得られます。
  • 参加者の選択肢が広がる:参加者が自身の状況に応じて参加方法を選べるため、申込みハードルが下がります。
  • リーチの最大化:会場参加が難しい層にもオンラインでリーチでき、トータルの参加者数・リード数を増やせます。
  • データの充実:オンライン・オフライン両方のデータを統合することで、参加者の行動を多角的に分析できます。

デメリット

  • 運営が複雑化する:会場運営と配信運営の両方を同時に行うため、必要なスタッフ数やリソースが増加します。
  • 両方の体験設計が必要:オンライン参加者が「二級市民」にならないよう、双方に配慮した設計が求められます。
  • データ統合の仕組みが不可欠:オンラインとオフラインの参加者データを一元管理できなければ、せっかくのデータ資産を活かしきれません。

目的別・開催形式の選び方

「どの形式で開催すべきか」は、カンファレンスの目的によって答えが変わります。まずは「何を達成したいのか」を明確にし、その目的に最も適した形式を選定しましょう。

リード獲得の最大化が目的なら

新規リードをできるだけ多く獲得したい場合は、オンラインまたはハイブリッド形式が有効です。

地理的な制約を超えて集客できるため、従来アプローチできなかった地方企業や海外拠点の担当者にもリーチ可能です。また、オンライン参加者の視聴データを詳細に取得できるため、温度感の高いリードを効率的に特定し、優先順位をつけたフォローアップが実現します。

特にハイブリッド形式であれば、会場での名刺交換とオンラインでの視聴データを組み合わせることで、より多角的なリード情報を収集できます。

既存顧客との関係深化が目的なら

既存顧客やパートナー企業との関係を深め、アップセル・クロスセルや契約継続につなげたい場合は、オフラインまたはハイブリッド形式が適しています。

対面での深いコミュニケーションは、オンラインでは得られない信頼感を醸成します。VIP顧客向けの特別セッションや、登壇者との少人数ミーティング、個別商談ブースの設置など、特別感のある体験を提供することで関係性を強化できます。

ハイブリッド形式の場合は、重要顧客には会場参加を促しつつ、参加が難しい顧客にはオンラインでフォローするという柔軟な対応も可能です。

ブランディング・認知拡大が目的なら

自社の認知度向上やブランドイメージの確立を目的とする場合は、ハイブリッド形式でリーチと体験の両立を狙うのが効果的です。

リアル会場では、空間デザインや演出を通じて自社の世界観を体現し、来場者に強い印象を与えられます。同時に、その様子を高品質な映像で配信することで、オンライン視聴者にもブランド体験を届けることができます。

また、アーカイブ動画として残すことで、イベント終了後も継続的な認知拡大の資産として活用できます。

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ハイブリッドカンファレンス成功のための準備ポイント

ハイブリッドカンファレンスは、オンラインとオフラインの両方を同時に運営するため、準備すべき項目が多岐にわたります。ここでは、成功に導くための重要な準備ポイントを解説します。

会場選定と配信環境の両立

ハイブリッド開催では、会場選定の段階から配信を見据えた検討が必要です。従来のオフラインイベントとは異なる視点で会場を評価しましょう。

会場選定時のチェックポイント

確認項目 具体的な確認内容
通信環境 安定した有線インターネット回線が利用可能か。回線速度・容量は十分か
電源設備 配信機材用の電源が十分に確保できるか。専用回線の用意が可能か
照明 登壇者が映える照明環境があるか。窓からの自然光が逆光にならないか
音響 会場音響と配信用音声を別系統で取れるか。ハウリング対策は可能か
撮影スペース カメラ設置位置を確保できるか。複数アングルでの撮影は可能か
控室・バックヤード 配信オペレーション用のスペースがあるか

配信クオリティは参加者体験に直結します。社内リソースだけで対応が難しい場合は、外部の配信業者への依頼も検討しましょう。事前に会場での技術リハーサルを行い、本番と同じ環境で映像・音声の確認をすることが重要です。

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参加者体験の設計——オンラインとオフラインの「格差」をなくす

ハイブリッドカンファレンスで最も注意すべきは、オンライン参加者が「二級市民」のように感じてしまう体験格差です。画面越しに見ているだけで疎外感を感じれば、途中離脱や満足度低下につながります。

オンライン参加者の体験を向上させる工夫

  • 専用のモデレーターを配置:オンライン参加者からの質問やコメントを拾い、会場に届ける役割を担う人員を用意します。
  • 双方向性の担保:Q&A機能、投票機能、チャット機能を活用し、オンライン参加者も「参加している」実感を持てるようにします。
  • オンライン専用コンテンツの用意:会場参加者には提供しない特典(登壇者との少人数オンラインミートアップなど)を設けることで、オンライン参加の価値を高めます。
  • 画面構成への配慮:登壇者の表情が見えるカメラアングル、スライドの見やすさ、字幕の活用など、オンライン視聴者目線での映像設計を行います。

一方で、オフライン参加者向けには、対面ならではのネットワーキング機会や、ブース訪問、懇親会など、会場に足を運ぶ価値を感じられるコンテンツを用意しましょう。

運営体制とタイムラインの設計

ハイブリッド開催では、オンライン運営チームとオフライン運営チームの連携が成否を分けます。それぞれの担当領域を明確にし、情報共有の仕組みを構築しておきましょう。

運営体制の役割分担例

  • 全体統括(ディレクター):両チームを横断して進行を管理。トラブル発生時の意思決定を担う
  • 会場運営チーム:受付、誘導、登壇者対応、音響・照明オペレーションなど
  • 配信運営チーム:カメラ・スイッチャー操作、配信プラットフォーム管理、オンラインQ&A対応など
  • テクニカルサポート:通信トラブル、機材トラブルへの即時対応

タイムラインについては、本番の3〜6カ月前から準備を開始するのが一般的です。特に外部の配信業者や登壇者との調整には時間がかかるため、早めのスケジュール設計が求められます。

また、本番1週間前〜前日には必ずリハーサルを実施し、配信の切り替えタイミング、登壇者の入退場、Q&Aの進行など、当日の流れを全スタッフで確認しておきましょう。

参加者データを一元管理する仕組みづくり

ハイブリッドカンファレンスの大きな強みは、オンライン・オフライン両方の参加者データを統合できる点にあります。しかし、これを実現するには事前のシステム設計が不可欠です。

統合すべきデータの種類

データカテゴリ オフライン オンライン
参加者属性 申込みフォーム、名刺情報 申込みフォーム
参加状況 QRコード受付、セッション入退場 ログイン、視聴時間、離脱タイミング
行動データ ブース訪問、資料受け取り クリック、資料ダウンロード
エンゲージメント 質疑応答、名刺交換 Q&A投稿、チャット発言、投票参加
アンケート 紙またはQRコード経由 オンラインフォーム

これらのデータを一元管理するためには、イベント管理プラットフォームの活用が効果的です。プラットフォームによっては、QRコードによる受付データとオンライン視聴データを同一のデータベースで管理でき、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)との連携も容易になります。

当日運営で押さえるべき実施のポイント

入念な準備を行っても、当日の運営で躓いては成果につながりません。ここでは、カンファレンス当日に特に注意すべきポイントを解説します。

受付・チェックインのスムーズな運用

受付は参加者が最初に接するタッチポイントであり、ここでの印象がイベント全体の評価に影響します。オンライン・オフラインそれぞれで、スムーズな導線を設計しましょう。

オフライン受付のポイント

  • QRコードによる受付:事前に参加者へQRコードを発行し、当日はスキャンするだけでチェックイン完了。待機列を最小化できます。
  • 複数レーンの設置:参加人数に応じて受付レーンを複数用意し、混雑を分散させます。
  • スタッフ配置:受付スタッフだけでなく、会場案内スタッフも配置し、初めて来場する参加者をサポートします。

オンライン受付のポイント

  • ログイン導線の明確化:参加者が迷わずイベントページにアクセスできるよう、事前リマインドメールでURLと手順を案内します。
  • 早めのリマインド配信:開催前日、当日朝、開始30分前など、複数回のリマインドで参加率を高めます。
  • テクニカルサポートの用意:ログインできない参加者向けに、問い合わせ先を明示しておきます。

ハイブリッド開催の場合、オンライン・オフライン両方のチェックインデータがリアルタイムで統合される仕組みがあると、参加状況の把握や終了後のフォローが格段に効率化します。

配信トラブルへの備えと対応

オンライン配信において、トラブルは「起こるもの」と想定して準備することが重要です。よくあるトラブルとその対策を押さえておきましょう。

よくあるトラブルと対策

トラブル 対策
音声が聞こえない
途切れる
予備マイクの用意、音声チェックの徹底、有線接続の優先
映像が乱れる
遅延する
回線の冗長化(メイン回線+バックアップ回線)、配信ビットレートの調整
登壇者の接続不良 登壇者には30分前に接続テストを依頼、バックアップ用の事前収録動画を準備
配信プラットフォームの障害 代替の配信手段(別プラットフォーム、YouTube Liveなど)を用意
スライドが表示されない 登壇者のスライドを事前に預かり、運営側でも共有できる状態に

本番前のリハーサルでは、実際の機材・回線・プラットフォームを使って通しで確認を行いましょう。また、当日はトラブル対応専任のスタッフを配置し、進行に影響を与えずに問題を解決できる体制を整えます。

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参加者エンゲージメントを高める工夫

カンファレンスの価値は、単に情報を伝えるだけでなく、参加者が能動的に関わり、記憶に残る体験を提供することにあります。特にオンライン参加者は受動的になりやすいため、意図的にエンゲージメントを高める仕掛けが必要です。

エンゲージメント向上の施策例

  • リアルタイムQ&A:セッション中に質問を受け付け、登壇者がライブで回答。参加者は「自分の質問が取り上げられた」という満足感を得られます。
  • 投票・アンケート機能:「あなたの会社ではどの課題が最も深刻ですか?」など、参加者が回答できる設問を挟むことで、集中力を維持できます。
  • チャット機能の活用:参加者同士のコメントを可視化し、「一緒に参加している」感覚を醸成します。
  • ネットワーキングタイムの設計:セッション間にオンライン参加者向けのブレイクアウトルームを設けたり、1対1のマッチング機能を活用したりすることで、交流機会を創出します。

これらの機能を効果的に活用するためには、事前に参加者へ使い方を案内しておくことも重要です。

開催後のデータ活用と効果測定

カンファレンスの真の成果は、開催後のアクションによって決まります。取得したデータをどのように活用し、商談創出やROI向上につなげるかが、BtoBカンファレンスにおける最大のテーマです。

取得すべきデータと活用方法

カンファレンスで取得できるデータは多岐にわたりますが、漫然と集めるのではなく、目的を持って収集・活用することが重要です。

取得すべきデータの種類

データカテゴリ 具体的なデータ項目 活用方法
参加者属性 企業名、役職、業種、部署、課題感 ターゲットセグメントの分析、パーソナライズされたフォロー
行動データ 視聴時間、参加セッション、ブース訪問、資料DL 興味関心の把握、HOTリードの特定
エンゲージメント 質疑応答、名刺交換 能動的な参加者の抽出
アンケート回答 満足度、興味を持ったテーマ、商談希望の有無 次回改善、商談意向の高いリードの特定

特にハイブリッド開催では、オフラインの受付データ・名刺情報と、オンラインの視聴ログ・行動データを統合することで、より立体的な参加者像を把握できます。

HOTリードの特定とインサイドセールス連携

取得したデータを活用する最も重要な目的の一つが、温度感の高い「HOTリード」を特定し、インサイドセールス(IS)に迅速に引き継ぐことです。

HOTリード特定のための複合条件例

  • 長時間視聴(例:全体の70%以上を視聴)+ アンケートで「商談希望」と回答
  • 複数セッションに参加 + Q&Aで質問を投稿
  • ブースを訪問 + 資料をダウンロード
  • 特定の製品紹介セッションを最後まで視聴

これらの条件を組み合わせてスコアリングを行い、優先順位をつけてフォローすることで、限られたリソースで最大の成果を得られます。

インサイドセールスへの引き継ぎポイント

  • 即時性:カンファレンス終了後、できれば当日〜翌営業日中にHOTリードへの架電を開始。競合より早くアプローチすることが重要です。
  • 文脈の共有:どのセッションに参加したか、どんな質問をしたか、アンケートで何に興味を示したかなど、ISが把握した上で連絡できるようにデータを共有します。
  • パーソナライズされたアプローチ:「〇〇セッションをご視聴いただきありがとうございました」など、参加者の行動に基づいたメッセージでアプローチします。

MA・SFAツールとの連携で成果を最大化

カンファレンスで取得したデータを最大限に活用するためには、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)との連携が不可欠です。手作業でのデータ入力・突合作業は時間がかかり、ミスも発生しやすいため、自動連携の仕組みを構築しましょう。

MA・SFA連携のメリット

  • リアルタイムでのデータ反映:参加者データがCRMに自動で追加・更新され、営業活動にすぐ活用できます。
  • セグメント別の自動フォロー:参加セッションや興味関心に応じて、異なる内容のフォローメールを自動配信できます。
  • 継続的なナーチャリング:すぐには商談化しないリードも、定期的な情報提供を通じて関係を維持し、適切なタイミングでアプローチできます。
  • ROIの可視化:カンファレンス参加者の商談化率、受注率をトラッキングし、イベント投資の効果を正確に測定できます。

主要なイベント管理プラットフォームは、Salesforce、Marketo、HubSpotなどの代表的なMA・SFAツールとの連携機能を備えています。自社の既存システムとスムーズに連携できるかどうかは、プラットフォーム選定時の重要な検討項目です。

ハイブリッドカンファレンスの成功事例

ここからは、イベントマーケティングプラットフォームである「EventHub」を活用してハイブリッドカンファレンスを成功させた企業の事例を紹介します。課題から施策、成果までの流れを参考に、自社の取り組みに活かしてください。

事例1:DIGGLE株式会社——来場者目標120%達成、アーカイブ視聴も大幅超過

企業概要: 予実管理SaaS「DIGGLE」を提供するスタートアップ企業

課題

DIGGLEは、予実管理システム市場がまだ成長期の入り口にある中、経営層や経営企画部門との接点を増やしたいと考えていました。しかし、このターゲット層と出会える場は限られており、どのようにアプローチすべきかが課題でした。また、カンファレンス後のフォローアップに活用できるデータを効率的に取得できるかも懸念点でした。

施策

2024年9月に経営者・経営企画部門向けのカンファレンス「DIGGLE Next Growth Conference」をハイブリッド形式で開催。オンライン開催が主流の中、あえてリアル会場での開催にこだわり、「体験」を通じて自社の世界観を伝えることを重視しました。具体的な取り組みは以下のとおりです。

  • 会場内に実際の顧客の声を装飾として展示し、リアルな評価を可視化
  • EventHubとHubSpotのAPI連携により、参加者データをCRMにスムーズに反映
  • Zapierを活用したSlack連携で、特定の来場者(記者や重要顧客)が来場した際に担当者へ自動通知する仕組みを構築
  • アーカイブ配信後は視聴完了者へ自動でお礼メールと次回ウェビナー案内を配信

成果

指標 目標 実績
申込み数 600名 700名超
当日来場者数 300名 360名超(目標比120%)
アーカイブ視聴 目標比120%達成

来場者からは「予実管理の重要性を再認識できた」「DIGGLEの世界観が伝わった」といった好評の声が多数寄せられました。また、HubSpotとの連携により、イベント後のフォローアップも効率化され、商談創出の基盤を構築できました。

担当者の声 「ウェビナーが当たり前になった中、改めてリアルの価値は見直されていると感じます。EventHubは一度もシステム障害が起きず、安心して運営できました」(DIGGLE株式会社 瀬川様)

事例:DIGGLE株式会社

予実管理SaaSのリーディングカンパニーとしてカンファレンスを開催 300名...
予実管理SaaSのリーディングカンパニーとしてカンファレンスを開催 300名...
「カンファレンス」検討時の課題 サービスの主軸である予実管理システム市場はまだまだ成長期の入り口にある 経営層や経営企画部門の方との接点をより持ちたい カンファ...

事例2:ネットワンシステムズ株式会社——3年間の継続開催でイベントから80件のリード創出

企業概要: 1988年創業の情報インフラ構築・ICT利活用支援企業

課題

ネットワンシステムズは、従来ハードウェア販売が中心でしたが、近年はサービス提供へと軸足を移しています。しかし、スペックで説明できるハードウェアと異なり、サービスの価値は伝えづらいという課題がありました。また、既存顧客を大切にする方針の中で、新規顧客との接点をどのように創出するかも検討課題でした。

施策

2021年からプライベートカンファレンス「netoneDay」をハイブリッド形式で開催。EventHubのイベントプロデュースチームと3年間にわたり協力し、会社の中期経営計画を踏まえたイベント設計を行いました。2024年開催時の具体的な取り組みは以下のとおりです。

  • 基調講演に将棋棋士・羽生善治九段と慶應義塾大学・栗原聡教授を招き、「AIとの共存」をテーマに対談セッションを実施
  • 全セッションで社外の登壇者を起用し、顧客が求める「他社事例」を充実
  • 社内のイノベーションセンター「netone valley」を会場とし、実際にサービスを体感できる環境を構築
  • EventHubの来場通知機能で申込み状況をリアルタイムで可視化し、社内のモチベーション向上に活用

成果

  • イベントから80件のリードを創出
  • 「今まで会う機会のなかった上長や他部署と繋がった」という営業からのフィードバック多数
  • 出展企業からも「とても良いイベントだった」と高評価
  • 社内からは「企画運営力が上がった」との声

担当者の声 「EventHubのプロデュースチームは、目先のイベントだけでなく、私たちのビジョンや中長期の課題を汲み取った上で企画運営をしてくれます。まるで同じ会社の一員のように感じています」(ネットワンシステムズ株式会社 服部様)

事例:ネットワンシステムズ株式会社

EventHubのイベントプロデューサーと共に歩んだ3年間 ・会社の中期経営...
EventHubのイベントプロデューサーと共に歩んだ3年間 ・会社の中期経営...
「カンファレンス」検討時の課題 スクラッチ開発など技術的な負荷をかけずに簡単に動画配信ができる データの一元管理ができるかどうか 会社の方針などを理解した上で参...

事例3:ALL STAR SAAS FUND——2000名超が登録、1人3秒のスムーズ受付を実現

企業概要: SaaS特化のベンチャーキャピタル

課題

ALL STAR SAAS FUNDは、SaaS起業家やマネージャー層の「目線を上げる」ことを目的にカンファレンスを開催していました。ハイブリッド形式で多くの人に熱量を届けたいと考える一方、参加者・運営側双方にとってストレスのないシステム選定が課題でした。また、参加者同士の交流を促進し、有意義な出会いを創出する仕組みも求めていました。

施策

2023年11月に「ALL STAR SAAS CONFERENCE 2023」をハイブリッド形式で開催。『SaaSの進化は常識を飛び越える』をテーマに掲げ、従来の「テックカンファレンスらしさ」を払拭した新しい世界観のイベントを企画しました。具体的な取り組みは以下のとおりです。

  • EventHubのQRコード受付機能により、1人約3秒でチェックイン完了
  • 同時通訳レシーバーの要否を受付時点で即座に判別できる仕組みを構築
  • 事前交流機能とタグ機能を活用し、参加者一人ひとりの転職希望や要望を事前に把握
  • 長年運営してきた自社メディア「ALL STAR SAAS BLOG」の読者を中心に集客

成果

  • 2000名超がイベントに登録
  • 受付トラブルはゼロ、参加者からも「迷わず利用できた」と好評
  • 事前に把握した情報をもとに、当日の会話がスムーズに進み、適切な情報提供が実現
  • 会場全体があたたかい雰囲気となり、参加者満足度が向上

担当者の声 「EventHubは初めて使う人でも全く迷わない操作性が魅力です。CSの方がこちらの要望に対して『できないことはできない』と伝えつつ、別の形で提案してくれる姿勢に信頼感がありました」(ALL STAR SAAS FUND 小林様)

事例:ALL STAR SAAS FUND

1人約3秒で受付完了!EventHubの選定理由は参加者も主催者も<ストレス...
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本記事では3社の事例をご紹介しましたが、業界・規模・目的によって成功パターンはさまざまです。「BtoBカンファレンス成功事例集」では、複数企業の具体的な課題・施策・成果をまとめてご覧いただけます。自社の状況に近い事例を見つけ、企画のヒントにお役立てください。

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まとめ:自社に最適な開催形式で成果につなげよう

本記事では、BtoBカンファレンスにおけるオンライン・オフライン・ハイブリッドの3つの開催形式について、それぞれの特徴、メリット・デメリット、選び方のポイント、そして成功のための準備・運営ノウハウを解説しました。

本記事のポイント

  • 開催形式の選定は「目的」から逆算する。リード獲得最大化ならオンライン/ハイブリッド、関係深化ならオフライン/ハイブリッドが有効
  • ハイブリッド開催では、オンライン参加者とオフライン参加者の「体験格差」をなくす設計が重要
  • 会場選定は配信環境を見据えて行い、事前リハーサルでトラブルを未然に防ぐ
  • 取得したデータを一元管理し、MA・SFAと連携することで、商談化率・ROIを最大化できる
  • 成功のポイントは「参加者体験」と「データ統合」の両立にある

カンファレンスは、適切に設計・運営すれば、大量のリード獲得と深い関係構築を同時に実現できる強力なマーケティング施策です。自社の目的とリソースに合った開催形式を選び、参加者にとっても、主催社にとっても価値あるイベントを実現してください。

よくあるご質問

質問:ハイブリッドカンファレンスの開催費用は、オンラインのみやオフラインのみと比べてどのくらい増加しますか?

回答:ハイブリッド開催の場合、オフライン開催に加えて配信設備・機材費、配信プラットフォーム利用料、配信オペレーションの人件費などが追加で発生します。一般的には、オフラインのみの開催費用に対して20〜50%程度の追加コストを見込む必要があります。ただし、オンライン参加枠を設けることで参加者数(リード数)を大幅に増やせるため、1リードあたりの獲得コストで見れば効率が良くなるケースも少なくありません。予算策定時は、追加コストだけでなく期待できる成果も含めてROIをシミュレーションすることをおすすめします。

質問:オンライン参加者とオフライン参加者の「体験格差」を埋めるために、最も効果的な施策は何ですか?

回答:最も効果的なのは、オンライン参加者専用のモデレーターを配置することです。モデレーターがチャットやQ&Aを常時モニタリングし、オンライン参加者からの質問を会場に届けたり、リアクションを登壇者に伝えたりすることで、「自分もこのイベントに参加している」という実感を持ってもらえます。また、投票機能や双方向のQ&A機能を積極的に活用し、オンライン参加者が能動的に関われる仕掛けをセッション内に組み込むことも重要です。さらに、オンライン参加者だけが参加できる登壇者との少人数ミートアップなど、オンラインならではの特典を用意する方法も有効です。

質問:配信トラブルが発生した場合、どのように対応すべきですか?

回答:まず大前提として、トラブルは「起こるもの」と想定し、事前にバックアップ体制を構築しておくことが重要です。具体的には、メイン回線とは別のバックアップ回線の用意、予備機材(カメラ、マイク、PC)の準備、登壇者の事前収録動画の確保などが挙げられます。万が一トラブルが発生した場合は、オンライン参加者に対して状況を速やかに伝え、「復旧まで少々お待ちください」などの案内画面を表示することで、無音・無映像の状態を避けます。また、配信オペレーション専任のスタッフをバックヤードに配置し、進行を止めずにトラブル対応できる体制を整えておくことが当日の安心につながります。

質問:カンファレンス終了後、どのくらいの期間でフォローアップを開始すべきですか?

回答:HOTリード(商談希望者や高エンゲージメント参加者)に対しては、可能な限りカンファレンス終了後の翌営業日中にフォローを開始することをおすすめします。参加者の記憶が鮮明なうちにアプローチすることで、反応率・商談化率が高まります。インサイドセールスからの架電やメールを競合より早く行うことで、商談機会を逃さずに済みます。一方、すぐには商談化しない中長期リードに対しては、1週間以内にフォローメールを送り、その後はMAを活用したナーチャリングプログラムに乗せて継続的な関係構築を行うのが効果的です。

質問:小規模な企業でもハイブリッドカンファレンスは開催できますか?

回答:はい、規模に関わらずハイブリッド開催は可能です。大規模な会場や高額な配信機材がなくても、会議室+ウェビナーツールの組み合わせで十分に実施できます。重要なのは、自社の目的とリソースに合った形式・規模を選ぶことです。参加人数が数十名〜100名程度であれば、専用のイベント管理プラットフォームを活用することで、申込み管理、QRコード受付、オンライン配信、参加者データの統合管理までを効率的に行えます。また、配信の品質を担保したい場合は、必要な部分だけ外部業者に依頼するという方法もあります。まずは小規模から始めて、ノウハウを蓄積しながら徐々に規模を拡大していくアプローチも有効です。

こちらの記事の監修・執筆者

株式会社EventHub
マーケティングマネージャー 
鈴木 優一
2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。

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