【イベントレポート】ウェビナーシリーズ EVENT HACKS#2 を開催しました!

2021年5月11日、弊社主催のウェビナー「2,000人カンファレンス運営者に聞く成功の秘訣」を開催いたしました。

EventHubエバンジェリストである野中瑛里子氏が毎回ゲストと対談し、オンラインイベントのあり方を模索するこのウェビナーシリーズ。オンラインイベントのメリットや成功の秘訣について経験豊富な登壇者の方にお話を伺い、参加者の皆さんの疑問や不安を解消していきます。

第2回目となった今回は、成長産業カンファレンス「FUSE」の運営を担当されたフォースタートアップス株式会社真島 隆大氏をゲストにお迎えします。初回で2,000人集客に成功したワケ、実際にEventHubで運営をしてみての学びなど、主催者側の目線でオンラインイベント企画のコツについてお話しいただきました。

KPIとコンセプトでイベントの目的が決まる

まずはイベントの準備を始める前に決めておくと良いことについて伺いました。

KPIを設定する

イベント企画で最も重要なことはイベントの目的を決めることです。イベント終了後に理想とする状態を決定しておくことで、イベント開催の目的が明確になり、必要な準備を洗い出すことができます。

「イベント開催を通じて最終的に達成したい目標が決定していれば(個人的な見解ではありますが)企画の6割は終わった状態だと思っています。目的が明確であれば、あとは穴を埋めていくための手段を考えるだけなんです」(真島さん・以下同)

イベント開催の目的を考える際には、現時点での自社の課題を深堀します。その問題を解決するために必要な要素を洗い出し、KPIとして設定することで、イベント企画の方向性が明確になります。

「FUSE開催の時も主に3つのポイントをKPIとして設定しました」

FUSE開催時に設定した『課題』→『KPI』

コンセプトを設定する

イベント概要やKPIが設定されていても、『ここだけはぶれないようにする』というコンセプトがないまま準備を進めるケースが多いそうです。

「一つひとつの言葉に対して共通認識を深めていくことで、企画のブレを解消できます。チーム内で合意が形成できていても、それが社内の意思決定者に伝わっておらず、準備を進めていくうちにイベントの趣旨がずれてしまうことも」

コンセプトは抽象的になりがちなので、認識の齟齬がないよう、社内でコンセンサスを取ることが重要になります。

目的達成のための手段を検討する

KPI・コンセプトを設計してイベントの目的が決まったら、イベントの準備に入っていきます。KPI 達成に必要な要素をブレイクダウンしていき、それぞれを達成するための手段を模索していく段階です。

「できる・できないは一旦置いておいて、ブレスト的に様々な方向性からブレイクダウンして手段の方向性を定めていきます」

FUSE開催時に考えた、『課題(開催目的)』→『方向性』

手段①:ツールの活用

オンラインイベントを開催できるツールには以下のようなものがあります(アルファベット順)。

  • Cisco Webex 
  • EventHub
  • Microsoft TeamsZoom
  • oVice
  • Remo
  • エリンギ

「どのツールを使うかについては過去の経験から大枠を絞り込み、社内検証、そして他社イベントに実際に参加することなど行いました。オンラインイベントが主流になった頃、Zoom・Remo・Discordを全て一緒に使ったこともあります。その度に、ユーザーがスムーズに入室できなかったり、動作性が良くなかったりと課題が見つかり…。今回は最初からEventHubが最も相性がいいだろうという想定はありました」

その中でEventHubを選んだ理由については、

  • マルチトラックがシームレスにできる
    • 2セッションが常に同時に流れるた1つのブラウザ内でユーザーが全てを完結できるUI/UXが満足度につながると考えていた
  • 参加者同士の交流を促せる
    • オフラインにはない『効率的な』交流機会をコンセプトの”融合”にちなんで体現したかった

の2点を挙げていただきました。

「オフライン開催には『誰がいるかわからないけど新しい繋がりが生まれる』という良さがあります。一方で、EventHubを使ったオンライン開催には『効率的に新しい繋がりが生まれる』というメリットがあります。それぞれの良さは別物として捉え、目的達成のためにオンラインの長所を120%活用することだけを考えました」

手段②:パートナー発信

「当社としては『スタートアップが中心となる』というコンセプトを大々的に打ち出していきたかったので、そこを共通のゴールとして掲げ、パートナーの獲得にあたりました。社内の繋がりをフルで活用して、FUSEの趣旨に共感いただける方々に地道に協力をお願いしていきました」

FUSEの登壇者は64名と数多く、一貫したコンセプトを掲げると同時に「今までのオープンイノベーション系イベントで見たことのない組み合わせ」を実現。この数字の大きさがイベントそのものの魅力としてターゲットに響き、参加登録者数や満足度に大きく影響し、今後の企画の継続性に繋がって行くと考えられたそうです。

”勝ちパターン”のない集客を制するために

「イベント集客には、簡単な方法とかコスパいい方法とか勝ちパターンはありません。前回うまくいった方法を試してみるのは有効ですが、それだけで達成できると思わない方がいいんです。最適な方法はイベントの趣旨や性質によって違うので」

集客では「無邪気にチャレンジ」してみる

真島さんが集客に取り組むときは様々な方面の人に『お願い』をしてみるそう。

  • パートナー企業
  • 社内の人間
  • 友人

「繋がりのある方々やパートナーとしてジョインいただく際に、『こういうイベントやるんですけど、こういうことやってみてもらえませんか?』『これをやっていただくためには何が必要ですか?』と個人的にお願いをしてみるのは有効です。無邪気な挑戦をするマインドで集客に取り組みますね。こういうことやってもらえたらいいな、と思ったことはお願いしてみる姿勢が大事です」

限られた予算の中で考える、集客の進め方

初回で2,000人集客を達成された真島さん。FUSEの集客施策について、段階ごとに方針を伺いました。

前半パートではデジタルマーケティングの効果最大化を得るために「無料でできること」を展開していき、地道にアクセスログを蓄積することを重視。後半パートでは無料でできることに加えて「有料で行うこと」を進め、そして期間全体を通して「全社的なSNSシェア」を行ったそうです。

さらにFUSE開催時はEventHubのメッセージ機能を活用して、参加者にログインを促したとも。

「EventHubのメッセージ機能では参加者同士がイベント開催前にもメッセージを送りあえるのですが、このメッセージを受け取った際に、メールで『どの会社のどの人からどういうメッセージが届いている』という通知が届くようになっているんですね。このように具体的なメッセージ内容を手軽にチェックできることで、登録者がイベントにログインしようというモチベーションを高めることができました」

他にも代表から全参加者に個別でメッセージを送るなど、参加者への細やかなフォローを実施したことで、参加者数だけでなくログイン率の向上にも繋がったようです。詳しい施策については、こちらの記事をご覧ください。

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集客面でのイベントコンセプト

集客面でも一貫性のあるコンセプトを掲げておくことが重要だといいます。

「FUSEに関しては初めての開催だったので、イベントとしてのオフィシャル感、大型イベント感を出すことを心がけました。イベントの公式感を打ち出すことで参加者を安心させ、参加者数を増やすことができます。登壇者数の多さやパートナー企業の名前などを掲載することで、『きちんとしたイベントである』ことを強調したいと考えました」

「イベントのイメージの土台を作ったうえで、イベント参加によって得られる価値、具体的にどんなことが学べるのかを発信します。今回は特に参加者同士の交流が要でしたので、ネットワーキングがあるイベントだということも大々的に宣伝しました」

集客の方法は下記のように様々です。

  • イベントLP
  •  SNSでの拡散
  • 広告出稿
  • 社内ネットワークの活用
  • パートナー発信

イベントのコンセプトを定めておくことで、これらの手段をいつどこでどう使うかのかを検討する際に役立ちます。ワーディングやクリエイティブ作成の方向性も定まるので、目的に沿ったブレない集客ができるのです。

そのほかのイベント運営TIPS

1時間たっぷりお話しいただいたので、イベントレポートには載せきれなかった部分も。最後に、オンラインイベントを開催するときに知っておきたい情報をまとめてご紹介します。

当日はできる限りタスクを持たない

「プロデューサーとディレクターは当日タスクは持たず、全体進行などの確認に徹しました。ピンチヒッター的に動ける状態を維持しておくことで、もしもの時に備えます」

登壇者のリハーサル用に待機室を準備

「登壇の15分前に登壇者が入室できる、別のZoom部屋を用意しました。マイクの最終チェックに使っていただいたり、背景がちゃんと写っているかどうか、運営スタッフに直接何か聞きたいことはないかなど。本番環境に近い形で自由に最終確認できる場所を準備しました。登壇いただいた方々からもご好評いただいたので、おすすめです」

当日も社員がSNSで告知

「PR担当は『どういうセッションが今行われています!』ということをSNSで発信し続けていました。そして社内メンバーは個人の SNSアカウントでそれをシェア。当日もこのサイクルを続けることで大きなインパクトを残せましたし、実際に当日参加を促す結果にもなりました」

小さなイベントでトライ&エラーを繰り返す

「社内の誰もイベント運営の経験がない場合、最初から大きなものにトライすると確実にトラブルが起きると思います。まずは勉強会など、カジュアルで小規模なものをやってみるのがいいですね。いきなり大きなイベントを開催しなくてはいけない場合、代理店にお願いするのも方法の一つです。運営の一部のみを代理店に委託する方法もありますよね」

ウェビナーシリーズの第二弾、いかがだったでしょうか?

たった1時間で完結するとは思えないほど、内容の濃いウェビナーとなりました。今後も月に一度のペースで、オンラインイベントについて考えるウェビナーを開催していきます。皆さまのご参加、お待ちしております!

まずはEventHub概要資料をご覧ください。

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