ウェビナーの決済方法とは?参加費の集金手段と決済システムの選び方
有料ウェビナーを開催するうえで避けて通れないのが「参加費をどうやって集金するか」という問題です。Zoomをはじめ多くのウェビナーツールには決済機能が搭載されておらず、外部サービスとの連携や別途の決済手段を用意する必要があります。銀行振込で対応している企業も少なくありませんが、入金確認の手間や未払い時のフォロー、参加者データとの突合作業に追われ、本来注力すべきコンテンツ準備に時間を割けないケースも多いのではないでしょうか。
この記事では、有料ウェビナーで活用できる4つの決済方法をメリット・デメリットとともに比較し、主要な決済サービスの手数料や機能を一覧で整理します。さらに、導入手順やサービス選定のチェックポイント、特定商取引法への対応まで網羅的に解説しますので、自社に最適な決済の仕組みを選ぶ参考にしてください。
ウェビナーの決済とは?有料ウェビナーに必要な集金の仕組み
有料ウェビナーの決済とは、参加者からオンラインで参加費を徴収し、入金確認・領収書発行までを一連のフローとして管理する仕組みです。無料ウェビナーにはなかった決済フロー・返金対応・経理処理といった業務が加わるため、適切な決済手段とオペレーションの設計が不可欠になります。
無料ウェビナーと有料ウェビナーの違い
無料ウェビナーと有料ウェビナーでは、運営に必要な業務範囲が大きく異なります。無料ウェビナーは「集客→申込み→配信」というシンプルなフローで完結しますが、有料ウェビナーでは「決済→入金確認→参加権付与→キャンセル対応→返金処理→領収書発行」という一連の業務が追加されます。
無料ウェビナーの場合、運営側の主な業務は集客と配信に集中できます。参加者はフォームに情報を入力するだけで申込みが完了し、視聴URLが自動送信される流れが一般的です。
一方、有料ウェビナーでは参加費の徴収に伴い、以下のような追加業務が発生します。
- 決済手段の選定と申込みページへの組み込み
- 入金ステータスの確認と未入金者へのリマインド
- キャンセル時の返金処理
- 領収書・請求書の発行対応
- 決済データと参加者管理データの突合作業
BtoB領域では、参加者が法人の経費として処理するケースが多く、請求書払いや領収書発行への対応も求められます。こうした業務を手作業で行うと運営負荷が大幅に増加してしまいます。
ウェビナー決済で求められる3つの要件
有料ウェビナーの決済手段を選ぶ際には、「参加者体験(UX)」「データ連携」「セキュリティ・法令遵守」の3つの要件を満たす必要があります。この3つのバランスが取れた決済手段を選ぶことで、参加者の離脱防止と運営効率化を両立できます。
要件1:参加者がストレスなく決済できるUX
申込みから決済完了までのステップ数が多いほど、途中離脱のリスクが高まります。理想は、集客ページ上で申込みと決済が1画面で完結する設計です。外部の決済ページへの遷移が発生すると、離脱率が上がる傾向にあります。
要件2:申込みデータと決済データの連携
誰が申込み済みで、誰が入金済みかをリアルタイムに把握できるかどうかは、運営効率に直結します。申込みフォームと決済システムが分離している場合、手作業でのデータ突合作業が必要となり、ヒューマンエラーやフォロー漏れの原因になります。
要件3:セキュリティと法令遵守
クレジットカード情報を取り扱う場合は、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)に準拠した決済サービスを利用する必要があります。また、有料ウェビナーは特定商取引法の通信販売に該当するため、事業者情報や返品・キャンセルポリシーの明示が義務付けられています。
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ウェビナーで使える4つの決済方法
有料ウェビナーの参加費を集金する手段は大きく4つに分類できます。それぞれ導入のしやすさ、手数料、運営負荷が異なるため、自社のウェビナー規模と参加者層から最適な方法を見極めましょう。
ウェビナーツールの内蔵決済機能を使う
一部のウェビナーツールやイベント管理プラットフォームには、申込みページに決済機能が組み込まれており、参加者は1つの画面で申込みと支払いを完了できます。申込みデータと決済データが自動で紐づくため、入金確認の手作業が不要になる点が最大のメリットです。
ただし、すべてのウェビナーツールが決済機能を備えているわけではありません。たとえばZoom Webinarには決済機能が搭載されていないため、この方法は利用できません。また、対応している決済手段(クレジットカード、コンビニ決済など)はツールによって異なるため、参加者の利便性を踏まえた確認が必要です。
この方法が向いているケース
- 申込みから配信まで1つのツールで完結させたい場合
- BtoBウェビナーでCRM/MAツールとのデータ連携を重視する場合
- 定期開催のウェビナーで運営フローを標準化したい場合
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外部のオンライン決済サービスと組み合わせる
PayPal、Stripe、Squareなどの外部決済サービスをウェビナーツールと組み合わせる方法です。Zoomウェビナーのように内蔵決済機能を持たないツールを利用している場合、この方法が主な選択肢となります。
導入のメリットは、すでに広く普及している決済インフラを活用できる点です。PayPalは世界中で利用者が多く、海外参加者を含むウェビナーにも対応しやすい特徴があります。Stripeはカスタマイズ性が高く、APIを活用した独自の決済フローを構築できます。
一方で、申込みフォームと決済画面が別々のシステムになるため、参加者は申込みと決済の2ステップを踏む必要があります。運営側も申込みデータと入金データの突合作業が発生するため、参加人数が多い場合は管理負荷が増加します。
また、各決済サービスの手数料体系にも注意が必要です。PayPalの場合、1件あたりの決済手数料は3.6%+40円(国内取引)が目安で、受取金額によってはコスト負担が大きくなります。
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イベント管理システムの決済機能を活用する
イベント管理プラットフォームが提供する決済機能を活用する方法です。EventHubやPeatixなどのプラットフォームでは、集客ページの作成、申込み受付、決済処理、参加者管理までを1つのシステムで一元化できます。
この方法の最大の強みは、決済データと参加者データが自動的に連携される点です。入金済みの参加者には自動で視聴URLを送信し、未入金の参加者にはリマインドメールを配信するといったオペレーションを自動化できます。
BtoBウェビナーの運営において特に見落とせないのは、CRM(Customer Relationship Management)やMA(Marketing Automation)ツールとの連携です。たとえばEventHubはSalesforce、Marketo、HubSpotなどの主要ツールとデータ連携が可能で、ウェビナー参加者の行動データを営業活動にそのまま活用できます。
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銀行振込・請求書払いで対応する
BtoBウェビナーでは、法人の経費処理の都合上、クレジットカード決済ではなく銀行振込や請求書払いを求められるケースがあります。特に参加費が高額な研修型ウェビナーや、少人数制の有料セミナーでは、請求書ベースの決済が一般的です。
メリットは、決済サービスの手数料がかからない点と、法人の経理フローに馴染みやすい点です。クレジットカードを持たない参加者や、カード決済のルールが厳格な企業にも対応できます。
デメリットは、入金確認の手間が大きいことです。振込名義と申込み者名の不一致、振込忘れ、入金遅延への個別対応が必要になります。参加者数が数十名を超えると、入金確認だけで相当な工数がかかります。また、開催直前の申込みに対応しにくい点も課題です。
銀行振込が適しているケース
- 参加者が10名以下の少人数制ウェビナー
- 参加費が1万円以上の高単価セミナー
- 法人の請求書払いが必須の参加者が多い場合
ウェビナー決済サービス・ツールの比較
有料ウェビナーの決済に活用できる主要サービスについて、それぞれの特徴と強みを整理します。自社のウェビナー運営体制や参加者の特性に合わせて、最適なサービスを選定しましょう。
Peatix(ピーティックス)
Peatixは、チケット販売型のイベントプラットフォームとして国内で広く利用されているサービスです。申込みページの作成から決済、参加者管理までを無料で始められ、決済時に手数料が発生する従量課金モデルを採用しています。
Peatixの手数料は、有料チケットの販売代金に対して4.9%+99円です。クレジットカード(Visa、Mastercard、JCB、AMEX)とコンビニ・ATM決済に対応しており、個人参加者にとっての決済手段の選択肢が広い点が強みです。
一方で、BtoBウェビナーで求められるCRM/MAツールとの直接連携機能は限定的です。参加者データをSalesforceやHubSpotに取り込む場合は、CSVエクスポートを介した手動連携が中心となります。また、配信機能は内蔵されていないため、ZoomやYouTube Liveなどの配信ツールを別途用意する必要があります。
EventHub(イベントハブ)
EventHubは、BtoBウェビナー・カンファレンスに特化したイベントマーケティングプラットフォームです。集客ページ作成、申込み受付、決済処理、動画配信、参加者管理、アンケート回収、フォローアップまでを1つのツールで一元化できる点が最大の特徴です。
決済面では、申込みページ上で参加者がクレジットカード決済を完了できるため、外部決済サービスへの遷移が不要です。申込みと同時に入金ステータスが更新され、入金確認の手作業が発生しません。
BtoBマーケティングにおける強みとして、以下の機能が挙げられます。
- Salesforce、Marketo、HubSpotなど主要なMA/SFAツールとのデータ連携
- 詳細な視聴ログ(誰が・いつ・どのくらい視聴したか)によるHOTリード特定
- イベント複製機能による定期開催ウェビナーの運営効率化
- メール配信機能によるリマインド・フォローアップの自動化
決済データと視聴データが紐づくことで、「申込み→入金→視聴→商談化」という一連のファネルをデータで可視化できます。
Zoom Webinar × PayPal連携
Zoom Webinarの登録画面にPayPal決済を組み合わせる方法です。Zoomの管理画面でPayPal連携を設定すると、参加者はZoomの登録フォーム内でPayPal経由のクレジットカード決済が可能になります。
この方法のメリットは、すでにZoom Webinarを利用している企業が追加コストを最小限に抑えて有料化できる点です。Zoomの参加者管理機能と組み合わせて運用できます。
ただし、PayPalアカウントの開設が必要な点や、決済データをCRM/MAツールに連携するには手動操作が必要な点に注意が必要です。また、コンビニ決済や銀行振込には対応していないため、決済手段の選択肢はクレジットカードに限定されます。
比較表:手数料・対応決済・管理連携
| 比較項目 | Peatix | EventHub | Zoom × PayPal |
|---|---|---|---|
| 決済手数料 | 4.9%+99円/1枚 | 要問合せ | PayPal手数料(3.6%+40円〜/1枚) |
| 対応決済手段 | クレジットカード、コンビニ、ATM | クレジットカード | クレジットカード(PayPal経由) |
| 申込み〜決済の一体化 | ○ | ○ | △(PayPal画面へ遷移) |
| 配信機能 | ×(外部ツール連携) | ○(内蔵) | ○(Zoom Webinar) |
| CRM/MA連携 | △(CSV手動) | ○(Salesforce、Marketo、HubSpot等) | △(手動) |
| 視聴ログ分析 | × | ○(詳細ログ) | △(基本情報のみ) |
| 向いているケース | 個人〜中小規模の有料イベント | BtoBウェビナー・カンファレンス | 既存Zoomユーザーの有料化 |
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ウェビナー決済の導入手順5ステップ
有料ウェビナーの決済をスムーズに導入するには、事前の設計から運用テストまでを段階的に進めるのが近道です。以下の5ステップに沿って準備を進めれば、初めての有料ウェビナーでもトラブルを最小限に抑えられます。
Step 1:決済方法・サービスの選定
最初に行うべきは、自社のウェビナー運営体制と参加者層に合った決済方法の選定です。前述の4つの決済方法と5つのチェックポイントを踏まえ、以下の観点で候補を絞り込みます。
- 参加者の規模(数十名規模か、数百名規模か)
- 参加者層(個人が中心か、法人が中心か)
- 既存のウェビナーツールとの互換性
- CRM/MAツールとのデータ連携の必要性
- 予算(決済手数料と月額費用の許容範囲)
BtoB向けの定期開催ウェビナーであれば、決済・配信・参加者管理を一元化できるイベント管理プラットフォームが運営効率の面で有利です。一方、単発の小規模セミナーであれば、Peatixのように初期費用なしで始められるサービスが適しています。
Step 2:申込みページと決済フローの構築
決済サービスが決まったら、申込みページに決済機能を組み込みます。参加者の離脱を防ぐために、申込みから決済完了までのステップ数は極力少なく設計してください。
申込みページの構成要素
- ウェビナーのタイトル・日時・内容の説明
- 参加費の金額と決済手段の案内
- 申込みフォーム(氏名・メールアドレス・会社名・役職など)
- 決済ボタンまたは決済画面への導線
- 特定商取引法に基づく表記へのリンク
- キャンセル・返金ポリシーの明示
イベント管理プラットフォームを利用する場合は、これらの要素が1つのページに統合されるため、構築工数を大幅に削減できます。
Step 3:参加者への案内と決済テスト
申込みページの公開前に、必ず決済テストを実施します。テスト環境またはテスト用のクレジットカードを使い、以下のフローが正常に動作するかを確認しましょう。
- 申込みフォームの入力〜決済完了までのフロー
- 決済完了後の自動返信メール(視聴URLの送付)
- 入金ステータスの反映(管理画面での確認)
- キャンセル・返金処理のフロー
テスト完了後、参加者への案内メールやSNS投稿で申込みページを告知します。案内文には参加費の金額、対応決済手段、キャンセルポリシーを明記しておくと、申込み後のトラブルを防止できます。
Step 4:入金確認と参加者管理の連携
申込みが始まったら、入金ステータスの管理が日常業務に加わります。決済と参加者管理が一体化したシステムを利用していれば、入金確認は自動化されるため特別な対応は不要です。
銀行振込を併用している場合は、定期的な入金確認と未入金者へのリマインドが必要です。以下のルールをあらかじめ決めておくと運用がスムーズになります。
- 入金確認の頻度(毎日、あるいは開催3日前にまとめて)
- 未入金者へのリマインドメールの送信タイミング(開催5日前、2日前など)
- 入金期限と、期限超過時の対応(自動キャンセルか、個別連絡か)
Step 5:キャンセル・返金ルールの設計
有料ウェビナーでは、キャンセルと返金のルールをあらかじめ設計しておくことが必須です。ルールが曖昧なまま運営を開始すると、個別対応に追われて大きな負荷がかかります。
設計すべきルール項目
- キャンセル受付期限(例:開催3日前まで)
- 返金方法と手数料の負担(全額返金か、手数料差引か)
- 開催当日のキャンセル・ノーショー(不参加)の取り扱い
- 振替参加の可否(別日程のウェビナーへの振替)
- 返金処理の所要日数(例:キャンセル受理後7営業日以内)
これらのルールは申込みページとメールの両方に明記し、参加者が事前に確認できる状態にしておきましょう。
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ウェビナー決済を選ぶ5つのチェックポイント
決済サービスを選定する際は、手数料だけでなく管理連携やUXなど複数の観点から総合的に評価する必要があります。以下の5つのチェックポイントを判断基準として活用してください。
手数料体系と総コストを比較する
決済サービスの選定で最初に目が行くのは手数料ですが、決済手数料だけでなく月額費用・初期費用・振込手数料を含めた「総コスト」で比較してください。手数料率が低くても、月額固定費が高ければ開催頻度の少ない場合は割高になります。
主な手数料の構成要素
- 決済手数料(1件あたりの%+固定額)
- 月額利用料(固定費)
- 初期導入費用
- 売上金の振込手数料
- 返金処理時の手数料
月間のウェビナー開催回数と1回あたりの参加者数から、年間の総コストをシミュレーションしたうえで比較するのが確実です。
参加者管理・CRM/MA連携機能を確認する
BtoBウェビナーでは、参加者データを営業活動やマーケティング施策に活用することが前提となります。そのため、決済データが自社のCRM/MAツールに自動連携できるかどうかは、サービス選定で見落とせないポイントです。
確認すべきポイント
- Salesforce、HubSpot、Marketoなど自社利用ツールとの連携可否
- 連携方法(API自動同期か、CSV手動エクスポートか)
- 連携されるデータ項目(申込み情報、入金ステータス、視聴ログなど)
手動でのCSVエクスポート・インポートが必要な場合、データの鮮度と正確性が低下し、HOTリードへの迅速なフォローが遅れるリスクがあります。
参加者の決済体験(UX)を重視する
申込みから決済完了までの体験が煩雑だと、参加者の途中離脱につながります。特に、申込みページから外部の決済ページへ遷移する設計は、離脱率を高める要因です。
理想的な決済UXの条件
- 申込みと決済が同一ページ内で完結する
- 対応決済手段が複数ある(クレジットカード、コンビニ決済など)
- スマートフォンからの決済にも最適化されている
- 決済完了後の確認メールが即時送信される
参加者目線で実際にテスト決済を行い、ストレスなく完了できるかを必ず確認しましょう。
入金サイクルとキャッシュフローを把握する
意外と見落としがちなのが、売上金が手元に入るまでのタイムラグです。決済サービスによって入金サイクル(締め日と振込日)が異なるため、キャッシュフローへの影響を事前に確認しておく必要があります。
たとえば、月末締め・翌月末振込のサービスでは、ウェビナー開催から入金まで最大2ヶ月近くかかる場合があります。有料ウェビナーの開催頻度が高い企業では、入金サイクルの短いサービスを選ぶことがキャッシュフローの安定につながります。
セキュリティと法的要件への対応を確認する
オンラインで決済情報を扱うため、セキュリティ対策は必須の確認事項です。SSL(Secure Sockets Layer)による通信の暗号化なども、決済ページの基本要件です。自社で決済ページを構築する場合はSSL証明書の導入が必須ですが、決済サービスやイベント管理プラットフォームを利用する場合は、サービス側でSSL対応が完了しているのが一般的です。
ウェビナー決済で注意すべき3つのポイント
有料ウェビナーの決済を導入する際は、法令遵守と運用面のリスク管理にも目を配る必要があります。事前にルールを整備しておくことで、開催後のトラブルや問い合わせ対応を最小限に抑えられます。
特定商取引法に基づく表記の整備
有料ウェビナーは、特定商取引法(特商法)の「通信販売」に該当します。そのため、申込みページには特商法に基づく表記を掲載する義務があります。表記を怠ると行政処分の対象となる可能性があるため、必ず対応してください。法務部門や顧問弁護士と連携のうえ、自社の有料ウェビナーに適した表記を作成することを推奨します。
キャンセルポリシーと返金対応のルール化
キャンセルポリシーの整備は、トラブル防止と運営負荷の軽減の両面で欠かせません。ポリシーが曖昧だと、個別交渉が発生し、対応工数が膨らみます。
策定すべきルール
- キャンセル受付期限(開催何日前まで受け付けるか)
- 返金率の段階設定(例:7日前まで全額、3日前まで50%、当日0%)
- 返金方法(決済手段と同一ルートで返金するのが基本)
- 返金手数料の負担先(主催社負担か参加者負担か)
- ノーショー(無断不参加)の取り扱い
これらを申込みページに明記するとともに、申込み完了メールにも同内容を記載しておくと、後からの認識齟齬を防ぎます。
領収書の発行方法と経理対応
BtoBウェビナーでは、参加費を経費処理する参加者から領収書の発行を求められるケースが多くあります。事前に領収書の発行フローを整備しておくことで、個別対応の手間を削減できます。
領収書の発行パターン
- 決済サービスの自動発行機能を利用する(対応サービスに限る)
- PDFの領収書テンプレートを用意し、申請ベースで発行する
- 自社の経理システムから発行する
宛名(法人名)や但書きの記載ルール、発行タイミング(入金確認後○営業日以内)もあらかじめ決めておくとスムーズです。
ケーススタディ:ウェビナー決済の効率化で期待できる成果
有料ウェビナーの決済を効率化することで、運営工数の削減とデータ精度の向上が期待できます。ここでは、決済と参加者管理を分離して運用している場合の課題と、一元化によって得られる改善効果を解説します。
決済と参加者管理の分断が引き起こす課題
多くの企業が経験する課題として、決済システムと参加者管理ツールが分離しているために発生する非効率があります。具体的には、以下のような問題が運営現場で起きています。
- 申込みフォームの回答データと決済プラットフォームの入金データを手作業で突合する必要がある
- 入金確認のタイムラグにより、未入金者へのリマインドが遅れる
- 参加者の決済データがCRM/MAに自動反映されないため、ウェビナー後のフォローアップに時間がかかる
- 複数のツールにデータが分散し、正確な参加率や収益レポートの作成に工数がかかる
特にBtoBウェビナーでは、参加者データをもとにした営業フォローのスピードが商談化率に直結するため、データの分断は機会損失につながります。
申込み・決済・配信の一元化で期待できる効率化
申込み・決済・配信・参加者管理を1つのプラットフォームに統合することで、以下の効率化が期待できます。
運営工数の削減
入金確認やデータ突合が自動化されるため、担当者が手作業で行っていた管理業務の大幅な削減が見込めます。たとえばマツリカ社では、EventHub導入後にウェビナー運営工数を75%削減しました。浮いた時間をウェビナーのコンテンツ企画や集客施策に充てることで、イベントの質と集客力の向上が期待できます。
データ精度の向上と商談化の加速
申込みデータ・入金データ・視聴データが1つのシステムで管理されるため、ヒューマンエラーによるデータ不整合のリスクが低減します。スマートキャンプ社では、イベントデータの一元管理により総商談の40%がイベント経由で創出される成果を上げています。
HOTリードの即時特定
決済完了者の視聴ログ(視聴時間、質問投稿、アンケート回答)を分析することで、関心度の高いHOTリードを即座に特定できます。ウェビナー終了後すぐに営業チームへ引き渡すことで、商談化率の向上が期待できます。
こうした一元管理に対応したイベント管理プラットフォームを活用することで、決済業務の効率化とマーケティング成果の最大化を同時に実現できます。
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こちらの記事の監修・執筆者
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株式会社EventHub マーケティングマネージャー 鈴木 優一 |
| 2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。 |
まとめ:ウェビナー決済は参加者体験と運営効率の両立で選ぶ
有料ウェビナーの決済方法は、参加者の体験と運営効率の両方に影響する要素です。本記事で解説したポイントを振り返ります。
- 有料ウェビナーの決済方法は「ウェビナーツール内蔵決済」「外部決済サービス連携」「イベント管理システム活用」「銀行振込」の4つに分類できる
- サービス選定では「手数料」「CRM/MA連携」「参加者UX」「入金サイクル」「セキュリティ」の5つのチェックポイントで総合的に判断する
- 特定商取引法の表記義務やキャンセルポリシーの整備など、法令・運用面のリスク管理も欠かせない
- 申込み・決済・配信・参加者管理を一元化することで、運営工数の削減とデータ精度の向上が期待できる
有料ウェビナーの成功は、コンテンツの質だけでなく、参加者がストレスなく申込み・決済できる環境を整えることにかかっています。自社のウェビナー運営体制と参加者層に合った決済手段を選び、効率的な運営を実現してください。
よくあるご質問
質問:Zoom Webinarで有料ウェビナーを開催するにはどうすればよいですか?
回答:Zoom Webinar自体には決済機能が搭載されていないため、PayPal連携または外部の決済サービスを組み合わせる必要があります。PayPal連携の場合、Zoomの管理画面でPayPalアカウントを設定すると、登録フォーム内でクレジットカード決済が可能になります。ただし対応決済手段はクレジットカードに限定されるため、コンビニ決済や銀行振込が必要な場合は別途対応が必要です。
質問:ウェビナーの参加費にはどのような決済手数料がかかりますか?
回答:決済手数料はサービスによって異なります。Peatixは販売代金の4.9%+99円、PayPal(国内取引)は3.6%+40円が目安です。手数料率だけでなく、月額利用料・振込手数料を含めた総コストで比較することをおすすめします。
質問:有料ウェビナーで特定商取引法への対応は必要ですか?
回答:はい、有料ウェビナーは特定商取引法の「通信販売」に該当するため、申込みページに事業者名・住所・電話番号・販売価格・返品条件などの記載が義務付けられています。表記を怠ると行政処分の対象となる可能性があるため、必ず法務部門と連携して対応してください。
