「DeNA × AI Day 2026」大成功の舞台裏
コンセプトメイクから当日運営までをEventHubと歩んだDeNAのAIをテーマとしたオフラインの単独カンファレンス
主催社: 株式会社ディー・エヌ・エー
イベントタイプ: カンファレンス
開催形式: オフライン 業界: 情報通信・IT
開催形式 オフライン
業界 情報通信・IT
「カンファレンス」検討時の課題
- 自社にとってAIをテーマとしてオフラインの単独カンファレンスとしては過去にない規模感で、どの程度集まるか見通しを立てられなかった
- オンライン開催で積み上げてきた集客の勘所が、オフライン移行後も通用するか分からず、「登録者が全員会場に来てくれるか」という不安があった
- AIによって何が変わったのかを、発信や記事だけでは社内外に体感してもらいにくかった
- 新車発表会のような大規模メディア向けイベントでも、200~400人規模の小さな自社カンファレンスでもない、規模とコンセプトのバランスを取れる支援会社が見つからなかった
「EventHub」の効果
- 事前登録者数2,400人(目標2,000人)、当日来場者数1,600~1,700人(目標1,500人)を達成し、無料のオフラインイベントの相場を上回る来場率を記録
- 広告換算効果は目標を大きく上回る1億円規模に到達
- コンセプトメイクから集客の相談、当日の運営・受付までを一気通貫でプロデュースしてもらえたことで、初めての大規模オフライン開催への不安が解消
- 登録ページ作成・メール配信・QRチェックイン・アンケートをオールインワンで運用でき、個別ツールを組み合わせる工数が不要に
- KPIとして直接は追っていなかった採用応募数の増加という、副次的な効果も得られた
株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、2016年から自社の技術カンファレンス「DeNA TechCon」を開催してきました。AIの急速な普及を受け、2025年からはAIをテーマにしたカンファレンスへと発展させ、2026年3月6日には「DeNA × AI Day 2026」として渋谷ヒカリエ ヒカリエホールで完全オフライン開催に踏み切りました。
結果は、事前登録者数2,400人、当日来場者数1,600~1,700人、来場率は無料のオフラインイベントとしては異例の約7割。広告換算効果は1億円を超え、採用応募数の増加にもつながりました。
なぜここまでの成果を出せたのか。企画・運営を担当したエンジニアリング部門の大月 英照様、そしてイベントプロデュースを担当したEventHubの近藤・新名に、開催の背景から集客の工夫、選定理由までお話を伺いました。
事業内容
1999年に設立され、ゲームからスポーツ・ヘルスケアまで多角的に事業を展開
ーまずは、御社の事業内容と大月様のお役割をお教えください。
株式会社ディー・エヌ・エーは1999年に設立された、インターネットを軸とする事業会社です。モバイルゲームやeコマースで成長し、現在はゲーム、ライブコミュニティ、スポーツ・スマートシティ、ヘルスケア・メディカルなど多角的な事業を展開しています。2025年には代表取締役社長(当時会長) 南場 智子氏による「AIオールイン宣言」を掲げ、既存事業の効率化と新規事業の創出を両輪に、全社的なAI活用の推進に力を入れています。
私はDeNAのエンジニアリング部門に所属しています。他社で言うところの「デベロッパーリレーションズ」や「CTO室」に近い役割で、社内エンジニアの採用サポートや組織開発、研修、開発環境の整備などをエンジニア出身のメンバーを中心に担当しています。今回のイベントで言うと、カンファレンスのスポンサードや自社カンファレンスなど、技術系の対外発信は私たちの部門が担当しています。
社内複数部門とEventHubが一体となったチーム編成
ー今回のイベントは、どのような体制で進められたのでしょうか。
私が全体の企画と対外発信を担当し、IT本部のメンバーやデザイン統括部のメンバー、ブランディング戦略グループのメンバーなど、複数部門横断で関わってもらいました。また、イベント全体のコンセプトは、グループエグゼクティブの金子が「ムーブメントを起こしている会社としての場にしたい」という方向性を示してくれたことが出発点になっています。そこにEventHubさんのイベントプロデュースチームが加わり、私たちだけでは実現できなかった規模とクオリティを一緒に作り上げることができました。
イベント開催の目的とPRの目標
「AIオールイン宣言」から1年、成果を見せるための場づくり
ー今回のイベントは、どのような目的から企画されたのでしょうか。
自社カンファレンスの目的には、会社のレピュテーション向上やPR、採用・リテンションなどいくつかありますが、今回はそれに加えて「AIに本気で取り組んでいる、このサイズの会社がこのスピード感で取り組んでいる」ということをアピールすることが最終目標の1つでした。
弊社代表(当時会長)の南場による「AIオールイン宣言」の翌年の開催となるため、宣言してきたことがその後どうなったのかを見せる、いわば「アンサーイベント」としての役割も担っています。イベントでは「これからやります」という発表はよくありますが、その後どうなったかを見せる機会はなかなかありません。AIによって何が変わったのかは、発信や記事だけでは体感しにくい部分が大きいと考え、実際に使っているところを見せることにしました。
対外PRだけでなく、社内の一体感を生む狙いも
ー対外的な目的以外に、社内向けの狙いもあったのでしょうか。
はい。DeNAでは一部リモートワークを導入しているため、全社員が同じ場所に集まる機会がキックオフ以外にほとんどありません。イベントを通じて、他部署の取り組みを実感してもらう「手触り感」を持たせることも目的にしていました。
「DeNA × AI Day 2026」について
テックカンファレンスから「AIカンファレンス」へ
ーこれまでのカンファレンスの歴史と、今回に至る経緯を教えてください。

DeNAでは2016年から「DeNA TechCon」という自社の技術カンファレンスを開催してきました。国内の自社サービス企業では、かなり早い時期から続けてきた取り組みです。
2025年、AIの登場がこのイベントにも大きな影響を与え、DeNA TechConとAIカンファレンスの二枚看板になりました。そして今回の「DeNA × AI Day 2026」は、技術カンファレンスからAIカンファレンスへと完全に引き継ぐ形になっています。
業界に先駆けたオフライン開催という賭け
ー完全オフラインでの開催に踏み切った理由を教えてください。
AIカンファレンスの開催を検討していた1年ほど前は、オンラインカンファレンスが増えすぎていて、徐々にオフラインに回帰する兆しを感じていました。オフラインでここまでの規模を実施している会社はまだなかったので、チャレンジしたいという気持ちが大きかったです。
一方で、不安もありました。これまでオンライン開催を重ねてきたことである程度の集客は見込めていましたが、オフラインになると、オンライン参加者が全員会場に来てくれるかどうかは分かりません。事前登録が想定より大幅に伸びたため、イベントの1週間前に登録を締め切ったほどでしたが、当日の来場率がどうなるかは蓋を開けてみるまで分からない状態でした。実際に開催してみると、直接会えることで温度感も伝わり、良かったと感じています。
抽選インセンティブを捨てて生まれた「レア感」戦略
ー集客において、工夫された点はありますか。

当日の来場を後押しするための仕掛けは、あえて入れませんでした。以前は抽選で何かが当たるといった施策をよく行っていましたが、今回はそうしたインセンティブを設けなかったんです。その結果、「行けること自体がレア」という雰囲気が生まれ、それが来場につながったのではないかと思っています。
「30%のマーケティング」で1,000人超を動かした集客術
ー集客において、他にも工夫された点はありますか。

集客の設計で意識したのは、「30%のマーケティング」です。たとえば、ある社員が登壇する回であれば、その社員の知り合いが3割、知らない人が7割来るような広告を打ちます。その3割が来場すると、残り7割の層に「知り合いが行くなら自分も」という動きが生まれます。そして、まだ広告が届いていない層の中から新たな3割をつくり、これを繰り返すことで、雪だるま式に規模を広げながら新しい層にもリーチしていく方法です。
そして、丁寧に取り組んだのは、登壇者から他の従業員へ「知人を呼んでほしい」と声をかける、いわばバイラルの仕組みです。通常の登録マーケティングやEventHubの支援によるメール配信に加えて、登壇者からの声がけを徹底するようチームに伝えていました。
結果として、参加者に占める従業員の割合が突出して高いわけではありませんが、従業員をきっかけに他社の方々が来場するというバイラルの効果は大きかったと感じています。単独のオフラインのAIカンファレンスで1,000人以上を会場に集めるのは同社として初めての規模であり、うまくいくかどうか手探りではありましたが、こういった施策が功を奏しました。ランディングページ(LP)やクリエイティブの完成度が高かったことも、登壇者が「呼びたい」と思える後押しになっていたはずです。
EventHubの選定理由
EventHubは集客からコンセプトメイクまで、一気通貫で頼れる存在
ーEventHubを選んでいただいた理由を教えてください。
新車の発表会のような大規模なメディア向けイベントをやりたいわけではなく、かといって技術カンファレンスの相場である200~400人規模の小さなものでもない。さらに、技術的な内容もある程度理解してもらえる相手が良い、という条件を満たせる会社はほとんどありませんでした。この条件のバランスが取れていたのが「EventHub」さんだけだったというのが、お声がけした際の率直な感想です。
コンセプトメイクや当日のオペレーションだけでなく、集客の相談や受付運営まで含めて、イベント全体をプロデュースしていただけたことも大きかったです。一部分だけ対応する会社は多いのですが、全体を見ていただけるのは「EventHub」さんならではだと感じました。
EventHubの良かった点と導入の効果
答えを教えず、考え方を教えてくれるプロデューサーの流儀
ープロジェクトの進め方について、印象に残っていることはありますか。
もう壁打ちどころではなく、実際にボールをこちらへ打ち返してくれる、という感覚でした。私たちが決めるべきことについても、考えるためのヒントをきちんと提示してくれます。答えをそのまま言うのではなく、考え方や進め方を教えてくれるのが非常に上手だと感じました。発注していない、お願いしていないところまで「ここもやった方がいいですよね」と気づいて動いてくれることもありました。当日はDeNA側の運営スタッフも多く参加し、撤収作業まで一緒に行うほど一体感のある運営ができました。
オールインワンで運営を効率化
ーEventHubのツールは、どのように活用されましたか。
登録ページの作成からメール配信、来場者の情報分析、QRコードによるチェックイン、最終的なアンケートまで、オールインワンで幅広く活用しました。個別にフォームを作り、参加者管理用のスプレッドシートを別途用意する、といった作業が不要になり、ワンストップで一括管理できる点が非常にありがたかったです。UI/UXも分かりやすく、私だけでなく他のメンバーも分析やアンケート作成のために触ることができました。
受付のユーザーグループ設定についても、当日の運用に合わせた変更をEventHubのカスタマーサクセス担当から提案してもらえるなど、運用とツール設定を一体で見てもらえたことで負荷が下がりました。一方で、交流機能やイベントを跨いだ横断分析、複数イベント開催を前提としたテンプレート活用など、まだ使いきれていない機能もあり、ここは今後の課題だと感じています。
ーDeNA様のプロジェクトを担当する上で、意識していたことはありますか。
EventHub イベントプロデューサー近藤
答えはお客さまの中にあると思っています。ただ、それに気づいていなかったり、形にできていなかったりすることが多い。私の役割は、それを引き出して形にすることだと考えています。大月様は「この点がDeNAとして独自だ」「この点で先を行っている」ということを明確に言語化してくださるので、それに対して「では、こういう見せ方をすると伝わりますよね」と返すことができ、コミュニケーションが非常にスムーズでした。
ークリエイティブ制作において、意識されたことはありますか。
EventHub イベントプロデューサー新名
DeNA様の冠になるイベントなので、クリエイティブには特にこだわらなければならないという緊張感がありました。今回はクリエイティブディレクターを1人専任で立て、キービジュアルの制作からイベントサイトのデザイン、コーディング、その他の制作物まで一貫して統括する体制を整えたことが大きかったと思います。
イベントの成果
広告換算1億円超、事前登録2,400人という結果
ー具体的な成果について教えてください。

結果としては、社内でも「大成功」という評価になっています。DeNAには、あえて「絶対に届かないだろう」という高い目標(社内では「ムーンショット」と呼んでいます)を設定する文化があるのですが、今回はそのムーンショットのほとんどを超える結果になりました。
事前登録者数は、目標2,000人に対して2,400人まで到達しました。当日の来場者数も、目標1,500人に対して1,600~1,700人。来場率にすると約7割で、無料のオフラインイベントとしては珍しい数字だと思います。通常、無料のオフラインイベントで6割来場すれば良い方だと言われる中での結果です。
広告換算での経済効果は、目標5000万円に対して1億円を超えました。3月末時点で1億1000万円ほどに達しており、それ以降は集計していないため、実際にはさらに上回っている可能性があります。この数値には、採用面での効果は含んでいません。イベント後、新卒・中途ともに応募数が大きく増加するなど、採用面でも良い効果が出ています。アンケートの回収数自体は多くありませんでしたが、集まった回答の満足度評価は非常に高いものでした。
今後の展望
さらに一歩先を行く、次なるコンセプト探し
ー今後の展望を聞かせてください。

今回を超える、あるいは遜色のないイベントを企画していきたいと考えています。AI活用の事例をきちんと作り続け、外部への発表がある種のプレッシャーとなり、次の取り組みを生み出す好循環が生まれています。このサイクルを維持することが、まずは足元でやるべきことだと思っています。
そして、DeNAとしては、自社でAIカンファレンスをオフライン開催している会社がまだ少ない今の状況から、さらに一歩先を行くコンセプトを模索していきたいです。
取材協力
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株式会社ディー・エヌ・エー エンジニアリング室 大月 英照 様 |
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NECにてエンジニア、リクルートエージェントにて営業を経験した後、DeNAにて人事を経て、エンジニアリング室へ。自社カンファレンスの運営に携わる。 |
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株式会社EventHub イベントプロデューサー 近藤 河生 |
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ソフトディベロッパーやスタートアップのイベントを中心に、コミュニティイベントから大規模カンファレンスまで、さまざまイベント企画・制作・運営に関わる。クライアントと自分やスタッフがひとつのチームになって熱量を昇華できるのがイベントの仕事の魅力だと考えている。「表現する人を支える」がモットー。 |
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株式会社EventHub イベントプロデューサー 新名 砂月 |
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映像制作会社でオンラインイベントのディレクターを務めたのちEventHubへ入社。BtoBイベントを中心に、大規模〜小規模までの様々な案件のプロデュースや進行管理に従事。 |


