カンファレンスの開催・企画・運営ガイド|成功に導くステップと形式別の特徴を解説

カンファレンスは、リード獲得やブランド認知の拡大、顧客との継続的な関係構築など、BtoBマーケティングにおいて高い効果を発揮するチャネルの一つです。しかし、成果を得るためには、単にイベントを開くだけでは不十分です。企画段階から準備、運営、そして開催後のフォローまでを含めた全体設計が求められます。

本記事では、カンファレンスの開催に関わる一連のステップとそのポイントを詳しく解説します。とくに近年多様化が進む「オンライン」「オフライン」「ハイブリッド」それぞれの開催形態の違いやメリット・デメリットにも触れながら、初めて企画に関わる方でも実践しやすい内容にまとめています。

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カンファレンスの形態とそのメリット・デメリット

近年、ビジネスイベントの開催形式は大きく変化しています。従来のオフライン中心のスタイルに加え、テクノロジーの進化や社会状況の影響もあり、オンラインやハイブリッド形式のカンファレンスが広く浸透するようになりました。それぞれの形式には特徴や適した場面があるため、目的やリソース、ターゲットに応じて最適な形を選ぶことが重要です。

オフラインカンファレンス

オフラインでの開催は、参加者が同じ空間に集まり、五感を通じて情報を受け取ることができる形式です。直接的な対話や臨場感ある演出が可能なため、参加者のエンゲージメントを高めやすく、強い記憶に残る体験を提供できます。会場の雰囲気や展示スペースを活用すれば、ブランドの世界観をより深く印象づけることもできます。

ただし、会場の手配や人員確保、感染症対策など、準備にかかる工数やコストは大きく、特に大規模なカンファレンスでは早期のスケジュール調整が欠かせません。

〈メリット〉

  • 五感を通じて強い印象を残せる
  • 参加者の反応を直に感じながらコミュニケーションできる
  • 自然なネットワーキングの機会が生まれやすい

〈デメリット〉

  • 会場手配や運営人員など準備負荷が大きい
  • 移動や日程調整が必要で参加ハードルが高まる
  • 会場の制約により収容人数やレイアウトに限界がある

オンラインカンファレンス

オンラインカンファレンスは、インターネットを介してセッションや交流を行う形式で、参加者は自宅やオフィスなど、どこからでも気軽に参加できます。移動の必要がないため参加ハードルが低く、全国・海外のターゲットにもリーチしやすいのが大きな魅力です。

一方で、画面越しのコミュニケーションは臨場感に欠けることがあり、集中力の維持やエンゲージメント向上のためには設計上の工夫が必要です。また、配信の安定性は参加者の通信環境に依存するため、サポート体制の整備も欠かせません。

〈メリット〉

  • 時間・場所の制約を受けず、幅広い層にアプローチできる
  • 移動・設営コストを削減できる
  • コンテンツの録画やアーカイブ活用がしやすい

〈デメリット〉

  • 参加者の集中力を保ちにくい
  • 配信トラブルが参加体験を大きく左右する
  • 自然な会話やネットワーキングが生まれにくい
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ハイブリッドカンファレンス

ハイブリッド形式は、オンラインとオフラインの両方の要素を取り入れた開催方法です。遠方の参加者や多忙な層に対してはオンラインでの参加機会を提供しつつ、現地に足を運べる参加者にはリアルな交流や体験を用意できるため、柔軟かつ広範囲なアプローチが可能になります。

ただし、二重の運営体制を構築する必要があり、会場運営と配信管理の両面でノウハウと人員が求められます。全体のディレクション力やプロジェクトマネジメント力が問われる形式といえるでしょう。

〈メリット〉

  • 参加者の都合に合わせた参加方法を提供できる
  • オンラインとオフラインの特性を補完し合える
  • データ活用や接点創出の幅が広がる

〈デメリット〉

  • オペレーションが複雑になりやすい
  • 運営コストが二重にかかる可能性がある
  • 両者の体験品質を均等に保つ工夫が必要
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カンファレンスの企画・検討

カンファレンスの成功を左右するのは、準備段階でどれだけ的確に設計を行えるかにかかっています。なかでも「なぜカンファレンスを開催するのか」「どのような結果を得たいのか」を明確にすることは、企画フェーズにおける最も重要なステップです。目的が曖昧なままでは、ターゲットの設定や施策の選定がぶれてしまい、結果としてイベント全体の成果にも影響します。

さらに、社内のリソースや予算、関係部門との調整などを進めるうえでは、合意形成をしやすい形で情報を整理する必要があります。ここでは、企画段階で押さえておくべき視点を紹介します。

カンファレンスの企画

まずは「カンファレンスで何を実現したいのか」という目的を設定します。よくある目的としては以下のようなものがあります。

  • 自社サービスのリード獲得
  • 見込み顧客のナーチャリング
  • 既存顧客とのエンゲージメント強化
  • ブランドや思想の認知拡大
  • 採用やパートナーシップの強化

目的が定まったら、それを具体的な施策に落とし込むため、5W2Hのフレームワークで企画を整理しましょう。

〈5W2Hでの企画整理〉

  • What:どのようなテーマで実施するのか
  • Why:なぜ今このタイミングで開催するのか
  • Who:ターゲットとなる参加者は誰か
  • When:いつ開催するのか(決裁・広報などとの調整含む)
  • Where:オンライン/オフライン/ハイブリッドのどれか
  • How:どのような形式・流れで行うのか
  • How much:予算と想定ROI

このように具体化しておくことで、社内の企画承認プロセスや外部との交渉にも説得力が増します。

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支援会社の選定

企画の方向性が明確になったら、必要に応じて外部ベンダーの選定も検討しましょう。特に初めての開催や社内リソースが限られている場合は、イベント支援会社に依頼することで、当日の安定運営や企画の精度向上が期待できます。

選定の際は以下のような観点で比較するのが有効です。

〈支援会社を選ぶ際のチェックポイント〉

  • 同業界での開催実績があるか
  • 希望する開催形式(オンライン・オフライン)に対応しているか
  • 実務面での柔軟性(デザイン/運営代行/事後レポート等)
  • コストや対応スピード
  • 担当者のコミュニケーション力

また、打ち合わせにはできる限り社内の決裁者にも同席してもらうと、意思決定までのスピードが格段に上がります。

セッション登壇候補者を選ぶポイントと声掛け

カンファレンスの顔とも言えるのがセッション登壇者です。誰が話すかによって集客力も変わりますし、イベント全体の信頼性やブランドイメージにも直結します。登壇者の選定は、企画の初期段階で並行して進めておくのがベストです。

〈登壇者選定のポイント〉

  • テーマに対して高い専門性を持っている
  • 業界内外での知名度がある
  • 自社サービスとの親和性が高い(既存顧客・パートナーなど)

〈アプローチの方法〉

  • 社内の顧客やリードの中から候補を選ぶ
  • SNSやnoteなどで活躍する人物に直接連絡
  • 登壇のメリットを明確に伝えたうえで交渉(例:露出機会、ネットワーク拡大など)

依頼時は、「なぜこの人に登壇してほしいのか」「どのような役割を期待しているのか」を明確に伝えることが、快諾を得るカギになります。

カンファレンスの運営・準備

企画フェーズで方向性や体制が固まったら、いよいよ具体的な準備作業へと進みます。カンファレンスの運営は多くのタスクが同時並行で発生しやすく、役割分担とスケジュール管理が成功のカギを握ります。ここでは、事前準備・集客・当日の運営まで、フェーズごとのポイントを整理して解説します。

カンファレンス準備

①セッションごとコンテンツ検討

登壇者に合わせて、テーマ、時間配分等セッションの内容の検討をします。なお登壇者が確定しないと、セッションの中身も具体的に詰められないため、登壇者へのアプローチは早い段階から進めることが重要です。

②LP作成

開催概要や登壇者の紹介などをLPに掲載します。LPのデザインにも関係するため、カンファレンスのイメージや世界観をデザイナーとあらかじめ認識合わせしましょう。実装工数を削減したい場合は、STUDIOWixなどのノーコードツールを活用すると、デザイナーのみで実装まで完結します。

④登録フォーム

カンファレンスに参加するための登録フォームを用意します。オフラインの場合は、当日の入場管理ができるか、オンラインの場合は登録した媒体でセッションの視聴まで全て完結するかが媒体選びのポイントになります。

⑤配信ツール(主にオンライン)

オンラインの場合は、動画配信についても準備を進める必要があります。配信プラットフォームする際は、参加者のフォローがしやすいよう視聴ログが取得できる媒体を推奨します。またトラブルが発生しやすいため、必要であれば動画配信会社にも協力を依頼しましょう。

⑥アンケート作成

開催終了後も見据え、アンケート作成も事前に準備しておきましょう。回答率を上げるために、参加者の負担にならない範囲の分量に抑え、参加者の満足度を測れるよう定性・定量の両方の観点から設計を行いましょう。

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集客

どれほど良質な企画やコンテンツを用意していても、参加者を集められなければイベントとして成立しません。集客は、開催日から逆算してスケジュールを組み、定期的に進捗と実施状況を確認しながらPDCAを回す必要があります。

効果的な集客方法としては、以下のような施策があります。

〈集客方法の例〉

  • 自社Webサイトでの告知
  • SNSによる継続的な投稿(開催決定→登壇者発表→申し込み促進)
  • メールマガジンによる定期的なアナウンス
  • 自社顧客・見込み顧客への直接案内
  • プレスリリースや業界メディアへの露出
  • プレイベントやコラボセミナー開催による関心喚起

集客活動と並行して、登録者向けのリマインド施策も欠かせません。登録完了時や開催直前にメールやカレンダー通知を送ることで、当日の出席率を高められます。

当日運営

カンファレンス当日は、複数のセッションや運営チームが動く中で、タイムスケジュールの正確な進行と、突発的なトラブルへの対応力が求められます。

オンライン開催の場合は、特に配信トラブルへの備えが重要です。回線テストやリハーサルを入念に行い、進行台本や想定トラブルとその対応策を事前に共有しておくと安心です。オフライン開催では、会場設営や受付、案内サイン、動線設計など、来場者体験を意識した準備が求められます。

また、セッション中に参加者からの質問を受け付ける仕組み(チャット、ライブQ&Aなど)や、登壇者とのインタラクションを生み出す工夫があると、参加者の満足度向上につながります。

カンファレンス開催後のフォロー

イベントの価値は、開催したその日だけで完結するものではありません。むしろ、イベントを通じて得られた参加者の反応や行動データをもとに、どれだけ適切にアフターフォローを行えるかが、商談化や顧客関係の深化において極めて重要です。

このフェーズでは、参加者への対応はもちろん、社内での振り返りと次回への改善点の共有も不可欠です。カンファレンスを単発イベントに終わらせず、マーケティング活動全体の成果につなげていくための基盤づくりと考えましょう。

イベント後フォロー

まず、イベント終了直後の対応として、参加者へのお礼メールを速やかに送信します。あわせて、セッションアーカイブ動画の共有、アンケート依頼などを行うことで、カンファレンスの記憶が鮮明なうちにエンゲージメントを高められます。

また、アンケートは満足度を測るだけでなく、今後の提案や営業活動のヒントにもなります。例えば、「もっとこのテーマを深掘りしたい」「資料が欲しい」といった声を拾うことで、リードの興味関心をセグメントし、次のアクションに活かせます。

〈参加者向けフォロー〉

  • お礼メールの送信
  • アーカイブ動画や資料の共有
  • アンケート回答依頼
  • SNSなどでのイベントレポート公開

〈主催側のフォロー〉

  • 参加者の出欠席確認
  • セッションの出席・視聴状況の整理

振り返りミーティング実施

運営チーム内では、イベントが終わったタイミングで「何がうまくいき、何が課題だったのか」を客観的に整理する時間を設けましょう。特にKPIの達成状況を数字で振り返ることが重要です。

以下のような観点でデータを確認・分析し、レポートとしてまとめておくことで、次回以降の改善に繋がります。

〈振り返りのポイント〉

  • 開催目的に対する成果(例:登録者数、来場者数、商談化数など)
  • 各セッションの参加率・満足度
  • 登壇者や協力パートナーからのフィードバック
  • 想定外のトラブルとその対応
  • チーム間の連携状況と改善案

これらの情報を共有し、次回のイベント企画時にスムーズに活用できる状態にしておくと、カンファレンスが継続的に進化していきます。

まとめ

カンファレンスは、リード獲得や認知向上、顧客との信頼関係の構築など、BtoBマーケティングにおいて非常に効果的な施策です。しかし、成果を上げるには、企画から準備、当日の運営、開催後のフォローまで、戦略的に設計された全体プロセスが必要です。

EventHubではカンファレンス開催に関する一連のプロセスを一気通貫で管理できます。

〈EventHubでできること〉

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