イベント企画会社の選び方|費用相場・依頼範囲・発注の流れ
カンファレンスや展示会などのイベントを開催する際は、会場手配から集客、進行管理、当日の受付、終了後のフォローまで、幅広い準備が必要です。そのため、企画から当日の運営までをすべて社内で対応するのが難しいケースもあります。
そこで選択肢になるのが、イベント企画会社への依頼です。ただし、会社によって対応できる業務範囲や得意分野、費用感は異なります。そのため、「何をどこまで依頼できるのか」「どの会社を選べばよいのか」が分からず、比較に迷うことも少なくありません。この記事では、イベント企画会社に依頼できる業務範囲や会社のタイプ、費用相場、選び方のポイント、相談から実施までの流れをわかりやすく解説します。
あわせて、BtoBイベントで集客や商談につなげるための発注時のポイントや、すべてを外注すべきかどうかの考え方も紹介します。自社の目的や予算に合った依頼先を検討する際の参考にしてください。
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イベント企画会社とは?依頼できる業務範囲
イベント企画会社とは、企業が開催するイベントの企画づくりから、会場手配、制作、当日の運営、終了後のフォローまでを支援してくれる会社です。会場手配や、当日の進行サポートはもちろん、企画段階から相談できるため、会場運営会社や機材レンタル会社とは異なり、イベント全体の設計から実施まで幅広く依頼できる場合もあります。
依頼できる業務は、大きく4つの領域に分かれます。自社でどこまで対応でき、どこを任せたいのかを整理すると、依頼先の候補が絞りやすくなります。
- 企画・設計
目的やターゲットの整理、コンセプト立案、プログラム構成、登壇者やコンテンツの企画。 - 制作・手配
会場選定、ステージや装飾のデザイン、映像・音響・照明などの機材手配、印刷物やノベルティの制作。 - 運営・進行
当日のディレクション、進行台本の作成、受付・誘導スタッフの手配、トラブル対応。 - 集客・フォロー
告知や集客の支援、参加者データの整理、終了後のアンケートやお礼メールの設計。
「制作会社」「運営代行」との違い
イベント関連の会社は、会社によって呼び方や対応範囲に違いがあり、それぞれ得意とする領域にはある程度の違いがあります。たとえば、イベント制作会社は演出や空間デザインなど、イベントを「形にする」部分を得意とすることが多いです。一方、運営代行会社は、当日の進行管理や受付、事務局対応など、イベントをスムーズに進めるための実務を担うケースが多くなります。イベント企画会社は、これらの業務に加えて、イベントの目的やコンセプトづくりといった企画段階から相談できる点が特徴です。
依頼したい内容が、当日の運営や事務局対応などの実務に近い場合は、イベント運営代行会社への依頼も選択肢になります。運営・企画代行に依頼できる範囲や費用については、別の記事で詳しく解説しています。
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👉️ イベント運営・企画代行とは|依頼内容・費用相場・選び方

イベント企画会社の種類とタイプ別の特徴
イベント企画会社は、会社のタイプによって得意分野が異なります。依頼先を選ぶときは、自社のイベントの目的や規模に合うタイプから探すと、比較しやすくなります。代表的なタイプは、次の4つです。
まず、大規模なイベントやプロモーションを任せたい場合は、大手広告代理店系の会社が候補になります。メディア露出やキャンペーンを含めた企画に強く、周年イベントや商業施設のプロモーションなど、予算規模の大きいイベントで選ばれやすいタイプです。演出や空間づくりを重視したい場合は、イベント制作・演出専門会社が向いています。ステージ演出、会場装飾、映像表現などに強く、体験型イベントや式典、表彰式などで力を発揮します。目的がはっきりしている場合は、特定領域に強い会社を選ぶ方法もあります。社内イベント、販促イベント、BtoBのカンファレンスやセミナーなど、特定の分野で実績がある会社であれば、その領域に合った提案を受けやすくなります。
オンラインイベントやハイブリッドイベント、参加者データの活用を重視する場合は、デジタル対応に強い会社も候補になります。特にBtoBイベントでは、当日の運営だけでなく、申込み状況や参加者の行動データをその後のフォローに活かせるかも重要です。デジタル施策まで依頼したい場合は、オンライン配信や参加者管理、データ活用の実績があるかを確認しておきましょう。
イベント企画会社に依頼するメリット・デメリット
イベント企画会社への依頼には、イベントの品質を高めながら、社内の負担を減らせるメリットがあります。ただし、依頼内容が曖昧なままだと、「開催はできたものの、期待していた成果につながらない」ということもあります。メリットだけでなく、依頼時の注意点もあわせて押さえておきましょう。
依頼するメリット
社内にノウハウがなくても、プロの知見で一定水準以上のイベントを実現できるのが最大の利点です。企画から当日運営までを任せられれば、担当者は本来の業務やコンテンツづくりに集中できます。
- 品質の担保: 会場選定や演出、当日進行の勘所を押さえた運営で、参加者の満足度を高められます。
- 工数の削減: 煩雑な手配や調整を任せることで、少人数のチームでも大型イベントを回せます。
- リスクの回避: 当日のトラブル対応や進行管理をプロに委ねることで、開催当日の不安を減らせます。
依頼するデメリットと注意点
一方で、外注にはコストと意思疎通の負担が伴います。とくにBtoBイベントで見落とされがちなのが、「発注のゴールが開催そのものになってしまう」リスクです。
- コストがかかる
内製に比べて費用は増えます。予算と成果目標のバランスを最初にすり合わせる必要があります。 - コミュニケーションコスト
目的や要望が曖昧なまま任せると、期待とずれた仕上がりになりがちです。 - 成果が出ないリスク
見た目が華やかでも、リードや商談につながらなければ投資は回収できません。開催後の成果まで見据えて発注することが重要です。
3つ目の「成果」は、会社選びの段階から意識しておきたいポイントです。次章の選び方でも、成果を共有できるかどうかを最初の軸に置いています。
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BtoBカンファレンスで集客と商談を両立した企業の取り組みは、こちらの事例集で紹介しています。

失敗しないイベント企画会社の選び方【5つの軸】
イベント企画会社は知名度や費用面のみで選ぶと後悔しやすいものです。次の5つの軸で候補を評価すると、自社の目的に合った会社を見極められます。優先度の高い順に並べました。
①目的・成果(KPI)を共有できるか
最初に確認したいのは、イベントの目的や目指す成果を一緒に整理してくれるかどうかです。「何人集めたいか」だけでなく、「開催後にどのような商談や成果につなげたいか」まで踏み込んで提案してくれる会社であれば、イベント全体を見据えた支援が期待できます。一方で、演出や会場の話が中心で、開催後の成果についてあまり触れられない場合は、提案内容を慎重に確認した方がよいでしょう。
②自社の目的に合った実績・得意分野か
開催したいイベントと近い実績があるかを確認しましょう。たとえば、BtoBカンファレンスを開きたい場合、販促イベントの実績が中心の会社では、必要な対応や提案の方向性が合わないことがあります。実績を見るときは、規模だけでなく、イベントの種類や業界が自社の目的に近いかどうかも確認すると、依頼先を選びやすくなります。
③依頼範囲(ワンストップ/部分)と提案の柔軟性
企画から運営まで一貫して任せたいのか、一部だけ依頼したいのかを整理し、その依頼範囲に柔軟に対応できるかを確認します。「一式でしか受けられない」会社と「必要な部分だけ支援できる」会社では、費用も自由度も変わります。
④費用と提案内容のバランス・体制
同じ予算でも、提案の中身と体制は会社ごとに差があります。見積もりの安さだけでなく、担当者の人数や繁忙期の体制、追加費用の発生条件まで含めて比較しましょう。担当者のレスポンスや相性も、当日までの進めやすさに直結します。
⑤オンライン・ハイブリッド/データ活用への対応力
オンラインやハイブリッドで開催する場合は、配信環境の手配だけでなく、参加者データを取得してMA/SFAと連携できるかまで確認します。データを活用できる会社なら、イベントを「やって終わり」にせず、次の商談につなげる設計まで相談できます。
イベント企画会社に依頼する費用相場と内訳
イベント企画会社に依頼する費用は、イベントの規模や依頼する業務範囲によって大きく変わります。小規模なイベントであれば数十万円程度から、大規模なイベントでは数千万円規模になることもあります。そのため、相場だけで判断するのではなく、見積もりにどの費用が含まれているのかを確認することが大切です。費用の内訳を理解しておくと、複数社の見積もりを比較しやすくなり、予算に合った依頼先を選びやすくなります。
費用は主に次の4項目で構成されます。見積もりを受け取ったら、この内訳ごとに金額の妥当性を確認しましょう。
- 企画費: 目的整理、コンセプト設計、プログラム構成などの上流工程。
- 制作費: 会場装飾、ステージ、映像・音響・照明、印刷物などの制作・手配。
- 運営費: 当日のディレクション、進行管理、受付・誘導スタッフの人件費。
- 会場費: 会場のレンタル料。規模や立地で大きく変動します。
規模・目的別の費用の目安
一般的な目安として、少人数のセミナーや講演会は数十万円台から、社内イベントやパーティーは100万〜300万円程度、大規模なカンファレンスや展示会では1,000万円を超えることもあります。あくまで目安であり、演出のこだわりや参加人数、会場のグレードで上下します。
費用を抑えるコツ
費用を抑えたいときは、値切るのではなく「切り分ける」ことが有効です。次の3点を意識すると、成果を落とさずにコストを最適化できます。
- 自社でできる部分を切り分ける
集客やアンケート設計など、ツールで内製できる領域は自社で持ち、専門性の高い部分だけ外注する。 - 見積もりを「一式」ではなく分解してもらう
項目ごとに金額を出してもらうと、削れる費用と削れない費用が見えます。 - 複数社から相見積もりを取る
2〜3社に同じ条件で依頼すると、相場観と各社の強みが比較できます。
自社での企画・運営に切り替える場合は、進め方の型を押さえておくと外注範囲の判断がしやすくなります。
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どこまで自社で進められるかを見極めたい方は、イベント企画の手順を解説したこちらの記事もご覧ください。
👉️ イベント企画の進め方|BtoB担当者のための7ステップと成功のコツ

相談から実施までの流れと発注準備(RFP)
イベント企画会社への依頼は、相談から実施まで6つのステップで進みます。全体像を把握しておくと、いつ・何を決めればよいかが分かり、準備の遅れを防げます。
- ヒアリング: 目的・予算・時期・想定人数を伝え、対応可否と概算を確認する。
- 企画・提案: 会社からコンセプトやプログラム、見積もりの提案を受ける。
- 契約・設計: 提案をすり合わせ、契約後に詳細な実施設計を固める。
- 制作・手配: 会場、装飾、機材、印刷物などを制作・手配する。
- 当日運営: リハーサルを経て、当日のディレクションと進行を行う。
- 振り返り: 参加者データやアンケートをもとに成果を測定し、次回に活かす。
準備期間は、小規模なセミナーで1〜2ヶ月、大規模カンファレンスでは3〜6ヶ月が目安です。早めに相談するほど、会場や登壇者の選択肢が広がります。
発注前に整理すべき要件(RFP)
複数社を比較するなら、発注前に要件をまとめたRFP(提案依頼書)を用意すると、提案の質と比較のしやすさが大きく変わります。目的・KPI・予算・希望時期・依頼したい範囲を1枚に整理しておけば、各社が同じ前提で提案してくれるため、見積もりの比較も公平になります。
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発注要件の整理に使えるRFPの作り方は、テンプレート付きでこちらの記事にまとめています。
👉️ RFP(提案依頼書)の作り方|手順・記載項目・テンプレート

丸投げがすべてではない|内製・ツール活用・外注の使い分け
イベント企画会社への発注を考えるとき、選択肢は「全部外注するか、自社でやるか」の二択ではありません。実際には、完全内製・ツールを活用した内製・一部委託・フル外注という4段階のグラデーションがあり、目的と体制に応じて使い分けるのが現実的です。
とくにBtoBイベントでは、集客や参加者管理、データ活用といった「成果に直結する部分」を自社に残し、専門性の高い演出や大規模運営だけを外注する形が増えています。イベントプラットフォームを使えば、少人数のチームでも大型イベントの申込み管理から当日受付、データ連携までを内製できるためです。
実際に、SmartHR社はEventHubを活用し、5,000人規模のオンラインカンファレンスを3名体制で運営しています。ツールで実務を効率化すれば、外注に頼りきらなくても大型イベントは実現できるという一例です。
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少人数で大規模カンファレンスを運営した取り組みは、こちらの事例で詳しく紹介しています。

発注後に成果を最大化する設計
どの選び方をする場合でも、イベントを無事に開催するだけでなく、その後にどのような成果につなげたいかまで考えておくことが大切です。特にBtoBイベントでは、参加者データを取得し、開催後のリードフォローや商談につなげる設計ができているかによって、イベントの効果は変わります。カオナビ社では、イベントを軸にした施策により、総商談の約40%をイベント経由で創出しています。事前に効果測定の指標を決めておくことで、イベント企画会社への依頼内容も整理しやすくなり、開催後の成果も振り返りやすくなります。
企画から運営、成果設計までを一括で相談したい場合は、EventHubのイベントプロデュースプランのように、ツールと専門チームの両方を提供する選択肢もあります。成果から逆算するプロデュースの考え方は、次の記事で詳しく解説しています。
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成果から逆算してプロデュース会社を選ぶ視点は、こちらの記事で詳しくまとめています。
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開催後の成果をどう測るかは、効果測定の指標と手順を解説したこちらの記事が参考になります。

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まとめ:イベント企画会社は目的と成果から選ぶ
イベント企画会社を選ぶ際は、会社の知名度や費用だけで判断するのではなく、自社の目的に合った支援を受けられるかを確認することが大切です。会社のタイプや費用、依頼できる範囲を理解したうえで、開催後にどのような成果につなげたいのかまで整理しておくと、自社に合った依頼先を選びやすくなります。
本記事のポイント
- イベント企画会社には企画・制作・運営・集客/フォローの4領域があり、自社が任せたい範囲を整理すると候補を絞りやすい。
- 会社は大手代理店系・制作専門・特化型・デジタル強者の4タイプに分かれ、目的と規模で相性が変わる。
- 選び方の第一軸は「目的・成果(KPI)を共有できるか」。実績・依頼範囲・費用体制・オンライン対応が続く。
- 費用は企画費・制作費・運営費・会場費の内訳で比較し、自社でできる部分を切り分けてコストを最適化する。
- 発注は全部外注か内製かの二択ではない。ツール活用で内製と一部委託を組み合わせ、成果設計まで描くと投資対効果が高まる。
まずは自社のイベントの目的とKPIを1枚に書き出し、依頼したい範囲を決めることから始めてみてください。要件が固まれば、相見積もりも提案の比較もぐっと進めやすくなります。
よくあるご質問
質問:イベント企画会社にはどの段階から相談すべきですか?
回答:目的と大まかな予算が固まった段階での相談がおすすめです。会場や登壇者の選択肢を確保するため、小規模なら1〜2ヶ月前、大規模カンファレンスなら3〜6ヶ月前を目安に動くと安心です。
質問:小規模なイベントでも依頼できますか?
回答:依頼できます。数十名規模のセミナーから対応する会社もあります。ただし小規模案件を得意とするかは会社によって異なるため、実績を確認し、必要な部分だけ依頼する形も検討しましょう。
質問:どこまでの業務を任せられますか?
回答:企画立案から会場手配、制作、当日運営、終了後のフォローまで一括で任せられます。一方で、集客や参加者管理などはツールで自社に残し、専門性の高い部分だけ外注する切り分けも可能です。
質問:オンラインやハイブリッド開催にも対応できますか?
回答:対応できる会社が増えています。ただし配信環境の手配だけでなく、参加者データの取得やMA/SFA連携まで対応できるかは差が大きいため、BtoB目的なら実績を必ず確認してください。
質問:発注後に追加費用が発生することはありますか?
回答:仕様変更や当日の追加対応で発生する場合があります。契約前に、追加費用が発生する条件と単価を確認し、見積もりを「一式」ではなく項目ごとに分解してもらうとリスクを抑えられます。
質問:費用を抑えるにはどうすればよいですか?
回答:値切るより「切り分ける」のが有効です。集客やアンケートなどツールで内製できる部分は自社で持ち、専門性の高い領域だけ外注します。あわせて2〜3社から相見積もりを取ると、相場観と各社の強みが比較できます。
こちらの記事の監修・執筆者
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株式会社EventHub マーケティングマネージャー 鈴木 優一 |
| 2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。 |

