ユーザー会のやり方|初めての企画から成功運営の7ステップ

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「上司からユーザー会の企画を任されたが、何から始めればよいかわからない」「開催経験はあるものの、運営が属人化していて継続しづらい」「KPI設計や社内提案の進め方に自信がない」こうした悩みを抱えるBtoB SaaSのカスタマーサクセス担当者は少なくありません。ユーザー会は、設計次第でリテンション向上・LTV向上・解約率低減につながる、CSの重要施策になります。一方で、目的設計や運営方法が曖昧なまま進めると、単発イベントで終わってしまうケースも少なくありません。

本記事では、初めて担当する方でも実践しやすいように、具体的なタスクリストを交えながら、開催形式の選び方、運営の7ステップ、KPI設計、よくある失敗と対策までをわかりやすく解説します。

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ユーザー会とは?目的・メリット・他施策との違い

ユーザー会は、自社プロダクトのユーザーが集まり、活用ノウハウの共有・参加者交流・コミュニティ形成を目的に開催するイベント施策です。BtoB SaaSのCS領域でリテンション施策として位置づけられ、ファン化・LTV向上・解約率低減につながる中核施策として導入が広がっています。

ユーザー会の定義と開催の目的

ユーザー会とは、自社プロダクトを利用しているユーザー同士が集まり、交流や情報共有を行う場をつくる施策です。単なるセミナーやウェビナーとは異なり、企業からの一方向の情報発信ではなく、参加者同士の対話やノウハウ共有を中心に設計されている点が特徴です。

開催目的は企業によって異なりますが、代表的な軸は次の4つに整理できます。

  • リテンション・LTV向上(CS指標改善の本丸)
  • プロダクトフィードバック収集(本音のインサイト発掘)
  • ファン化・口コミ創出(ロイヤル顧客育成・紹介発生)
  • 商談創出(CS〜セールス連携のリード循環)

ユーザー会は複数の目的を同時に実現できる施策ですが、初開催の段階では目的を1つに絞ったほうが、企画や運営の方向性がぶれにくく、成功につながりやすくなります。

開催形式は、オンライン・オフライン・ハイブリッドの3種から選びます。形式選定は後述の運営7ステップ・ステップ3で詳しく解説します。

企業側がユーザー会を開催する4つのメリット

企業側のメリットは、CS指標改善、プロダクトフィードバック収集、ファン化・口コミ創出、商談創出の4つに整理できます。これらは単独ではなく相互に連動して事業成果に貢献する構造を持ちます。

# メリット 具体的な効果
1 CS指標の改善 解約率低減、LTV向上、リピート参加者のARPU上昇
2 プロダクトフィードバック収集 営業現場で出ない本音、競合との比較で見える要望が雑談から得られる
3 ファン化・口コミ創出 ロイヤル顧客の発掘、紹介経由の新規顧客獲得
4 商談創出(CS〜セールス連携) 既存ユーザー経由のリード紹介、アップセル・クロスセルの起点

CS指標改善はユーザー会の本丸の成果です。リピート参加者の解約率は新規参加者よりも低く、LTVも有意に高い、というデータを多くのBtoB SaaS企業が報告しています。

参加者側がユーザー会に参加する3つのメリット

参加者側にも明確なメリットがあるため、集客のハードルは思うほど高くありません。参加者が得られるメリットを整理すると、次の3点に集約されます。

  • プロダクト活用方法の習得(他社事例を直接聞ける情報源)
  • 同業者ネットワーク形成(同じ職種・課題を持つ仲間との接点)
  • 課題解決のヒント獲得(自社の運用課題を他社の解決法と照らせる場)

3つのメリットを企画段階から訴求すると申込み率が向上し、参加者の継続動機にもつながります。

ユーザー会と一般的なセミナー・ウェビナーとの違い

ユーザー会とセミナー・ウェビナーは、見た目の形式は似ていても、目的や設計思想が大きく異なります。それぞれの違いを理解した上で、目的に合った形式を選ぶことが重要となります。

項目 セミナー・ウェビナー ユーザー会
主目的 企業から参加者への情報提供 参加者同士の相互交流とコミュニティ形成
参加対象 不特定多数(リード獲得目的) 既存ユーザー中心(限定参加も可)
双方向性 一方通行が多い 双方向設計が必須
開催頻度 月次以上の高頻度 月次〜四半期に1回
KPI 申込み数・参加率・商談化率 リピート率・LTV・解約率連動

セミナー・ウェビナーで集めたリードを「ユーザー会への招待」で関係を深める設計も有効です。両者を補完的に運用する企業がBtoB SaaSでは増えています。

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ユーザー会のやり方|成功させる運営7ステップ

ユーザー会を成功させるには、目的・KPI設計から、ターゲット設定、開催形式の選定、集客、当日運営、事後フォロー、改善までを段階的に進めることが重要です。本記事では、これらを7つのステップに整理し、それぞれの判断ポイントや、初開催時・改善フェーズで押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。

ステップ1:目的とKPIを明確にする

初開催型と改善型で、設定すべき目的とKPIは異なります。初開催型は「認知拡大・初回参加比率」、改善型は「リピート率・LTV連動」を中心に設計しましょう。目的が曖昧なまま進めると、その後の企画・運営・効果測定までぶれてしまうため、最初の設計段階でしっかり整理しておくことが重要です。

タイプ別のKPI例を整理すると、次のようになります。

  • 初開催型:ターゲット層からの申込み数/参加率/満足度スコア/開催後アンケートのコミュニティ加入率
  • 改善型:リピート参加率(同一参加者の再参加比率)/参加者のLTV・解約率/紹介経由の新規参加者数

社内合意を得るためにも、KPIは経営指標と紐づけて設計してください。「リピート参加者の解約率は新規参加者の半分」「リピート参加者のARPUは1.4倍」などのデータが揃えば、ユーザー会の予算は事業投資として正当化しやすくなります。

ステップ2:参加者ターゲットを定義する

ターゲット定義は、大きく次の3パターンに分かれます。ターゲット選定で集客チャネルもコンテンツ設計も大きく変わるため、初期段階で明確にしましょう。

  • 既存全ユーザー:参加母集団が大きく認知度を高めやすいが、属性は広範になりがち
  • 優良ユーザー限定:深いエンゲージメント獲得に向くが、新規取り込みは弱まる
  • 関心顧客(トライアル含む):活用促進・本契約への引き上げを目的化できる

3パターンの選択は、ステップ1で設定した目的とKPIから逆算します。初開催期は「既存全ユーザー」、改善期は「優良ユーザー限定」を中心に設計するのが定石です。

ステップ3:開催形式・テーマ・プログラムを決める

3つの開催形式(オンライン・オフライン・ハイブリッド)から、目的とフェーズに合った形式を選びます。テーマ設定で意識したいのは「参加者が翌日から実務で活かせる内容になっているか」ということです。抽象的な話だけではなく、具体的な活用事例や実践ノウハウを盛り込むことで、参加満足度が高まりやすくなります。また、ユーザー会では企業側が話すだけにならないよう、プログラム全体の3割以上を参加者同士が関われる双方向コンテンツにすることが重要です。

形式ごとの特徴や使い分けについては、後述の「3つの開催形式とテーマ設計のコツ」で詳しく解説します。

テーマを決める際は、以下の視点から考えると整理しやすくなります。

  • Q&A(登壇者と参加者の対話を促す時間設計)
  • 参加者発表枠(参加者自身が登壇できる5〜10分のLT枠)
  • グループディスカッション(少人数で意見交換する時間の確保)
  • リアルタイム投票(その場の意思表示で議論を活性化)
  • ブレイクアウトルーム(オンライン時の少人数セッション)

ステップ4:集客と告知を実施する

集客チャネルは、以下の3層で組み立てます。

  • メール(既存顧客リスト):確度の高いアプローチ。CSタッチポイントとして機能
  • コミュニティチャネル(Slack・Discord等):継続接点の中核。次回告知の起点
  • SNS(X・LinkedIn):潜在層へのリーチ拡大と話題化

それぞれの強み・到達範囲・温度感を活かして使い分けることで、リーチと精度のバランスがとれます。

リードタイムは最低3週間を確保しましょう。1週間前、3日前、当日のリマインドを段階的に配信し、申込み後の離脱を防ぎます。参加形式(リアルタイム視聴/アーカイブ視聴)の選択肢を申込みフォームで取得しておくと、当日の運営設計に活かせます。

申込みフォームには、参加目的・期待する内容・現在の課題などを任意項目で含めると、当日のプログラム調整やフォローアップに役立つデータが得られます。

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ステップ5:当日運営とファシリテーションを設計する

当日の進行責任者であるコミュニティマネージャーは、「指揮者」ではなく「ファシリテーター」として動きましょう。参加者同士の関係構築を促す動線を準備し、自分が主役にならないことが重要です。

進行台本は、5〜10分ごとに参加者参画ポイント(質問・投票・チャット拾い)を組み込んで設計してください。運営チーム内で役割を明確に分担しておくと、トラブル発生時の対応もスムーズです。EventHubのようなイベントマーケティングプラットフォームを活用すると、配信・参加者管理・チャット・アンケートを統合管理でき、運営の属人化と工数の両方を抑えられます。

オフライン会場の場合、QRコード受付や名札の工夫で初対面の参加者同士が話しかけやすい状況をつくります。オンラインの場合、チャットでの自己紹介スレッドや、参加者のプロフィール一覧を事前に共有するなどしましょう。

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ステップ6:事後フォローと振り返りを行う

事後フォローでは、次の4点セットを徹底します。

  • 24時間以内のお礼メール/コミュニティチャネル投稿(熱量が冷める前の接点確保)
  • アーカイブ配信の共有(参加者の振り返り・社内共有を促進)
  • アンケート回収(満足度・テーマ要望・コミュニティ要望の収集)
  • 次回告知(継続参加への期待感を醸成)

特に重要なのは、イベントの熱量が下がる前に次の接点を提示することです。

この流れを作ることで、リピート参加につながりやすくなります。また、参加者アンケートは「満足度を測るだけ」で終わらせないことが重要です。次回取り上げてほしいテーマや、コミュニティへの要望まで収集することで、次回企画の改善材料になります。

さらに、次回イベントで「前回いただいたご意見を反映しました」と共有すると、自分たちでコミュニティを作っている感覚が参加者に生まれ、継続参加にもつながります。

振り返りミーティングは、開催当日か翌営業日までに運営チームで実施しましょう。良かった点・改善点・次回への課題を整理し、運営マニュアルへ反映していくことで、イベント品質を継続的に高められるようになります。

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ステップ7:社内共有と次回への改善

開催レポートを作成し、CS・マーケティング・営業・プロダクトの各チームに展開します。ユーザー会で得られた参加者の声や要望、成功事例は、各チームの業務改善に直接活かすことができます。

社内共有のポイントは「定量データ」と「参加者の生の声」を両方含めることです。参加者数・リピート率・満足度などの定量データに加えて、印象的だったコメントや改善要望、成功事例などを共有すると、各チームが具体的な施策を検討しやすくなります。

また、次回開催に向けた改善点は運営マニュアルへ反映し、担当者が変わっても運営できる状態を整えておきましょう。こうした仕組み化を進めることが、属人化を防ぎながら、継続運営と工数削減の両立につながります。

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ユーザー会の3つの開催形式とテーマ設計のコツ

ユーザー会の開催形式は、大きく「オンライン」「オフライン」「ハイブリッド」の3種類に分けられます。コミュニティの成長段階や開催目的に合わせて形式を選ぶことで、運営負荷を抑えながら、参加者満足度を高めやすくなります。

また、成果につながるユーザー会にするためには、開催形式だけでなく、テーマ設計も重要です。それぞれの開催形式の特徴に加えて、テーマ設計で押さえておきたい3つの視点も整理していきたいと思います。

オンライン形式の特徴と向いているケース

オンライン形式は、Web会議ツールやイベント配信ツールを使って開催する方法です。

場所を問わず参加できるため、全国・海外のユーザーにも参加してもらいやすい点が大きなメリットです。特に、以下のようなケースに向いています。

  • コミュニティ立ち上げ初期で参加者が各地に分散している
  • 会場費などのコストを抑えたい
  • 月次など高頻度で開催したい

また、録画やアーカイブ配信がしやすく、後から視聴できるコンテンツとして活用できる点も魅力です。一方で、オンラインは「聞くだけ参加」になりやすく、参加者同士の交流が生まれにくい課題があります。そのため、チャット・リアルタイム投票・ブレイクアウトルームなど、参加者が関われる仕組みを意識的に取り入れることが重要です。

オフライン形式の特徴と向いているケース

オフライン形式は、会場に集まって対面で開催する方法です。偶発的な会話や名刺交換が生まれやすく、参加者同士の関係性を深めやすい点が特徴です。特に、以下のようなケースに向いています。

  • コミュニティの中核メンバーとの関係を深めたい
  • ロイヤル顧客のファン化・アンバサダー化を進めたい
  • 年1〜2回の大型イベントとして開催したい

一方で、会場費やスタッフ稼働などのコストはオンラインより高くなります。また、開催場所によって参加できる人が限られる点も考慮が必要です。会場設計では、講演を聞くだけの形式ではなく、立食形式やラウンドテーブル形式など、参加者同士が自然に会話しやすいレイアウトを意識しましょう。

ハイブリッド形式の特徴と向いているケース

ハイブリッド形式は、会場開催とオンライン配信を組み合わせる方法です。

オフラインならではの熱量と、オンラインの参加しやすさを両立できる一方で、3形式の中では最も運営難易度が高くなります。特に、以下のようなケースに向いています。

  • コミュニティが成長し、参加スタイルのニーズが多様化してきた
  • 年1回の大型カンファレンスとして開催したい
  • 地方ユーザーにも参加してもらいたい

ただし、会場の様子をそのまま配信するだけでは、オンライン参加者は“視聴者”になってしまいます。オンライン側にも専用Q&A、チャット進行、限定コンテンツなどを用意し、「参加している感覚」を作ることが重要です。

また、会場参加者とオンライン参加者を別々に管理するのではなく、同じ仕組みの中でまとめて管理できる状態を整えることも重要です。参加状況や交流データを一元化できるようにしておくことで、イベント後の分析や改善にも活かしやすくなります。

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成功するテーマ設計の3つの軸

開催形式が決まったら、次はテーマ設計です。成功するテーマには、以下の3つの共通軸があります。

  • 参加者の業務フェーズに合致しているか
  • 翌日の業務で使える内容になっているか
  • 過去アンケートデータを反映できているか

「参加者の業務フェーズに合ったテーマ」とは、その時期のユーザーが実際に抱えている課題や関心に合っているテーマのことです。たとえば、導入直後のユーザーには「初期設定でつまずきやすいポイント」、運用に慣れてきたユーザーには「データ活用の応用事例」のように、ユーザーの状況に合わせて内容を具体化していきます。

また、ユーザー会のテーマでは、「翌日の業務ですぐ使える内容」であることが重要です。抽象的な業界論ではなく、実際の業務に落とし込める手順・テンプレート・チェックリストなどを盛り込むことで、参加満足度が高まりやすくなります。

さらに、テーマ設計では過去アンケートの活用も欠かせません。

参加者から寄せられた要望や悩みをもとにテーマを決めることで、よりニーズに合った企画になります。特に、アンケートの自由記述欄にはリアルな課題感が集まりやすいため、毎回しっかり読み込み、テーマ候補を更新していくことが重要です。

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オンラインイベント開催事例集
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オンラインイベントを開催された企業様の事例を紹介しています。オンラインイベントの開催に関する課題と解決策が気になる方にオススメです。     &nbs...

成功している企業から学ぶ4つの共通点

業界も規模も運営手法も異なるにもかかわらず、共通する4つの要素が見つかります。

# 共通点 具体的な特徴
1 目的の明確化 「何のためのコミュニティか」が運営チームと参加者の双方に共有されている
2 参加者主導の設計 企業が一方的に提供する形ではなく、参加者自身が登壇・発信する構造
3 データ可視化 参加・交流・継続のデータをツールで取得し、施策改善に活用
4 継続開催の仕組み化 1回完結ではなく、継続を前提とした運営チームと予算配分

自社のユーザー会を見直す際、4つの観点でチェックするとどこを改善したらよいかが見えやすくなります。

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ユーザー会で設定すべき4階層のKPI

ユーザー会のKPIは、認知・参加段階、エンゲージメント段階、継続段階、成果段階の4階層で設計するのが効果的です。階層ごとに測るべき指標を分け、最終的に事業成果(LTV・商談化率・解約率連動)に紐づけることで、ユーザー会の価値を経営層にも説明しやすくなります。

認知・参加段階のKPI(参加申込み数・参加率・初回参加比率)

立ち上げ期に重視するのが認知・参加段階のKPIです。社内承認を得るための定量基盤として機能します。代表指標は次の通りです。

  • 参加申込み数(告知から申込みまでのファネル評価)
  • 参加率(申込み者のうち実参加した比率)
  • 初回参加比率(新規参加者の割合)

参加率の目安は、オンライン開催で50〜70%、オフライン開催で70〜90%程度です。

これを大きく下回る場合は、リマインド不足や開催日時のミスマッチ、事前準備の負担が大きいなど、参加しづらい要因がある可能性があります。

また、初回参加比率は、コミュニティが新しい参加者を取り込めているかを確認する指標になります。初回参加比率が100%だと固定ファンが育っておらず、0%だと新しい参加者が増えていない状態と考えられます。そのため、新規参加者とリピート参加者の両方がバランスよく存在する状態を目指すことが重要です。

エンゲージメント段階のKPI(チャット数・交流件数・アンケート回答率)

「実質的に何人が参加し、どれだけ交流したか」を測定する段階です。形式別に代表指標を整理すると、次のようになります。

  • オンライン:チャット投稿数、視聴時間
  • オフライン:名刺交換数、面談予約数
  • 両形式共通:参加者間のメッセージ数、ブレイクアウトでの発言数、アンケート回答率

これらの指標を継続的に追いかけることで、「参加者同士の交流をもっと増やすにはどう改善すべきか」が見えやすくなります。また、アンケート回答率も、参加者の関心度や熱量を測る指標として有効です。ひとつの目安として、回答率80%以上を目指すとよいでしょう。

継続段階のKPI(リピート率・コミュニティ滞在期間)

コミュニティの健全性を測る段階です。一度参加した人がどれだけ継続しているかが、ここで明らかになります。健全なコミュニティの一つの目安は次の通りです。

  • リピート率:70%以上
  • 平均コミュニティ滞在期間:12ヶ月以上

これらの指標は、単発イベントだけでは判断できません。複数回のイベントを通じた縦断的なデータ取得が必要となるため、初期段階から参加者IDを継続的に管理できる仕組みを整えましょう。

成果段階のKPI(LTV・商談化率・解約率連動)

最終的な事業成果に紐づくKPIです。この段階のデータがあると、ユーザー会の価値を経営層にも説明しやすくなります。代表的な指標は次の通りです。

  • ARPU(ユーザー会参加者の顧客単価)
  • LTV(顧客生涯価値)
  • 解約率(チャーンレート)
  • 商談化率(参加から商談へ進んだ比率)
  • 紹介経由の新規顧客数(口コミ・推薦による拡大)

参加者と非参加者でこれらの指標を比較することで、ユーザー会の事業貢献を定量的に示せます。「参加者の解約率は非参加者の半分」「参加者のARPUは1.4倍」といったデータが揃うのが理想的です。

ユーザー会でよくある失敗と対策

ユーザー会では、運営を続ける中でよく発生する失敗パターンがあります。

代表的なのは、「企業からの発信だけになってしまう」「単発イベントで終わってしまう」「運営工数が増え続ける」「成果を経営層に説明できない」といった4つの課題です。

ここでは、それぞれの失敗が起きる原因と、改善のための対策を整理して解説します。

企業からの発信だけになってしまう

最も多い失敗は、企業からの発信がメインのユーザー会となり、参加者が「話を聞くだけ」で終わってしまうケースです。その場は盛り上がっても、参加者同士のつながりが生まれず、コミュニティとして発展しにくくなります。

こうした状態を防ぐには、最初から双方向のコミュニケーションを前提にプログラムを設計することが重要です。具体的には、ブレイクアウトセッション、参加者発表、チャット交流、リアルタイム投票など、参加者が関われるコンテンツを全体時間の3割以上組み込むのが一つの目安になります。また、司会者がチャット内容を積極的に拾い、投稿者の名前を呼びながらリアクションすることで、参加者も発言しやすくなり、交流の活性化につながります。

単発イベントで終わってしまう

「初回は盛り上がったのに、2回目以降は参加者が減ってしまった」というケースは少なくありません。多くの場合、原因はイベント当日だけの設計となっており、参加者同士の継続的な接点が作れていないことにあります。

対策としては、イベント外でも参加者同士がつながれる場を用意することです。たとえば、Slack・Discord・専用フォーラムなどのコミュニティチャネルを併設し、イベント終了後24時間以内に投稿を行うことで、交流を継続しやすくなります。

また、次回イベントの案内は終了直後に行うのが効果的です。「次がいつあるのか」を参加者が把握できる状態を維持することで、継続参加への意識が高まりやすくなります。開催頻度は、コミュニティの規模や運営体制に合わせて、月次・隔月・四半期開催などから無理のない形を選びましょう。

運営工数が増え続ける

初回開催に力を入れすぎて、運営チームが疲弊してしまうケースもよくあります。手作業が多い状態や、運営ノウハウの属人化が続くと、2回目以降の継続が難しくなります。こうした課題を防ぐには、初期段階からイベント管理ツールを活用し、運営業務を仕組み化することが重要です。

たとえば、EventHubを導入したマツリカではウェビナー運営工数を75%削減し、マネーフォワードのクラウド事業では、無人配信の仕組み化によって運営工数を4分の1に削減しながら開催数を4倍に増やした事例があります。

これらの企業に共通しているのは、「ツールに任せられる部分は自動化し、運営チームは企画や参加者対応に集中する」という考え方です。また、属人化を防ぐためには、毎回の運営内容をマニュアルやチェックリストとして残していくことも欠かせません。改善内容を蓄積できる状態を作ることで、継続運営しやすくなります。

成果を経営層に説明できない

ユーザー会では、「盛り上がった」「満足度が高かった」といった感想だけで終わってしまうケースがあります。これでは、事業成果とのつながりが見えず、継続予算の説明が難しくなります。

対策として重要なのは、参加データを事業KPIと結びつけて管理することです。たとえば、イベント参加者の継続率・ARPU・LTV・商談化率などを、非参加者と比較できるようにしておくと、施策価値を定量的に説明しやすくなります。EventHubのようなイベント管理ツールを活用すれば、参加履歴や交流データ、MA連携データをまとめて管理でき、分析やレポート作成もしやすくなります。

また、四半期ごとに「ユーザー会参加者の事業貢献レポート」を作成し、継続率やLTVの変化を追う習慣を持つことも重要です。こうした形でデータを蓄積できるようになると、ユーザー会を単なるイベントではなく、事業成長につながる投資として説明しやすくなります。

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まとめ:ユーザー会のやり方は「目的明確化」と「継続運用」が成功のポイント

ユーザー会のやり方は、目的・KPI設定、ターゲット定義、形式選定、集客、当日運営、事後フォロー、社内共有の7要素を統合的に設計することで、リテンション施策として機能する取り組みへと変わります。本記事では、初めての担当者でも実践しやすいように、手順を整理しました。

本記事のポイント

  • ユーザー会は、CS指標改善・プロダクトフィードバック収集・ファン化・商談創出の4つのメリットを生み出すリテンション施策である
  • 3つの開催形式(オンライン/オフライン/ハイブリッド)はフェーズと目的で使い分け、テーマ設計では「業務フェーズの合致」「翌日使える内容である」「過去アンケートを反映」の3軸を意識する
  • 7ステップ(目的・KPI設定→ターゲット定義→形式選定→集客→当日運営→事後フォロー→社内共有・改善)で実装し、初開催期と改善期で重視するKPIを切り替える
  • KPIは認知・参加 → エンゲージメント → 継続 → 成果(LTV・商談化・解約率連動)の4階層で設計し、経営層への説明可能性を担保する
  • 失敗の4パターン(一方通行化/単発化/運営工数増/経営層に説明できない)には、それぞれ具体的な対策がある

まず最初に整理したいのは、自社が「初開催フェーズ」なのか、「改善・拡大フェーズ」なのかを明確にすることです。この位置づけが決まると、選ぶべき開催形式やKPI、設定すべきテーマも整理しやすくなります。本記事で紹介した「運営7ステップ」と「KPI4階層」を参考にしながら、まずは自社向けのユーザー会企画書を作成してみてください。

よくあるご質問

質問:ユーザー会とウェビナー・セミナーの違いは何ですか?

回答:ウェビナー・セミナーは「企業から参加者への情報提供」が中心ですが、ユーザー会は「参加者同士の相互交流とコミュニティ形成」が主目的です。配信形式は似ていても、設計思想と運営手法は異なります。ユーザー会では双方向設計と継続接点づくりが必須となります。

質問:ユーザー会を始めるのに最低限必要な体制は何人ですか?

回答:初開催期は1〜2名でも運営可能ですが、月次以上の頻度で継続するには2〜3名のチーム体制が現実的です。専任が難しい場合は、カスタマーサクセス・カスタマーマーケティング・プロダクトマーケティングから兼任メンバーを集める方法もあります。重要なのは肩書ではなく「誰が責任を持って継続するか」を明確にすることです。

質問:開催頻度はどれくらいが適切ですか?

回答:コミュニティのフェーズと運営リソースに応じて選びます。立ち上げ期は四半期に1回、成長期は隔月、成熟期は月次が目安となります。重要なのは頻度の高さではなく「次がいつあるか」を参加者が把握できる定期性です。

質問:オンライン・オフライン・ハイブリッドのどれを選ぶべきですか?

回答:コミュニティのフェーズと目的によって異なります。立ち上げ期は参加ハードルの低いオンライン、深いエンゲージメントを狙う成熟期はオフラインが向きます。ハイブリッド形式は両立できますが運営難易度が高いため、運営チームに経験が蓄積されてから検討するのが現実的です。

質問:開催してもKPIが取れず、社内で継続予算が承認されません。何から改善すべきですか?

回答:参加者データ・交流データ・MA連携データを一元管理できるイベント管理システムの導入が出発点です。データが揃わなければKPIは設計できません。統合型のイベント管理ツールを使うと、参加→継続→LTVのファネルKPIを運営工数を抑えながら継続的に取得できます。

こちらの記事の監修・執筆者

株式会社EventHub
マーケティングマネージャー 
鈴木 優一
2010年上智大学大学院卒業。新卒でITベンチャー企業に就職。その後エン・ジャパンのwebサービス企画部門への転職を経て、タレントマネジメントシステムを提供するカオナビに社員番号5番で1人目のマーケターとしてジョイン、BtoBマーケティング組織の立ち上げに携わる。FinTechスタートアップのOLTAを経て、2022年5月にマーケティングマネージャーとしてEventHubに参画。

まずはEventHub概要資料をご覧ください。

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